カメラといっしょ★

地元福岡~イタリア留学からワーキングビザ取得しての海外生活を写真で綴るつれづれ日記

ジェラートを食べましょう

2012-08-29 23:22:50 |  └・カフェ&BAR
ジェラート食べに行こうよ!
それが暑い夏を元気にのりきる合い言葉。
 
お友達と誘い合ってやってきた大好きなジェラート屋。
ここのチョコレートジェラートを食べると、
あまりのおいしさにすっごく幸せになって思わず顔がにやけてしまう。
ん~ん、やっぱりおいしい!
 
で、なんとなくそのまま近くのバールでアペリティーボ。
ちょっぴりお高いけど、
ポンテベッキオがすぐ脇に見える絶好のロケーション。
ま、たまにはね、ちょっぴり優雅な気分にひたっても良いでしょう。

気の置けない友達と他愛もない話をしながら過ごす
こんなささやかな時間が私を元気にしてくれる。
よいお友達に恵まれたことに感謝しつつ、
過ぎ行く夏をぼんやりと見送っているのでした。

<ジェラート屋>
■cantina del gelato
via de bardi 31, 50125 Firenze
tel 055.0501617
http://www.cantinadelgelato.com

<アペリティーボしたBAR>
■Golden View Firenze
Via dè Bardi, 58/r 50125 Firenze
tel 055 214502
http://www.goldenviewopenbar.com

アルノ川のほとりの青空レストラン

2012-08-21 23:55:45 |  └・Ristorante/Trattoria
働いているお店に食べに来てほしいんです、
そんなメッセージを受け取ったので、
ならば行ってやろうじゃないのとお友達を誘って行ってみた。
 
噂に聞いていたアルノ川沿いの夏季限定屋外レストラン。
キッチンは掘建小屋だって、という噂よりもひどいテントだった(笑)
でも林に並べられたパステルカラーの木のテーブルがかわいらしく、
アルノ川の川風と、暮れていく空の色がなんとも心地いい空間を作り出している。
なんだー、結構いいかんじじゃん、女の子達のウケも上々で、
夜のピクニック気分で楽しく席に着く。

おすすめのメニューを聞いてみんなでシェア。
ん?あれ?すっごくおいしい!
 
ボッタルガのパスタに
 
ズッキーニのパスタ。
どれもすっごくおいしい!
実は私、そんなにパスタが好きじゃないので、
そんなにおいしいって思う事もないのだけど、
いや、これ、本当においしい。
フィレンツェに来て、1、2位を争うおいしさ。

キッチン、テントって言ってごめんなさい。。
いや、本当にテントなんだから謝る事はない。
腕がいい、それが実感出来るおいしさ。
なんだか久々にそれを体感した気がする。

気がつけば満席。
こんな街の外れの空き地の、看板もないお店なのに、
地元の人はみんな知ってるんだね。

調子に乗ってデザートもいただく。
この川を渡る風と、夜空と、ろうそくの明かりと、
どんな立派なレストランよりも居心地がいい。
ああ、いいな~ココ。。

行ってあげようなんてつもりできたけど、
いや、呼んでくれてありがとう!

おいしい食事と心地いい空気に癒されて、
夜の狭間にゆったりと揺れているのでした。

ロンドンオリンピックの旅(14)~旅の終わりとそのつづき

2012-08-19 21:08:15 | ★イタリア留学日記
9日間のロンドンオリンピック観戦の旅、今日で最終日。

夕方の飛行機に乗る前に、キュー・ガーデンズへ。

世界中から集めた4万種の植物が茂る王立植物園。

植物生態学出身としては気になるところ。

まずは巨大な温室へ。
 
  
巨大だと思った温室は植物達にとっては狭い檻。
 
その中でひしめくように絡み合いながら四肢を伸ばし、
 
水を求め、光を求め、熱い吐息をもらしながら、生きている。
その生をむさぼる熱い力を前に私の命はかけらほどに小さい。
 
植物園の植物は、大事に育てられてるって感じがしてたけど、
ここの植物は生きている。
ここに連れて来られて過ぎた長い年月の間に
この土地にしっかりと根をおろし、生きるようになったんだ。
世界中の植物を集めて、イギリス、すごいって思ったけど、
どんなに人ががんばったって、やっぱり自然は強い。
巨大な温室をつくって威張ってみたって、
私たちは所詮、自然の中で生かされる存在なのだから。
 
温室の外へ出て深呼吸。
 

夏の庭は今を盛りに色鮮やかに香る。
 
境なんてないんじゃないかと思うくらい広い敷地を歩く。
 
ときおり緑の風が草花を揺らしながら私を追い抜いていく。

歩きながら
初めて見たオリンピックの感動、
たくさん見た立派な建物、美しい景色。
イギリス社会の素晴らしさ、ま、これは表面しか見てないので一部だけ。
でもやっぱり整然とした社会が為されているのはそのシステムの良さだろう。

そして、母との旅。
この母娘は相変わらず上手く噛み合ない。
私はあっという間に、母の腕に抱けないくらいに大きくなった。
健康で、活発で、何でもこなす、
どしどし外に出ては、ひとりでメキメキ新しい世界を開いて大きくなった。
それでもまだまだ子どもの頃、抱かれない寂しさがあったと思うが、
抱けない寂しさもあったのではと、最近ようやく思うようになった。
単身、海外に渡り、孤独の中でたくさんの事を知り、理解出来るようになったと思ったけど、
すれ違った日々をまだ埋め合わせる事ができずにいる。
少女のように小さな母を抱き締めてあげられる大人に私はいつなれるだろうか。。
 
ガーデンにあるカフェで、
旅の疲れを癒すあまーいケーキを最後の晩餐、いや、お昼ご飯に
長いイギリス、オリンピックの旅が終わる。

帰りの飛行機、昼と夜の狭間を飛びながら知る。

私はまだどこにも到達していない。
まだまだ旅の途中なんだと。
どうか最後まで飛び続ける力がありますように。

ロンドンオリンピックの旅(13)~ノッティングヒルの恋人

2012-08-18 23:50:46 | └・海外旅行
早朝、リージェンツ・パークの散歩を楽しんだ後は、
ロンドンのぶらり町歩き。
 
まずは、セント・パンクラス駅
 
 
ロンドンで最も美しいゴシック建築と言われるだけあって、
その姿は圧巻!
細部まできっちりと作り込まれた外観は華麗でありながら、
天に高くそびえる塔を支える柱はどっしりと堅固な重厚感をかもしだす。
それはここを通り過ぎたどんな物語にも風化しない
圧倒的な存在感。
これは素晴らしい!!見に来て良かった!

駅構内はこんな感じ。
古き良きイギリスをしっかりと保ちながら、
少しも古びない現代的な雰囲気。
これぞイギリス。

ついでにお向かいのキングス・クロス駅。
こちらはキュートな外観。

ホグワーツ魔法学校行きの列車が出発する9 3/4線が見たかったけど、
見つからず、、改札の中かな~~?
ちゃんと調べてくれば良かったなぁ。
ま、いいか、とあっさり踵を返した。
だって今、セント・パンクラス駅の素晴らしさで心がいっぱいだし、
それに今日はこれからまだまだ廻るのだから。
 
 
やって来たのはノッティング・ヒル。
そう、映画「ノッティング・ヒルの恋人」の舞台。
映画みたいな運命の恋にも憧れるけど、
世の中はそんなにロマンチックじゃないと知ってしまったこの頃、
むしろそんな雑多な世の中の、雑多さを愛でるアンティーク市へ。

映画にも出て来たポートベロー・マーケット。
世界最大級のアンティーク市とあってすごい人出。

ワクワクドキドキの宝探しが始まる。
 
 
どれも新品に負けないくらいにピッカピカに磨かれている。
むしろ、年代を超えて捨てられずにあるものは、
それなりの魅力を持っており、
それはピカピカの新品には必ずあるものではない。
こうやって眺めていると、アンティークを買う方が
むしろ容易く良いものが得られるのではないかと思えたりもする。
 
 
イタリアでも各町でアンティーク市をよくやるけど、
アンティークというよりがらくらたとごっちゃまぜで
埃かぶって山盛りになって売られていることがほとんど。
イギリスの人たちは売るということを良く知っている。
だから買い手は見易いけど、
でも、イタリアの宝探し感も私は好きだったりする。
 
さて、そろそろお腹も空いて来て、
お昼どうしようかなーと思っていたら、クレープの露店発見。
お姉さんにチーズ&ハムのクレープを1枚焼いてもらって、
店裏の階段に座って食べる。
超でかくて、しかもぶあつい!
んー、クレープってこんなんだったけ、、
食感はもっちりと食べごたえもSO BIG。。
さすがの私もギブアップしそうな大きさ。
いや、旅の食べ物はかき捨てないっ、意地になって食べた。

アンティークのデザートフォークを買って、
中心街へ戻る。
 
ビックベンに軽く挨拶しまして、
それからまた次の町へ。

オリンピック観戦の帰り、
母達と夕飯を食べに寄ったコベントガーデン辺り、
なんかいい感じだったから、ゆっくり見てみたかった。
 
 
かわいいお店がたくさん。
ちょこちょこ覗いてぷらぷら歩く
 
あ、The イギリス!マフィン!
食べとかなくっちゃ!

