キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

貝尽くし

2011年11月20日 | Weblog
先日、福家でも貝の刺身を色々といただきましたが、久し振りに出かけた茅ヶ崎の渚亭でも貝を肴に雁木の無ろ過純米大吟醸を冷でいただきました。はしりの牡蠣は串焼きで、帆立は刺身、浅利は味噌汁と炊き込みご飯で喰いました。

貝好きは酒飲みになってからというわけではなく、子供の頃からでしたね。鮑は刺身の歯ごたえと噛むほどに滲み出てくる旨味がなんともいえず、ミル貝、赤貝、青柳、小柱、カラス貝、帆立貝は夫々味わいが違うもののどれも美味いですし、蛤、サザエ、蜆、浅利は調理したものを喰っていました。後年、北海道や東北へ行くようになって、螺貝、北寄貝の美味さを知りました。

貝は筋肉の歯ごたえと旨味が好きな理由なんですが、貝狂いだった母親の影響も大きかったと思います。マザータングというやつね。今では鮨屋の種で高価なものの代表が鮑で、千葉の大原産のものなどはまさに目が飛び出るほど高いので、決して注文はいたしませんが、大方伊豆辺りで取れたやつだったんでしょう、子供の頃に母が時々魚屋から鮑を買ってきて、たわしで汚れをこそぎ落とし、殻を外し刺身にするか、酒蒸しするかして喰いました。

当時は、今ほど鮑が高くはなかったものの、それほど廉くもなかったはずで、美味そうなものを見ると値段を省みず欲しくなる母の性格が私を貝好きにしたようです。
その性格は私にも遺伝しておりますが、喰い意地が張った人間は金には縁が無く、果たして良かったのか悪かったのか分かりません。

もう一つ母が魚屋で見かけると買わずにいられない貝が床伏で、これは酒と醤油で煮て喰いました。今でも魚屋で見かけるとつい買ってしまいますが、随分高くなったもので、一万円くらい買って帰らないと喰ったなと思うほどの量がありません。
この床伏の煮貝は、時々行く天麩羅の登良屋の大皿に良く置いてあり、頼むと一皿に二三個乗ってでてきます。値段は良く分かりませんが、酒を飲むときには必ず頼みます。

年を取ってくると歯が弱くなってきますから、若い頃楽しんだ締めた鮑など喰ったら歯が折れてしまいます。その記憶を頼りに、現実には煮貝を噛み締めて酒を飲る事になりますが、それはそれで実に好いもんであります。





コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする