カメラといっしょ★

地元福岡~イタリア留学からワーキングビザ取得しての海外生活を写真で綴るつれづれ日記

龍の髭を食べてみた

2006-11-06 23:08:31 | └☆スイーツ

デパートの催事場に横浜中華街がやってきた。
横浜中華街!赤い門をくぐると一変する風景。
立ち上る点心を蒸す湯気、様々な食材
細々と色とりどりの雑貨たち、活気溢れる街。
なんだかつられてワクワクしてくる街。
そうだ肉まん食べようと
学生時代の妙なテンションで横浜まで車走らせたっけ。
思い出をめぐらしながら催事場へ。
でもそこは横浜中華街ではなくやっぱりデパートの催事場。
思い出は遠く過ぎ去ったことを思いしょんぼりと
たいそう大きいでもたいしたこともない味の肉まんを頬張る。

ふと見ると、不思議な実演販売をしている。
「1本が2本に、2本が4本に16本に32、64、128、、」
手元でくるくると餅を伸ばしては返すたびに本数が増え
みるみるうちに糸のようになっていく。
その早業にあっけにとられていると
「、、16384本!!!はい!できた。」
もうそれは蜘蛛の糸のように目にとまらない細さでキラキラと輝いている。
松の実、アーモンド、胡桃、ココナッツ、胡麻などなどのナッツを
その糸でくるくるっとつつみ「はい、試食」と目の前に差し出されたまるで繭のような白い物体。
その名を「白龍髭」という宮中に献上されていた茶菓子だそう。
そのなんともいえない食感。
ふわっっと、もちっと、いやねちっと、んーぽちっと?
とにかくなんとも言えないけど、でも味はウマイ!
餅に練り混まれた蜂蜜のほのかな甘みと
ナッツの香ばしさがなんともマッチしてる。
この味、完璧好み!即買いした私。
なぜか「凍らして食べてみてね」と言われ
半信半疑に家に帰って凍らしてみる。
不思議な食感だった皮がそれは素晴らしく変化した。
シャリッと歯に心地よく当たりすっと溶けていく。
それは美しい北の国に降る粉雪の様に繊細で淡く儚い。
ただの美味しいお菓子が美味しい芸術に変化した。
中国四千年の歴史、職人の魂に驚嘆しつつ
少しずつ味わって食べるべき高級茶菓子を
ぺろりと一箱完食したのでした。