かわいいミニマフィンを2つおやつに。
私の身体に馴染みのない甘さに引っ張られるように、
早朝から歩きまくった疲れが消し飛ぶ。

ミニマフィンのおかげか、
超人的に歩いた今日一日の予定をこなしても有り余る体力。
川風に誘われて、川沿いの遊歩道をプラプラと歩く。

ついに東の端、タワーブリッジまでたどり着いてしまう。

傾き始めた日がくっきりと映し出したロンドンは、
どんなに歩いてもやっぱり知らない街の顔をしている。

私は長い、長い旅を続けている。
果たしてこの旅に終わりはあるんだろうかと、ふと思う。

途方に暮れる心をさらって、ティムズ川の風は渡っていくのでした。

ロンドンオリンピックの旅(12)~リージェンツ・パーク

2012-08-18 23:47:21 | └・海外旅行
ロンドン(貧乏)ひとり旅。
昨日は無料の国営の美術館を思いっきり楽しんだ。
そして今日は公園!こちらも無料ね。
何を隠そう、自然生態学専攻の私。
緑が大大大好き。
心惹かれるイングリッシュガーデン。

早朝、そっとその門をくぐる。

私が二歩目を踏み出す先に、
バラのやわらかな香りが私を包む。

それから、いらっしゃいと爽やかな風が木々を静かに揺らす、
 
 
朝露に濡れる緑の香り、水面の輝き。

まだまだ人気も少ない早朝、
 

はじけるように輝く朝日に、
私たちより早く目覚めた花たちが笑顔で出迎えてくれる。
 
 
きらきらと笑う草花

溢れる光

濃く落ちる影が描く輪郭は
この世の美しさを鮮烈に刻む。
 
 
生きとし生けるものの喜び
 
 
その光に手を広げよ。

私は一気に心を広げて日光浴をする。

花に挨拶をしながら道を抜け、先へ進む。

庭らしき庭を抜け、
  
 
小さな森の小径抜け散歩は続く。
 
あ!キミ!名前知らないけどオリンピックの子。
ここにもいたのね。

いたずらっ子のキミも。
 
 
夏の花も、鳥も、人も、日光浴。

私もこの席に座ってしばし休憩。

見上げた空は
どこまでも
どこまでも
青いのでした。

ロンドンオリンピックの旅(11)~新たな旅のはじまり

2012-08-17 17:28:19 | └・海外旅行

昨日、バイブリーから戻ってそのまま空港へ、
母と叔母を帰りの飛行機に乗せて、
私ひとりロンドンに残った。
もっと見たいものがある。
もっと撮りたいものがある。
新たに始まるロンドンひとり旅。

郊外のドミトリーに宿を変えて、一気に貧乏旅。
でもね、知ってる?
ロンドンは国立の美術館、博物館は無料!!
人類の財産は、全ての人に公開されている。
ステキ、ロンドン!
お金をかけなくったって、旅を楽しむのは心!

早朝のロンドンへ二階建てバスで滑り込む。
  

朝のひんやりした空気が心地いい。

さて、まずやってきましたナショナルギャラリー!
とにかく幅広く、膨大なコレクション、見るだけでも相当体力使う。
でも、整然と、順序立てて展示されているので、分かり易く、
世界の時計を早回しして見ているみたいで非常におもしろい。

美術の開花に大きく関わったイタリアの作品も多い。
私の後ろでイタリア人観光客が、
だって、これはもとはといえば私たちのものじゃない、と言っていた。
私もここに来る前は、戦利品と言えば聞こえがいいが、
言っても、力にまかせて世界各地から強奪してきたものだろうとちょっと偏見があった。
でも、ここに並んでいる美術品を見て、なんだか幸せそうに見えた。
ちゃんと大切に管理されて、たくさんの人に分け隔てなく公開されている。
それは美術品冥利につきるだろう。
もし、これがイタリアにあったままなら、
膨大な美術品にまぎれて日の目を見ないなんて事もあったかも。
実際、ウフィツィには、整理出来てない美術品がまだ山ほどあるらしい。
人からものを奪い取るなんて悪だと思ったたし、
今でもそう思ってるけど、
人に愛でられ活き活きしている美術品たちを見てると、
そうも言い切れない複雑な思いにかられる。
正義とは揺るがない純潔な一点かと思えば、
見る立場を変えればこんなにも大きく動く。
それとも動いたように見えるだけで、
その奥の真理を見切る事が出来てないだけなのか。

