Lee's Diary

ドラマが好き。
お気に入りのドラマの感想をつぶやいています。

塀の中の中学校 *感想*

2010-10-12 | スペシャルドラマ 感想
* 「塀の中の中学校」 TBS系列にて放送  番組HP

冒頭の入学式のシーン。
整列する受刑者たちの先頭が 大滝秀治さんだという時点で 
何だかステキなストーリーになりそうな予感を抱かせる このドラマ。
その後 大滝さんを先頭に入場行進までするんだもの
大滝さんの魅力を最大限に利用したような演出は ちょっとズルイわぁ(笑)。

旭町中学校桐分校の問題生徒として 前半はいい味を出していた小山田(千原せいじ)が
後半になって 自分の性に合わない勉強を無理矢理やるから仲間を虐めるのだと語るシーンは
小山田を“いい子”に描きすぎな気がして あんまり面白く感じられなかったのは残念。
小山田が根っからの悪人ではないコトを描くのはいいとしても 
あそこまで直接的に描いてしまうのは 個人的には あまり好きじゃない。
「殺してもいいよ。俺でも誰かの役に立つなら悪くないよ。」 という
ジャック原田(すまけい)の台詞も 狙いすぎな気がして チョッピリ興ざめしてしまうシーンだった。
厳密な規則で拘束されている受刑者の様子を あれほど詳細に描いておきながら
自殺を図ろうとする小山田を止めようと 川田(渡辺謙)が屋上に登ろうとするのを
誰一人として阻止しようとしないというのも かなり違和感があったと思う。

・・・と ちょっと好きじゃないシーンも いくつかあったりはするのだけれど 
全体的には 印象的な台詞が散りばめられた面白いドラマだったと思う。

特に オダギリジョーさんが演じる石川が良かったなぁ。
最初の顔合わせで 長々と個々の身の上を語り始める受刑者たちの様子を見ながら 
ちょっと蔑んだような 呆れかえったような表情を何度も見せる石川。
「少年院と違って年はとってるし、大人の事情は重いし、
長い刑期はくらってる、腹は座ってるって、何かやりにくそうですね。」 という台詞や
「あんなに年とった受刑者が、今更勉強して何の役に立つんですかね。教えるほうも虚しいですよね。」といった台詞と 
オダギリジョーさんの演技で描写される石川のキャラクターは 見ていて面白かった。
強烈な毒を吐くけれど 率直に自分の気持ちを語る石川には 何故だか嫌な気持ちにさせられないのがいい。
そうそう 分校の生徒達が石川を締め上げるシーンが面白かったなぁ。
酒の飲みすぎで遅刻したのがバレバレの石川先生(笑)。
普通の中学生と一緒にされたら困る。 発表を控えて どれだけ緊張の一週間を過ごしてきたのか分かっているのか。 
と詰め寄る受刑者達の言い分がいい。 彼らが至極ごもっともな意見を主張する様子が印象的。
極めつけは 「先生、仕事を舐めてやしませんか?」 という言葉。
このドラマは 分校の生徒だけでなく 石川もまた 大きく成長していくストーリーとなっているのね。
最初の顔合わせで見せた表情と 後半の電車の中のシーンで佐々木に見せる表情の違いも印象的で良かったと思う。

遠足の日にバスから降り立った生徒達の微笑ましくなるようなブレザー姿や
靴の中に石が入ったと口々に言い出し ハダシになって地面の感触を確かめる彼らの様子
石川と握手をした手を すぐさまサッと引っこめる川田の様子も 心に残るグッとくるシーンだった。
最近目覚しい活躍を見せている 龍神姫之丞を演じた染谷将太くんの麗しい女形を見られたことも満足。
ポッテリとした唇と 美しい瞳が何とも色っぽい龍神。・・・う~ん ステキでした♪

そしてやっぱり 大滝秀治さん演じる佐々木で始まり 佐々木で終わるストーリーが良かった。
分校を卒業し 別の刑務所へと移送される佐々木と石川の会話が 特に印象的。
生きていても意味のない人間なのに それでも生きていたくて 食事をすると体が喜ぶのだと語る佐々木。
「恥ずかしいです。」と 76歳にもなる老人が心底恥じ入るように語る様子には 心を鷲掴みにされてしまう。
石川との別れの言葉となった 「謝りながら、私、懸命に生きてきます。」 は素晴らしかった。
いやぁ・・大滝マジックかかってます このドラマ。

★最後まで読んでくださって ありがとうございます★
ただいま ランキングに参加しています。
よろしければ ポチっとしてくださると嬉しいです♪
にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへにほんブログ村

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする