いつか晴れた日に写真を撮りに行こうと決めていたチンクエテッレ。
チンクエテッレは5つの土地という意味。
海辺にある5つの小さな村の総称で
5つ合わせて世界遺産に登録されている風光明媚な所。
今日ようやくその機会がやってきた。
そして、抜けるような快晴!!
海も空も青!!!
神様、こんな美しい今日をありがとう!
・Riomaggiore(リオマッジョーレ)
フィレンツェから電車で向かってチンクエテッレ最初の町で降りた。
潮風とともにのほほんとした雰囲気が流れる。
町には降りずに、ここから隣町のまで続く遊歩道へ向かった。
「愛の小道」と言う名前が付けられたその遊歩道。
そこを、残念ながら恋人同士とはいかなかったけど
でも気の置けない友達とのんびりプラプラと歩いて行く。
やたら写真を撮りまくる私を
気長に待ちつつ進んでくれるいい仲間。
折しも春。愛の小道は野の草花に彩られている。
そして、見て!なんて海きれいっ。
海の中の小石を数えられるくらい澄んでいる。
愛の小道にはここを通ったたくさんの恋人たちの軌跡がある。
あちこちにかけられた鍵は二人の愛を誓うもの。
「Ti amo(あなたを愛してる)」の落書きも
ほんとはしちゃいけないけど、でもかわいく思える。
青く澄んだ海、穏やかに寄せる波の音。
暑い太陽に照らされた肌を潮風が心地よく冷やしてくれる。
あ、次の町が見えた。
・Manarola(マナローラ)
入り江の岩場に張り付いた小さな町。
カラフルな町並が青い海と空に映えてとってもかわいい。
ちょうど出ていた屋台のレモネードで喉を潤し次の町へと向かう。
どこまでも青い海。
愛の小道と同じように次の町まで遊歩道はあるけど
さっきよりはちょっと長く、舗装もされてないから
山道をハイキングするみたいに進んで行く。
遠くに次の町が見えた。
・Corniglia(コルニリア)
コルニリアは丘の上の町。
階段を上って町まで上がる。
ここでお昼休憩。
チンクエテッレのあるリグーリア地方名産の白ワインとともに
魚介のフライやジェノベーゼパスタなどを食べる。
デザートはレストランの裏にあったソフトクリーム屋さんで
ヨーグルトソフトを食べた。
さっぱりとして冷たくってとってもおいしい。
お腹も満たされて、さ、元気を出して次に進もう。
きっとあの丘の上に見えるのが次の町だねと目指して歩き出す。
真上に昇った太陽にじりじりと照らされながら
どこまでも坂道を上って、
さっきの町があんなに小さく下に見えた時
私たちはようやく気付いた。
道を間違っていた事に。。。
おい!
自分たちで自分たちの事をつっこだ。何やってんだ!?
景色のきれいさについ気を取られ
のんきにこんなところまで上ってきてしまった。
バカだなぁ
さすがに疲れて座り込む。
目の前にはどこまでも、どこまでも青く輝く景色
空の端まで続く海、海の際まで広がる空。
そのふたつはまるでひとつみたいに青く輝いている。
ああ、もういいや。。。
この景色を前にしたら
道を間違えた事すら間違えでなかったように思えてきた。
輝く景色を眺めながら、しばらくぼんやりと3人で座り込む。
あまりにも眺めがいいので夕焼けまでここで見て行こうかと言ってから
それがあまりにも無謀なことだと気がついて山を下りた。
だってこんな街灯もない山奥で日が暮れたら帰れなくなっちゃう。
道を間違えてタイムロスをしたので次の町へは電車で向かった。
・Vernazza(ヴェルナッツァ)
入り江の小さな港町。
港へ真っ直ぐ降りる道にはお土産屋やレストランが並び
活気があり、カラフルな町並みがかわいらしい雰囲気。
冷たく甘いジェラートでひとやすみ。
この「ジェラート 私の恋人」っていう看板、かわいい。
うちの表札にしたいな。
だんだん日も傾いてきたので次の町まで急ぐ。
・Monterosso al mare(モンテロッソ・アル・マーレ)
今までの「イタリアの小さな村」的な感じではなく
整備された海岸線の遊歩道とビーチがあって
ちょっとリゾート地っぽい雰囲気。
真っ青だった空と海は今ぼんやりと茜色に染まりはじめている。
ビーチにまた3人並んで座り込みぼんやりと
楽しかった一日、過ぎて行く今日を見送ったのでした。