ま、難しい事を抜きにするなら、
美しい美術品を丁寧に見ることが出来て、私は大満足。
この管理能力、社会システムの高さに、ビバ!英国と言いたい。
、、でも、やっぱり奪われた人の痛みは忘れないようにしよう。
 
 
ギャラリーを見終わって、賑やかな街を歩く。
  
 
夏の日差しをいっぱに浴びて街は活き活きと輝いている。

この街の色はこんな晴れた日よりも、
霧の立ちこめる曇り空に合わせて出来ているのか、
今日は格別に色濃く映る。
短い夏を高らかに歌う蝉のように鮮烈に私の思い出に刻まれる。

さて、今日から貧乏旅行のお昼ごはん。
ちょっとおいしそうなケーキ屋を見かけてマフィンを購入。
だって、イギリスと言えばマフィンでしょ。

そして、みんなに混じって教会の庭でランチ。
みんな芝に座ったり、寝転んだり、
そしてサンドイッチやランチボックス、
思い思いのお昼を楽しんでいる。
わたしも芝生の端っこに陣取って、
とびっきり甘い大きなマフィンを頬張る。

背後でガサゴソと妙な音がするので振り返ると、
リス!
リス、リス、リスーーー!!!
慌ててマフィンを置いて、カメラを取り出し、シャッターを切る。
興奮しすぎて速い動きのリスにピントが追えない。
リスちゃん、リスちゃん、じっとして、
私も幼稚園の時リス組だったんだからー。
妙なメッセージを心で送りつつ、チャンスを狙う。
リスは何度もでんぐり返して砂にの感触を楽しんだり、
落ち葉がカサカサなるのを楽しんだり、
私の事なんておかまいなしにめいっぱい遊んでいる。
くー、かわいい。
楽しそうなので邪魔をしないようにそっと眺めながら、
またマフィンにかぶりつく。
リスと過ごすランチ、楽しいっ。

 
さて、憩いのランチタイムを過ごして、次の博物館へ。
 
次は自然史博物館。
美術も好きだけど、大の自然好きとしては見逃せない。

ドドーン!恐竜の骨!
くぅー!かっこい!!ロマンだロマン!
地球が紡いだ46億年分の物語、ワクワクするー☆

美しい建物の中での大冒険が始まるっ、
と思いきや、私以上のワクワクの星をきらめかれたちびっこ達が足下を塞ぐ。
ああ、そうだ、夏休みか。。
群がるちびっ子に行く手を阻まれて、
ようやく恐竜ゾーンを見て、退散。
今回は君たちに譲るよ。
無限の夢を見れる君たちに。

いやー、しかし、イギリス楽しいな!!!
心一杯にロンドンの街を吸い込んで
真っ青な空を大きく仰ぎ見るているのでした。

ロンドンオリンピックの旅(10)~イギリスで一番美しい村

2012-08-16 22:59:30 | └・海外旅行

今日もロンドンから電車に乗ってコッツウェールズ地方へ。
美術工芸家のウィリアム・モリスが
「イングランドで一番美しい村」と称した村「バイブリー」へ行った。
  
 
澄んだ小川がサラサラ流れ、茂る草木、花々が風にソヨソヨと鳴る

その影にひっそりと立つ家々。

その村は静謐な空気に包まれていた。
 
 
 
だから私たちもそっと息をする。
 
 
 
水と緑があるだけでこんなに美しい。
 
その中で人々はゆったりとくつろぎ、
 
ほほえんでいられる。
 
 

