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函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

美術評論家

2013年09月04日 16時26分10秒 | えいこう語る
昨日、町会連合会の常任理事会があり函館市に向かった。
調べものがあり、市立図書館に立ち寄ろうと思ったが、その途中で美術館に立ち寄ってしまった。ユトリロ展がそろそろ終盤に来ていたからだ。
ところが美術館の隣の芸術ホールにたくさんの高校生が集まっている。
第51回道南高校文化連盟の美術展が行われていた。


22校の出品作は圧巻だ。若さと感性とエネルギーがキャンバスいっぱいにほとばしっている。
突然私に「評論していもらっていいですか」と声がかかった。
美術評論など困ったと思ったが、私も「とどほっけ村日の出美術館」の館長を自認している。
次々お願いしますとの声がかかる。私は日の出美術館のあのエネルギッシュな作品を思い出しながら、後輩たちの作品に批評を加えた。
やっと解放されたので、鑑賞しているご婦人2人に話しかけてみた。
「若さって素晴らしいわね。希望と可能性に満ち溢れているし、これなら日本の未来も心配ないわね」という言葉に納得した。
さて、ユトリロ展だ。雨にもかかわらずたくさんの人が鑑賞している。
ユトリロはワイン好きで、1日に10リットル以上も飲んでいたという。
さらにジャンヌ・ダルクのフアンだという。
私がまちづくりに挑戦したのは1984年である。グループ名は「オルレアン84」だ。小さな村の出身のジャンヌ・ダルクは、1429年のオルレアンの戦いを制し、祖国フランスを救ったのだ。しかし、魔女裁判により火あぶりの刑に処された。
その気概を持って、討ち死に止むなしのまちおこしの戦いに挑んだのだ。そんなワイン好きとジャンヌダルク好きのユトリロに、親近感を覚える。
美術館には30年来の知人のM嬢がいる。他人に迷惑をかけられないので、館内でのヒソヒソ話は親しみを増す。M嬢はいくつになってもとても美人だ。彼女の笑顔に昆布漁の疲れも完全に回復したようだ。
そんなこんなで図書館には立ち寄れなかったが、芸術の秋を堪能し心が満充電された。
美術館のそばのナナカマドの木は、大きな実がついている。これが赤く色づくと、そばのイチョウ並木も素敵な色で迎えてくれるのだ。その近くにある行きつけのとんかつ屋で、イチョウ色の洋がらしをたっぷりつけて、ビールで一杯やるのが、晩秋の楽しみの一つなのだ。
思いがけず美術評論家を演じてしまった、初秋の函館五稜郭公園界隈である。