夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

松江歌会 (その2)

2015-06-07 22:48:28 | 短歌
今月も松江歌会に参加。
JR松江駅で降りて会合の場所に向かうと、北口に先日、松江城天守が国宝に指定されたことを祝う垂れ幕がかかっていた。
米子には城跡しかないので、天守が現存する松江が羨ましい。


今日持って行った歌は、先日、学会で東京に行ったとき、明星大学・多摩キャンパスの構内で、今年初めてのホトトギスの声を聞いた印象を詠んだもの。

  【提出歌】 夏立ちて日は暮れなづむ多摩の杜(もり)に山ほととぎすの初音を聞きつ

参加者の方からは、第二句は「日暮れなづむ」とした方がしっくり来る、と指摘された。
また、別の方からは、自分だったら、〈学会を終えて歩く大学構内でホトトギスの声を聞いた〉というように、自分の立ち位置を示したくなるということを言われた。

  【提出歌】 緑なす多摩の杜に鳴くほととぎす夏来にけりと告ぐるその声

ある参加者の方からは、初句の「緑なす」は第四句に「夏」とあるから要らないのではないか、と言われた。
「多摩の杜に鳴くほととぎす○○○○○夏来にけりと告ぐるその声」
として、第三句に何か入れたらどうか、とのことだが、さあ、どんな言葉をあてはめようか。

またある方が、ホトトギスは青葉にならないと鳴かない、ホトトギスが鳴くと夏が来たという感じがする。自分の住んでいる所でもよく鳴き声が聞こえるが、夜中もさかんに鳴いている、とお話しされたところから、しばしホトトギス談議となった。
私自身は、若い頃はホトトギスの鳴き声に興味が無く、古典和歌で夏歌といえば、ホトトギス(時鳥、郭公などと書く)が詠みに詠まれているのに半ば呆れていたが、近年ようやくその風情が分かるようになってきた。(記事①記事②
歌会に出ていると、ご年輩の参加者の方は特に動植物や様々な土地のこと、芸能・芸術や趣味のことに通じておられ、学ばせていただくことが多いことを実感する。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。