キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

水曜日のBO

2011年11月12日 | Weblog
水曜日は市場が休みのために鮨屋には行きません。その代わりに行くところとなると肉を使ったところとか、ヌードルとかですね。
この日は野毛の36スパイシーズでチキンカレーと野菜カレーを食べました。
3月の震災で厨房のインド人3人が母国へ帰ってしまい、その後味が随分変わって残念でしたが、5月に一人帰ってきて味を建て直しました。
しかしこの日のチキンカレーはマイルドすぎて期待したスパイシーな旨味が無く、また料理人が替わったのかと思ったら、そうではなく、お客に合わせて味を変えているようでした。
家族に子供がいると、カレーだかシチューだか分からない正体不明な黄色い液体がかかった飯が出てきますが、専門のカレー屋がその愚を冒しちゃいけません。厳しく指摘しておきました。

ナンのお代わりが無料なので、二枚平らげたら腹がパンパンで歩くと喉元にカレー味が逆流してきましたが、”喰ったら歩け”を確実に実行しなければいけません。
大岡川を突っ切り、昼間からネオン輝くソープランド街の福富町で、呼び込みのお兄さんを振り切り伊勢佐木町へ、商店街にある昔ながらの古書店二軒を回ってBOへ向かいました。
一軒目の田辺書房で長年捜し求めていた尾崎一雄「あの日 この日」を棚の天辺に見つけ、踏み台を使って手にしたところ、上下揃いで4000円、状態はまあまあでよっぽど買おうかと思いましたが、箱入り美装の大判、何しろ嵩張ります。
どうせ直ぐには売れないからとぐっとこらえ、文庫本に巡り会わないときに買うことにして棚に戻しました。

35年前にひと夏のアルバイトの金を全て注ぎ込んで買った、両袖のかなり立派な机を持っているのですが、本が積み重なっていて使えない状態、もっぱらベッドに寝転んで読書をしています。
これですと単行本の薄いのは好いんですが、厚いのになると手が疲れて読んでいられません。
おりを見て本の整理をしなくちゃいけませんが、建て増した十一畳の書斎兼寝室は飽和状態、再度の建て増しには家人が非難ごうごう、父権というものが昔はあったと聞いておりますが、昔も今もそんな概念を目にしたことがありません。
本に愛着がなければ、要らないものを捨ててすっきりとするのですが、そう出来ないところがコレクターの駄目なところ、僅かなスペースを無理に見つけてはいじましく新たに仕入れた本を積み重ねています。
それでも、もうそろそろ部屋を片付けて机に向かう習慣を身に付けなけりゃいけません。

思いのほか混んでいた水曜日のBOでは文庫本二冊を仕入れました。

「パリのカフェをつくった人々」 玉村豊男 中公文庫 1997初版 2008の4刷
玉村さんの本は1冊だけ新書のものを持っていますが、基本的に全ての著書がワイン業者の参考書なので、読み始めると全部揃えないといけなくなるのを恐れてなるべく目を向けないようにしています。
この本の内容は、他の何人かのかたがその著書で引用していて、かなり内容を掌握していますが、一度きちんと読んでおこうと買いました。105円

「青女論」 寺山修司 角川文庫 昭和56年初版 平成4年改版初版
先日書棚を眺めていたら寺山修司の「旅の詩集」が目に付いて、手にとって少し読んで戻しました。それがあってか何時もは素通りしてしまう寺山修司に引っかかりました。
詩人というのは息が長いなあと思います。この本未だに版を重ねていて新刊で購入可能です。最後のページにこの文庫で出ている寺山修司の本が16冊紹介されていて、内5冊にさかさまのタイトルが付いています。さかさまシリーズの一冊のようです。
初めて寺山修司の散文を読みましたが、あの頃の時代を強く反映していて何より先ずは懐かしく感じました。年を取ると涙もろくなっていけません。青森県へ旅すると棟方志功と寺山修司を思いますが、青春時代に馴染んだものは一生付いて回ります。105円

合計210円でフランス、パリ、グルメ、女性、旅行、性などについてかなり知ることが出来ます。地震があろうが、経済が低迷しようが、仕事がなかろうが、素晴らしい国に生きていることを実感するには”町へ出ずに、書を読もう”ですね。








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