静かなこの村が教えてくれたこと。
 
 
小さな村を散歩して、ちょっと休憩。
お父さんとお母さんが切り盛りする小さなカフェ。
キャロットケーキはお母さんのやさしい味。

美しくあるということはきっとこんな風にあること、
この水のように、緑のように、それを照らす光のように
静かに
あるがままに

覚えていよう、
私の心がいつも美しあるように。
心に覚えていよう、この景色を。

ロンドンオリンピックの旅(9)~チッピング・カムデン

2012-08-15 20:53:29 | └・海外旅行

イギリス湖水地方の旅を楽しんだ私たち。
お世話になったB&Bで軽めの朝食を済ませ、ロンドンへ旅立った。
拠点をロンドンに移し、今度はコッツウェールズ地方を楽しむ欲張り計画。

あっちからこっちへと長らくの電車の旅の果てようやくたどり着いた
コッツウェールズ地方北部の代表的な町「チッピング・カムデン」
 
 
中世には羊毛産業を中心に栄えた町。
豊かだった頃の良き時代の面影を残す町並。
 
町の中心街を抜けて住宅街へ。

そろって黄色い壁なのがかわいい。
この色はハニーストーンといってこの地方の家の特徴らしい。

そして、こんな茅葺き屋根の家も残る。
茅葺きって日本家屋にもあるけど、全然雰囲気違うのね。
なんだか白雪姫の七人の小人の家みたい。
 
 
そしてどのお家もフロントヤードはお花でいっぱい。
 
すてきだなー。どの庭もやりすぎず、洗練されている。
でも、それは花を育てる余裕がなければできない。
それだけ豊かだということ、お金も、時間も、心も。

雨に濡れたバラの花が甘い香りをそっと漂わせている。
花を愛でる心の余裕だけは忘れないでいたい。
そしていつか、こんなに立派でなくてもいいから自分の庭をもちたいな。

かわいい町並みを見ているうちに、町外れまできてしまった。
そこから先広がる曇天の殺風景な草はらを見て思った。
そうだ、きっとここも最初は全部こんな風景だったんだ。
それを整地し、牧草地にし、最初は小屋だっただろう家を少しずつ堅固なものにし、
そして庭には美しく花を植えるようになった。
長い年月とたいへんな労働力がかかること、
それをこなすには勤勉に実直に、はっきりと目標を持って進まなくては成せない。
これがイギリス。
ウエストミンスター寺院で今も続く王政の証を見て、
ああ、これがイギリスかと思ったが、
きっと今見ている景色が本当のイギリスなんだね。
 
 
華やかな町にもどって、帰りのバスまで少しの猶予。
バス停側のショーウィンドウにスコーンを発見して即座にお店に入る。
 
写真左はスコーン。
ほっくり、さっくりとよい焼き具合、
卵と小麦のよい風味、ほんのり甘くておいしい~。
ああ、これ、もう超ウチにもって帰りたい。
右はコーヒー&クルミのケーキとベリージャムのタルト。
こちらはたっぷり甘め。

ロンドンにいた時よりも、
イギリスのイギリスらしさをたっぷり味わった気がする。
やっぱりロンドンって世界のいろんなものが集まる大都会だから、逆に薄まってるのかも。
バスと電車を乗り継いで、そのロンドンへと戻る。

夕飯は、ホテルの側のパブへ。
パブに飲みに行きたい、お母様の要望である。
この方はどこまでも無邪気だ。
ちっとはお守りする身にもなって欲しいが、
ま、整然としたロンドンで、こちらさえ間違わなければ危険ではなさそうだし、
できるだけオープンで大衆向けのお店のような雰囲気を選んで入ってみた。

みんな立ち飲みスタイルで軽く1杯みたいな雰囲気。
奥にあるテーブルに座るのはどうするのか、座ってみたもののオーダーはどうするのか、
いまいちシステムがわからない。
周囲を観察しながらなんとかしようとしていたら、
隣の紳士(でももうできあがってたけど)が手助けしてくれた。
そして、不慣れな観光客を冷たくあしらう店員さんにも負けず、
ビールとポテトとソーセージをゲットして夕飯。
やったね、と隣の紳士が目配せをしてくれる。
さて、ビールで喉を潤して、こうやって食にありつけば、
ここもなかなか居心地がいいもんだ。
調子に乗ってビールをおかわりしつつ、ロンドンの夜はふけていくのでした。

ロンドンオリンピックの旅(8)~ワーズワースの庭

2012-08-14 23:02:52 | └・海外旅行

ウィンダミア湖の南、レイクサイドでの機関車の小さな旅を楽しんで、
またフェリーに乗ってこんどは湖を北上。
 
中間のボウネスを経由して、一番北のウォーターヘッドへ。

港からとことこ歩いてアンブルサイドへ。
バスに乗っても良かったけど、たいした距離でないし、
なによりこの天気!絶好のお散歩日和!

