カメラといっしょ★

地元福岡~イタリア留学からワーキングビザ取得しての海外生活を写真で綴るつれづれ日記

バルディーニさんのテラス

2011-08-30 23:34:38 |  └・カフェ&BAR
アルノ川を挟んでドゥオーモを望めるバルディーニ庭園、
フィレンツェの中でも私のお気に入りのスポット。
そのすぐ横にバルディーニ邸を使ったレストランがある。
夏期はそこのテラスでアペリティーボをやっているというので
ルームメイトの仕事帰りを待って、一緒にでかけた。
 
丘の上に建つしずかなヴィッラのテラスに
ちょっとおしゃれな雰囲気でバーカウンターと席が設えてある。
庭の高い糸杉に阻まれてドゥオーモは見えないけど、
でも赤煉瓦屋根の美しいフィレンツェの街並が見える。
時は夕映え。
ワイングラスを上げて美しい今日の陽を見送る。

大きめのソフアーにゆったりと深くもたれた私たちは
テーブルの上にお互いの小さな夢を色々に広げてのんびりと語り合う。
今この時間はたぶん永遠の宝物。

それは闇に灯る街のあかりのように胸の中も照らし、
いつまでもキラキラと輝いているのでした。

■MOBA
costa san giorgio 6a, Firenze
tel 055.2008444
http://www.moba.fi.it

涙の理由

2011-08-29 16:14:12 | ★イタリア留学日記
キツイ一言をくらった週末、
一体何度心を砕けば、私という人間は消滅するのだろうか。
それでも誰かを責めたり、何かを恨んだりするのは違うと
私の頭は知っているから、
そうだねって、まずは言葉に出してみる
そしてまっすぐ目を見据えて笑顔を作る。
そしたらほんの少しだけ目の前の世界が明るくなるんだ。
たとえ絶望の縁に佇んでいようとも。

折よくお友達からランチのお誘い。
こういうときこそ出かけるんだ、明るい太陽のさす日向へ。
そしておいしいご飯を食べるんだ。
 
貧乏学生にありがたい、いつもの2.5ユーロランチへ。
おいしいご飯を食べつつも、
はなし好きな彼女につられてつい口に浮かぶ週末のカナシイ出来事。
生々しい傷からは透明の血が溢れ出す。
どうして人は涙するのだろう。
泣いたって何もなにも変わらないのに。
浮かぶ涙をこらえても、目の前に座る彼女には分かってしまう。
もう泣かんどきーよ。
なつかしい訛りをきいて、はっと涙を飲み込む。
泣いてはいけない。
その語調にかくされた裏を私は知ってる。
私の生まれ育った故郷、
明るい太陽とおいしいものに恵まれたのびやかな土地
でもその裏のうらに隠された強くて固いしこり。
それに触れて、そこで育った気丈な私を思い出す。

泣くんじゃない、私
そんなことに何の意味も解決もないんだから。
私は知っている、知っているはずだ、何をすればいいのかを。

まずは、顔を上げて
その空を見よ。

アルノ川下り

2011-08-27 20:58:31 | └☆イタリアぶらり旅
アルノ川下りの船の席が空いてるけど行く?とお誘いいただいた。
もちろん!!ぜひ!!と参加。
よく観光客の人達が乗っているのを見て
私も乗ってみたかったんだぁ。
ラッキ☆願えばいつかかなうチャンスもくるもんだ。
 
ポンテベッキオより少し上流からスタート。
ガイドさんと船頭さんの案内で
私たちを乗せた小さな小舟は静かに川面を滑りだす。

喧噪にあふれた町より少し低い位置に堤防に囲まれてある川は
水の流れも分からない程にゆるやかに静かに流れる。
櫂が水を切る小さな音が聞こえる。
川を見下ろすように建つ悠久の建物たちは
いつもより大きく荘厳に見える。

川縁で結婚式の写真撮影をしてた。
すてき~☆
 
ポンテベッキオが近づいてきた。
 
 
第二次世界大戦下、美しさの為、敵からも落橋を惜しまれ
戦火をまのがれたという、その深い歴史の下をくぐる。

夕映えの美しい橋が渡すものは道だけではない、
時を越えて私たちに伝えられる真理。
いつまでもこの橋が美しく川面に映える世界でありますように。

これは次の橋、サンタトリニタ橋に飾られた羊。
護岸工事がされていないその昔、氾濫をくりかえしたアルノ川の水が
溢れないように、この羊が見守っているのだそう。
この橋に立派な彫刻があるのは知っていたけど、そういうことだったんだ。
真下から見ると、ほんとちょうど橋の上から川面を覗いているようになってる。
 
