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函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

函館市はイオンの傘下になるのか?

2019年01月28日 17時01分52秒 | えいこう語る

▼函館駅前の顔ともいわれたボーニ森屋百貨店が、1月末に82年の歴史に幕を下ろす。戦前戦後の函館の歴史のシンボル的存在だった。ちょっぴり大げさに言えば、函館市から皇居が無くなり、天皇制が廃止された状態のような感じではないだろうか。

▼つまり函館市の「市体=国体」が、護持されない状態になるのではないかというのが、私が心配する、この百貨店廃止後の函館市の将来像だ。

▼百貨店の現在の持ち主は、イオンだ。随分前だが「イオン函館上陸作戦」が始まった。その時は地元商店街が団結し阻止した。その後、市内にあったダイエーを手に入れたイオンは、ダイエーの傘下に入っていた「ボーニ森屋」を手に入れた。

▼いつの間にか、市の心臓部の「駅前城=ボーニ森屋」を手中に収めたという感じだ。ここで、函館市は「イオン進駐軍」に、駅前周辺のまちづくりのイニシアチブを握られた感じがするというのが、私の妄想に近い実感だ。

▼だが、市民の中には、死に体に近い中心部を、イオンなら生き返らせてくれるだろうという、ある種の期待を持っているようだ。

▼周辺商店街側や市民団体も「駅前城」の活用方法について、イオンと行政との三者で話し合っているようだ。いわゆる「住民参加型のまちづくり」だ。まちづくりの主体はあくまでも住民なので、それには賛意を示したい。

▼わが国は、戦後米国の占領下におかれ、安保条約で国防も米国に任せて来た。「日米構造協議」というのがあり、米国の言うことを聞かなければならなかった。

▼1992年「大店法撤廃要求」が米国よりあった。その後、大店舗が地方に出店すると、日本中の商店街は「シャター通り」と化す。これは米国のデスカウント店「ウオルマート」の経営と同様の、地方経済の衰退だ。

▼ウオルマートは「西友」を子会社にして、18年から「楽天」と提携した。イオンの経営戦略など知る由もないが、佐賀県下でのイオンの動きをみれば、なんとなく理解ができるような気がする。

▼現在、佐賀県上峰町のイオン閉店に係る推移を検索すれば、まちづくりのイニシアチブは、イオンに握られているという感じがする。

▼そこで思い出すのが1993年に、宮沢首相とクリントン大統領が交わした【年次改革要望書】だ。この正式名は【日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく要望書】だ。

▼イニシアティブとは主導権は米国にあるというものだ。これを毎年米国は日本に突きつけてきて、日本はこれに従って政策を実行することになる。つまりこの要望者は【日本改造計画】で、いまだに我が国は日本の植民地と言っても過言ではない。

▼というのが、読書や検索の中で私が理解した、我が国の大店舗に係る流れだ。だが、私がこの耳と目で実際確かめたイオンの動きがある。

▼それは、私が所属する函館市町会連合会が、研修視察で訪れた秋田県能代市町会連合会との交流会での出来事だ。この市にも、イオンの郊外型大型店舗の進出に対し、地元商工関係者が反対し、市を二分する争いがあるという。

▼このことについて尋ねてみた。そこで説明に立ったのが町会の幹部の方だ。議会は賛成の方向を示したが、自分が反対運動の先頭に立って戦い、今は休止状態だという。

▼その町会連合会の事務局が、市のある部局が担当していたのだ。そこでその担当が発言した内容に驚いた。「すでに基礎工事が始まっています」という。

▼能代市でイオンは、インターチェンジ付近に開発面積6万6000平方メートルの、郊外型ショッピングセンターの計画をしている。開店すると市内の大型店舗の売り場面積占有率は「80%を超える」恐れがあるという。

▼このような状態になると、外部の流通資本を中心に、大型店に地域商業の運命を握られ、まちづくりの自治能力を喪失しかねないという。

▼函館は市民と行政とイオンが共同で「駅前城」の開発を行っているようだが、イオン側は「人口減が進んでいるので、商圏規模に合った施設にするしかない」と主張する。

▼行政側は「歴史的遺産である現在の建物を活用し、官民協働で運営しながら駅前周辺地域の活力を高めていくべきだ」と主張する。所有者はイオンなので、イニシアティブはイオンにあるとみていい。

▼世界中には、大型店舗に対する規制問題がある。「地方社会の資源」を自己管理し、誰か得体のしれないものの介入を許さないというのは「自治の思想」に関係している。上からの号令にさして逆らうことなく、粛々と【平成の市町村合併】に向かい、地域社会に対する市民の帰属意識が、希薄になることに無頓着な日本のような社会の場合、とりわけその「自治思想」から得られる教訓は大きい。
      矢作 弘著「大型店とまちづくり」参照。

▼「行政・市民・イオン」三位一体となる、函館の新しいまちづくりが、どのような美しいハーモニーを奏でるか、指揮者の采配を注視したい。

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