キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

シャトー・ボーボワ

2011年11月02日 | Weblog
日本へ帰ってきてから穏やかな好天が続いています。良いですね、日本の秋、今が一番いい季節です。
多少なりとも時差の影響が軽減してきて、鮨や焼き鳥、シュウマイなんかがやけに美味く喰えるようになって来ました。フランスで大幅に増えてしまった体重を日本の低カロリーの食い物で軽減させなきゃいけないのに、からっとした天気のせいでしょうかやけに喰えるし飲めてしまいます。
食欲の秋の真っ只中に帰ってきたようです。

さて、今回フランスへ出張して感じたことの最大のポイントについては、既に速報のような形でご報告いたしましたが、”ディテールに神は宿る”と申しますので暇をみては些細な事を書き綴って置きたいと思います。

先ずは初めて訪問したシャトー・ボーボワのコスティエール・ド・ニームなんですが、十年近く前にヴィニ・スッドで試飲をしたこの地区の二三のメーカーの印象では、日本人の舌には個性が強すぎて、最初はいいだろうが結局定着しないだろうと判断して、このアペラシオンは今後考慮しなくていいと考えていました。
ところが今年の初めモンペリエの試飲会で、この地区のメーカーを多く試飲したところ、特に白ワインとロゼに関して、今までに無い魅力を感じました。

ボーボワの畑を醸造担当のファニーちゃんと畑担当の弟のフランソワに付いて周り、土壌や気候、樹齢などについて解説されました。ロゼには樹齢の若い黒ぶどう品種を使って、高樹齢になると赤ワインに廻すようです。”ロゼは果実味と軽さが命”は、彼我に違いは無いようです。

この地特有のミストラルは年間200日くらい吹いているらしく、このアルプス起源の冷涼で乾燥した風は、カビが原因の病気の予防に大いに役立っていて、ボージョレのドメーヌ・カレやドメーヌ・ド・ラ・モリエール、シャブリのドメーヌ・ボワ・ディベールなどの有機栽培家が羨ましがっていることでしょうなあ。

セラーを最終日の朝出掛けに慌しく見せていただきましたが、とても綺麗なワインなのでステンレスタンクでやっているのかと思ったら、赤はともかく白もロゼもセメントタンクでした。お父さんから設備をそのままひきついたんですね。これには少し驚きましたが、ステンレスであろうがセメントであろうが、ワインを作る人の性格がワインに一番強く反映されるようです。例えばファニーちゃんほど時間に正確なフランス人を知りませんし、滞在させてもらったゲストルームの整理整頓も見事でした。
口に入るものは、このようなきちんとした性格の人が誂えてくれるのが一番です。

ちなみにこのシャトー・ボーボワは、こちらでもコスチエール・ド・ニームで一番か二番の作り手として認識されているようです。どうりで美味いわけです。






コメント
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