 
川面をつたって海までまっすぐに吹き抜ける風は汚れのない澄んだ温度を保ち、
ぼーっと熱を帯びていた頭を冷ましてくれる。
徐々に明瞭になっていく意識の中で、私の中の何かが目醒めそうになる。

風の音だろう、でもそれは遠くから聞こえる声のようにかすかに
私に何かを伝えようとしている。
何だろう、私が知らなければいけないこと。

この世の美しさ
この世のある意味

その儚さと
それ故の永遠

全てを照らす光




夕暮れを見送って船は闇にのまれていく。
それに乗った私もどこか深い所に落ちていきながら、
悠久の町に落ちる影の美しさに
心は凍えるように震えているのでした。

フィレンツェ観光案内もう一日

2011-08-25 22:28:49 | └☆イタリアぶらり旅
今日は一日、日本から来たかわいいお客様をご案内。
まずは朝から中央市場をめぐって、
教会を見るのが好きだということなので、サンマルコ教会へ。
 
厳かな雰囲気の教会も素敵だけど、
その隣の美術館がなかなか面白いと私は思う。
ベアト・アンジェリコの受胎告知のフレスコも素晴らしいけど、
修道施設の建物がそのまま利用されており、
実際、修道士が泊まった部屋、
マントを揺らしながら歩いたであろう回廊とかに立って、
その当時はどんな暮しだったのかな、
どんなことを感じて、考えてたのかな、
その時の町の様子はどうだったんだろうなんて想像するのは、
推理小説をめくるみたいにおもしろい。
 
午後からフィレンツェ観光にははずせないウフィツィ美術館の予約があるので、
その前にお昼ご飯。
美術館の近くのパニーノ屋「'ino」へ。
フードライターのオーナーがイタリア各地からおいしい食材を集めてつくるパニーノは
ちょっぴりこだわりのおいしさ。
でも、私が一番気に入っていたツナのパニーノがなくなっていて残念。。
あれ、おいしかったのになぁ~。

お腹を満たしてスタミナつけて、広いウフィツィ美術館をぐるり廻る。
私は何度も何度も来てるけど、
それでもボッティチェッリのビーナス誕生は素晴らしい。
私がこの町に留学する切欠となった絵、
ここで実物を見て、学び、その端を少し理解して知った事が
私をさらにこの町に留めて、今ここにある。
何度も何度も何度もこの絵を見上げて問う、
私は何なのか。

激烈に暑い中を観光したご褒美はもちろんジェラート

こちらも美術館近くのジェラート屋「neri」
私のお気に入りのお店はここのスペシャル「ピスタチオと唐辛子のチョコレートジェラート」
甘くてピリ辛、香ばしい、この複雑なおいしさはやみつき。

ジェラートでエネルギーチャージしたら
お土産探しつつ町を散歩。
歩き慣れた町だけど、こうやって廻るとまた新鮮。
見過ごしていた素敵な風景に出会える。
そんな機会をくれたかわいらしいお客様に感謝。
ひょんなご縁でこの旅を一緒にめぐったけど、
初対面なのに不思議となじんでいられたのは、
遠い以前にどこかで会ったのか、ここで会うようになっていたのか。
日本女性らしいやわらかさと強さを持った素敵な彼女に、
ああ、私もがんばらなくっちゃって元気をもらって、
故郷を遠く離れたフィレンツェの美しい夕焼けの下
私たちは今ともにいるのでした。


<パニーノを食べたお店>
■'ino
Via dei Georgofili 3r-7r
Telefono 055.219208.
http://ino-firenze.com/

<ジェラート屋さん>
■Gelateria dei Neri
Via dei Neri, 20-22r , 50122 Florence
Tel 055-210-034

フィレンツェ観光案内

2011-08-23 22:59:07 | └☆イタリアぶらり旅
私の叔父から、会社の人がフィレンツェへ旅行に行くのに
色々情報をききたいらしいから、なんか教えてあげてと言われ、
私でお役に立つならとほいほいひきうけた。
初の海外女性一人旅らしく、細かに色々なお知らせをしつつ
重ねたやり取りの中で、なんだかすっかりお友達になった気がしてきて、
結局、フィレンツェでも観光案内を少しすることになった。

ローマを経由して夕方にようやくフィレンツェにたどりついたお客様を
むりくりつれだして、一番のおすすめ、ミケランジェロ広場からの夕焼けをご案内。

私はこの場所が大好きだ。
時を越えて美しいフィレンツェの町並を見下ろしていると
なんだか心がふぅ~っとなる。
雄大な川を渕から眺め下ろした時に出る感嘆に似ている。
それは全ての物を飲み込んでうごめく時の流れなのかもしれないとふと思う。
 
