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函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

合併9年目

2013年09月01日 13時08分39秒 | えいこう語る
函館市に吸収合併されてから9年が過ぎた。
大幅に変わったのは、役所に知らない人が増えたことと職員が少なくなったということだろう。
役所へ出向いても知らない人ばかりだ。以前は担当部所でなくとも、顔見知りの職員に頼めば、その職員が対応してくれたのだ。
私は町会の仕事で頻繁に役所に出かけるから、職員とは顔見知りだからいいが、年配の方は知らない人が多い役所に出向けば、不安の方が先に立ってしまうに違いない。なんだか役所が不親切になったという声が聞こえてくる。
※青い空と白い雲、昔と変わらない空がいい。


函館市役所のように27万人近くを相手にする役所は、合理的で効率的な仕事の処理をしなければならないだろう。
1,000人足らずの住民を相手にする役所では、時間的にも余裕があるから、世間話から入るそんな余裕もある。
だがよそからの職員が多くなると、地域の役所も本庁と同等の仕事のスタイルになる。それが当然だから。
だが、住民は街の役所に行ったような感じを受けるから、以前より不親切になったと思い込んでしまうのだ。
役所の人間はというと、9年も経ったのだから住民への対応もすっかり函館スタイルになってしまう。
若い職員ほど環境に適応しやすい。さらに仕事ができると思われる人ほど、そのスタイルに馴染むのは早いようだ。
ジェームズ・クラベルという作家の「23分間の奇跡」という短編がある。
大国に挟まれた小さな地域が、両国が戦争をするたびに、戦勝国の言葉を使わなければならない。学校ではその切り替えに、教室で一番優秀な生徒を利用する。優秀な生徒はすぐその環境に反応し、学校の思うように他の生徒を洗脳していくというような話だった。
これって、合併による役人の変わりようと似ている感じがする。
吸収した方の制度や仕事にいち早く馴染んでいくことが、出世への近道ではないかと思うのではないか。
でも、地域住民はそんなことは関係ないのだ、わからないものを親切にかみ砕いて説明してくれる職員を望んでいるのである。
合併してから9年目。本庁の方に顔を向けた職員が多くなれば、疎外感を持つのは地域住民である。
その気持ちにデリケートに対処してやるのが、過疎と高齢化の地域の役人の一番大切な資質なのではないかと感じる、初秋の長雨が降る今日の思いだ。