青々しく輝く草原に、やわらかい水色の空。
鮮烈なイタリアの色とは全然違う。
 
どちらが好きかと言われれば、それはどちらも美しいけど、
今、空の端に遠く薄くきらめく光にとても心ひかれている。
薄氷のように淡く繊細にきらめくその光に。

ほどなくアンブルサイドの街へ到着。

石造りの小さな家々が並ぶかわいらしい街並。

街には小川が流れ、うん、なんかいい雰囲気。
  
 
ここでちょっと休憩、アップルパイをいただいた。
そうぞうしたアップルパイではなかったけど、
爽やかなりんごの酸味がおいしい。

アンブルサイドからバスに乗り次の目的地グラスミアへ向かう。
 
 
グラスミアはグラスミア湖畔にあるとっても小さな町。
あふれる緑、澄んだ小川、小さな教会、
穏やかな空気がそっと私を包む。
 
この町の名物ジンジャーブレットのお店へ。
静かな町でここだけは人だかりがしている。
150年前から続く老舗、町で評判だったネルソン夫人の
自慢のレシピを今もそのまま守っているそう。
ジンジャーブレット大好き、その当時の味ってどんなんだろう!
それは、なんだか懐かしい味。
さくっと最初の小気味いい食感とそのあとのしっかりした食べごたえ、
噛むごとに生姜、糖蜜の深い味わいが口の中にじわっと広がる。
ん~、おいしいっ!
さすがの私もひとかけで満足する濃密なお菓子。
おみやげに一包み買って混合ったお店を出た。

それから私たちは町の郊外へ歩く。
目指すは詩人ワーズワースの庭。
 
 
どこまでもどこまでも穏やかな空気。
心の蟠りがほろほろと溶けていくような気がする。
溶けた心が目頭に浮かぶ。
うっかり流れないように風が吹く方を見やる。
 
町を離れて20分ほど歩いた先にある小さな集落にワーズワースが暮らした家がある。
 
家も庭も、彼が暮らした当時の面影をそのままに残してあった。
  
 
その小さな裏庭の草花の上に踊る光を見た時、
私の胸は小さくときめいた。
なんだろう、ここにある何かが私の心に呼応してる。
慎ましく、でも伸びやかに咲く草花の命が、私の命に話しかける。
私たちは同じように呼吸し生きている。
その命の美しさ。
自然の、あるがままの美しさ。
ああ、そうだね、そうだよね。
命あるということはこんなにも美しい。
 
庭の裏山に登ると、向こうに湖が見える。
遠くにきらめく湖面の光溢れる様。
まるで光がそこから生まれてるみたい。
 
  
ワーズワースが詩人だという事は知っていたけど、それしか知らなかった。
でもここに来て、彼が見ていたものと、私が見ているものは
とても似ているんじゃないかと、ふと思った。
彼の詩を読んでみたくて、隣の資料館で詩集を買った。
私、英語読めるかな、、

グラスミアの静謐な空気、湖面にきらめく光が私を大きく捉えた。
ワーズワースさん、きっとあなたも伝えたかったんだよね、
この村にあふれる自然、この世の美しさを。
私は詩を書かないから、写真で撮るよ。
きっと、きっと、また写真を撮りに来よう。
今度は一人で、時間をゆっくりとって。

帰りのバスの車窓から流れる景色。

青く、美しい、草原。草を食む羊。
ああ、いい一日だったね、お母さん。

バスでぐるっと廻って旅の基点ウィンダミアに戻ってきた。
 
 
ちょっぴりお疲れの母を元気づけようとちょっと早いけど夕飯へ。

今日の夕飯はフレンチレストランでなぜかハンバーガー!
添えられた色んな野菜のピクルスが彩り鮮やかで、思いのほかリッチな味わい。
きりっと冷えた白ワインとともに。
ん~、おいしい!
のんだくれ親子はあっという間にボトルを空けてしまい上機嫌。
 
上機嫌ついでに食後のお散歩。

暮れゆく美しい今日を見守りつつ、
今日であった感動をそっと反芻しているのでした。


<ジンジャーブレットのお店>
The Grasmere Gingerbred Shop
Church Cottage, Grasmere, LA22
tel 015394.3542

<ワーズワースの暮らした家 ダヴ・コテージ>
Dove Cottage Ambleside LA22 9SH
tel +44 15394 35544