夕焼けを見送って、お夕飯。
機内で何度となく出される食事に疲れているかと思い
アペリティーボですませることに。
アペリティーボは夕飯前の小腹満たし(?)
飲み物1杯+軽食ビュッフェ食べ放題のイタリアではよくあるスタイル。
イタリア人はアペリティーボの後、食事に出かけ
そこからフルコースを食べるという脅威の食いしん坊ぶりなのだが、
日本人にとってはこのアペリティーボだけで十分お夕飯になってしまう。
イタリアのいろんなお惣菜が食べれるて結構楽しく、
イタリアっぽい雰囲気を味わえて観光の人にもいいし、
またレストランに行く余裕のない貧乏学生の私にはありがたいシステム。

そして私の観光案内にはもれなくついてくるジェラート!
このおいしさを味合わずして帰るなんてイタリアに来た意味がないっ。
今日は、いや「も」大好きなビターチョコレートと
もうひとつは季節のフルーツ、すいか。
ふあ~、おいし☆

蒸し暑い夏の夜はとろけるジェラートの夢を見て
ゆっくりと過ぎてゆくのでした。

<アペリティーボをしたお店>
■ChiaroScuro Firenze
Via del Corso 13R Firenze, Italia.
Tel: +39.055.21.42.47
http://www.chiaroscurofirenze.it/

<ジェラートを食べたお店>
■Gelateria Santa Trinita
Piazza Frescobaldi, 11-12/r ,Firenze (Ponte Santa Trinita)
Tel. 055 2381130
http://www.gelateriasantatrinita.it/

くつろぎのフィエーゾレ

2011-08-20 23:50:56 | └☆イタリアぶらり旅
楽しいカンティーナ・アンティノーリの見学&豪華ランチを終え、
夕暮れ前にフィレンツェに戻ってきた。
みんなをお家に送り届けた後、
まだ暮れぬ日に、友達ともう一杯飲んどく?と更に出かける。
どこまでも調子のいい私たち。
 
やってきたのはフィエーゾレ。
フィレンツェを見下ろす山の上にある。
古くエトルリア時代からあるこの町は
赴きある佇まいと静かな森があるくつろぎの町。
 
遥か眼下のフィレンツェに夕日が沈むのを眺めつつ
冷えたプロセッコ(発泡ワイン)のグラスを傾ける。

友達と楽しかった今日を振り返えりなどして語らう時間は
辛く苦しい人の世で必要不可欠だと思えるのでした。

カンティーナ・アンティノーリと優雅なランチ

2011-08-20 23:28:03 |  └・Ristorante/Trattoria
アンティノーリ社のカンティーナ(ワイン蔵)見学&ランチへ

友達の友達の旦那さんがそのレストランで働いていた伝手で
私の友達、そのご夫婦、友達の友達で出かけるというのに、
車の席がもうひとつあるから一緒に行く?とお誘い。
おもしろそうな事にはとにかく参加したい私は二つ返事で便乗。
でも初めてお会いする友達の知人の方たちにちょっと緊張して行ったら
なんと全員顔見知りだった。世間って、フィレンツェって狭い。。
先方も美人カメラマンが来ると吹聴されていたらしく、
私の顔を見て、なーんだ、とオチがついて、なごやかになった車内
私たちを乗せた車はトスカーナの丘陵地をゆらゆらと走る。

アンティノーリ家はフィレンツェの貴族で14世紀から続く由緒あるワイン生産者。
そのアンティノーリ家の畑のひとつバディア・ディ・パッシニャーノ農園にある
ワイン蔵と直営のレストラン「Osteria di Passignano」へ。
  
  
今まさに実を結んび収穫を待つ盛緑のワイン畑に囲まれたすてきなロケーション。
葡萄の葉を揺らす風の音と遠くで鳴く小鳥の声だけがある、穏やかな村。
  
もと従業員が家族を伴って遊びに来たとあって私たちは歓待を受ける。
 
食事を待つ間のおつまみ、どれも違った味わいが楽しい盛り合せ。
食前の発泡酒とともにいただいて
これからいただく食事の期待も盛り上がる。
食事にあわせるのはもちろんこの蔵のワイン。
滋味の強いトスカーナ伝統のサンジョベーゼ種の葡萄を
若々しく仕立てた飲みやすいワイン。
 
写真左は前菜、ジビエのうさぎ肉。
ワインにもぴったり合って、ジビエが苦手な私にいただけたよい仕上がり。
右はトマトのパスタにチーズを巻いたもの。
バジルソースが香りよく楽しい一皿。
 
