カメラといっしょ★

地元福岡~イタリア留学からワーキングビザ取得しての海外生活を写真で綴るつれづれ日記

ロンドンオリンピックの旅(8)~ワーズワースの庭

2012-08-14 23:02:52 | └・海外旅行

ウィンダミア湖の南、レイクサイドでの機関車の小さな旅を楽しんで、
またフェリーに乗ってこんどは湖を北上。
 
中間のボウネスを経由して、一番北のウォーターヘッドへ。

港からとことこ歩いてアンブルサイドへ。
バスに乗っても良かったけど、たいした距離でないし、
なによりこの天気!絶好のお散歩日和!

青々しく輝く草原に、やわらかい水色の空。
鮮烈なイタリアの色とは全然違う。
 
どちらが好きかと言われれば、それはどちらも美しいけど、
今、空の端に遠く薄くきらめく光にとても心ひかれている。
薄氷のように淡く繊細にきらめくその光に。

ほどなくアンブルサイドの街へ到着。

石造りの小さな家々が並ぶかわいらしい街並。

街には小川が流れ、うん、なんかいい雰囲気。
  
 
ここでちょっと休憩、アップルパイをいただいた。
そうぞうしたアップルパイではなかったけど、
爽やかなりんごの酸味がおいしい。

アンブルサイドからバスに乗り次の目的地グラスミアへ向かう。
 
 
グラスミアはグラスミア湖畔にあるとっても小さな町。
あふれる緑、澄んだ小川、小さな教会、
穏やかな空気がそっと私を包む。
 
この町の名物ジンジャーブレットのお店へ。
静かな町でここだけは人だかりがしている。
150年前から続く老舗、町で評判だったネルソン夫人の
自慢のレシピを今もそのまま守っているそう。
ジンジャーブレット大好き、その当時の味ってどんなんだろう!
それは、なんだか懐かしい味。
さくっと最初の小気味いい食感とそのあとのしっかりした食べごたえ、
噛むごとに生姜、糖蜜の深い味わいが口の中にじわっと広がる。
ん~、おいしいっ!
さすがの私もひとかけで満足する濃密なお菓子。
おみやげに一包み買って混合ったお店を出た。

それから私たちは町の郊外へ歩く。
目指すは詩人ワーズワースの庭。
 
 
どこまでもどこまでも穏やかな空気。
心の蟠りがほろほろと溶けていくような気がする。
溶けた心が目頭に浮かぶ。
うっかり流れないように風が吹く方を見やる。
 
町を離れて20分ほど歩いた先にある小さな集落にワーズワースが暮らした家がある。
 
家も庭も、彼が暮らした当時の面影をそのままに残してあった。
  
 
その小さな裏庭の草花の上に踊る光を見た時、
私の胸は小さくときめいた。
なんだろう、ここにある何かが私の心に呼応してる。
慎ましく、でも伸びやかに咲く草花の命が、私の命に話しかける。
私たちは同じように呼吸し生きている。
その命の美しさ。
自然の、あるがままの美しさ。
ああ、そうだね、そうだよね。
命あるということはこんなにも美しい。
 
庭の裏山に登ると、向こうに湖が見える。
遠くにきらめく湖面の光溢れる様。
まるで光がそこから生まれてるみたい。
 
  
ワーズワースが詩人だという事は知っていたけど、それしか知らなかった。
でもここに来て、彼が見ていたものと、私が見ているものは
とても似ているんじゃないかと、ふと思った。
彼の詩を読んでみたくて、隣の資料館で詩集を買った。
私、英語読めるかな、、

グラスミアの静謐な空気、湖面にきらめく光が私を大きく捉えた。
ワーズワースさん、きっとあなたも伝えたかったんだよね、
この村にあふれる自然、この世の美しさを。
私は詩を書かないから、写真で撮るよ。
きっと、きっと、また写真を撮りに来よう。
今度は一人で、時間をゆっくりとって。

帰りのバスの車窓から流れる景色。

青く、美しい、草原。草を食む羊。
ああ、いい一日だったね、お母さん。

バスでぐるっと廻って旅の基点ウィンダミアに戻ってきた。
 
 
ちょっぴりお疲れの母を元気づけようとちょっと早いけど夕飯へ。

今日の夕飯はフレンチレストランでなぜかハンバーガー!
添えられた色んな野菜のピクルスが彩り鮮やかで、思いのほかリッチな味わい。
きりっと冷えた白ワインとともに。
ん~、おいしい!
のんだくれ親子はあっという間にボトルを空けてしまい上機嫌。
 
上機嫌ついでに食後のお散歩。

暮れゆく美しい今日を見守りつつ、
今日であった感動をそっと反芻しているのでした。


<ジンジャーブレットのお店>
The Grasmere Gingerbred Shop
Church Cottage, Grasmere, LA22
tel 015394.3542

<ワーズワースの暮らした家 ダヴ・コテージ>
Dove Cottage Ambleside LA22 9SH
tel +44 15394 35544

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