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函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

「漁師見習26」だめだこりゃ!

2009年07月12日 12時25分40秒 | えいこう語る
波もあるし、雨で海も濁っているので、明日昆布漁は中止なので、朝はゆっくり寝ていていいよと、船頭さんが言った。
夜寝る前に海を見た。波が納まってきているようだ。
早く目覚めた。午前3時半に、漁組の鉄塔の、黄色の回転灯が回ると、中止の合図だが、まだ回っていない。波は静かだ。
4時少し過ぎたら電話が鳴った。昆布採りらしいので、支度をしてくれとの、船頭さんからの伝言である。いよいよ生涯初の昆布採りである。鏡を見て鉢巻をした。目付きがきつい。バナナを一本、急いで食べる。バナナは、私にとって、ポパイのほうれん草と同じだ。
外に出ると同時に、船頭さんの長男がトラックで迎えに来た。車の中で仕事の手順を確認する。港に着くと、まだ誰も来ていない。
5時半から7時半まで昆布採取という、無線放送が流れた。
船に道具を積み「初めてだからよろしく」と、長男に挨拶したら「実は、俺も初めてなんです」という。長男は、去年父親と一緒に始めたばかりで、単独デビューは、初めてだという。・・・・・お互いの顔に不安が走るが、まあがんばりましょうと、二人でにが笑いした。他の漁師さんも集まってきた。
船に乗り、いざ出漁というところで、無線放送が流れた。
「海霧(ガス)が濃くなったので、昆布漁は中止します」
視界が悪く、船の衝突防止のためである。
「だめだこりゃ!」といい、みんなで笑ってしまった。
そんなわけで、今朝は緊張と笑いにつつまれた、前浜風景だった。