これはキノコのラビオリ。
キノコの香り豊か、旨味たっぷり絶品。
おかわりしたーい。
 
でもコースは続き、メインディッシュ
この地方の特産ジビエの鳩とうさぎの2種。
やっぱり地の食材にはその土地で作られたお酒がやっぱりよく合うね。
デザートのチョコレートケーキまでおいしくいただいて
満腹、満足☆
葡萄畑の中の片田舎だけど、
お店の雰囲気もお料理もサービスもどこか洗練されていて
でものどかさを忘れない温かさもありとってもいい感じ。
おいしいお食事をありがとう。ごちそうさまでした☆

お腹を満たしたら、次はお楽しみのカンティーナ見学。
ランチ営業を終えたシェフ自ら案内してくれた。
 
 
古いお城の地下を使ったカンティーナ。
年間を通して安定した室温と湿度、静かな暗闇
お母さんの胎内みたいにそっと包んでワインを育んでいる。
壁につくカビだっておいしいワインを作るのに一役かっている。
ここに立って、色んなワインの話を聞いていると
ここで熟成を待ち眠るワインたちの見る夢がみえてきそうだ。 
 
おいしい食事においしいワインにおなかはふっくら
そしてワイン興味深いの歴史、美しいトスカーナの風景、
たくさんのものを感じて吸収して心までもふっくらとして、
とても幸せな気分で晴れ渡る空を見やる。

この機会に恵まれた事、人の縁に心から感謝しつつ
美しい夏の日の午後は穏やかに過ぎてゆくのでした。

■Osteria di Passignano
Via Passignano 33, Tavarnelle Val di Pesa Firenze
tel 055 807 1278
http://www.osteriadipassignano.com/

cecinaの海へ

2011-08-15 23:14:21 | └☆イタリアぶらり旅
私のかわいいルームメイトは朝から晩までバイトして
疲れて帰ってきては、「ああ、海いきたい」とつぶやく。
一緒に暮らし始めて約1ヶ月、
今や目に入れても痛くない妹のように思う彼女のそんなつぶやきを聞いては
なんとか海に連れてってあげたいと思う世話焼きのお兄ちゃんのような心境で
彼女の休みにあわせて海へ出かけた。
海水浴なんて何年ぶりだろう、、
水着になるのがイヤでもうずっと行ってなかった。

夏になるとイタリア人はこぞって海へでかける。
たいていの人は海辺に家を持っていて、
8月の長いバカンスをその家で暮らす。
私のお友達も今、海の家で過ごしているときいて
その人を訪ねて「cecina」へ行った。

チェチナはトスカーナ西の海岸線、リボルノより少し下にある町。
高級な別荘地もあるが、比較的庶民的な町。
青い海、ずっと遠くまで浜辺が続き、その先にはエルバ島の影が見える。
 
 
町に面する浜辺は、BARやレストランの所有になっていて
そこでパラソルを借りた人だけが使える方式になっている。
私たちは庶民らしく、その有料のスペースとスペースの
ちっちゃいスペースにバスタオルを広げて陣取った。
  
 
イタリア人は本当に海が大好き
老若男女みんな海に出ていて、浜辺はすごい人。
日本の海水浴場も真っ青だ。
子どもたちは走りまわり、
若者はバケツで海水を掛け合う「戦争」をして遊ぶ。
(イタリアではこれが定番の海の遊びらしい)
そんな騒ぎは別世界に寄り添い抱き合う恋人たち、
パラソルの下で眠り肌を焼く人、
テーブルまで広げて、水着姿でカードゲームをするご老人たち。
なんかみんな自由だな~。
ながい人ならまる1ヶ月ある夏休み、
毎日みんなこうやってのんびり過ごしてるんだ。
電気代は高い、電車は正確に来ない、
意味不明な税金に、法外とも思える値上げ、
病院も郵便局もどこにいっても待たされるこの国で、
だーれもストレスフルな顔をしていないのはこの為なのか。
 
ここまできてもやっぱり水着になるのがいやで浜辺でゴロゴロしていたけど、
泳がないの?と友達に促されて、う~ん、ま、せっかくだしと海につかった。
ひ~~~、冷たい!ムリ~~!これだから海はいやなんだぁ。
つかればダイジョウブゥ~、友達が海の中から手を振る。
勇気を振り絞って海にもぐる。
全部つかったら案外大丈夫なもんだ。

ちょっとだけ泳ぎ、ひっくり返って海に浮かぶ。
ふぁぁぁぁ、きもちい。。。

そうだ、私は海が大好きだった。
こうやって空を眺めて、プカプカ海に浮いてるの。
子どもの頃連れて行ってもらった有明海の海水浴場で、
同じようにプカプカしながら眺めた空のきらめきを鮮明に思い出した。
その時持っていた小さくてキラキラした私の心も。
 
いつも疲れた顔してる彼女に少しでも笑って欲しくってやってきた海。
でも私にも必要な休息だったのかも。
広く大きな海のやさしさに包まれながら、
ただぼんやりとのびのびとしているのでした。