夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

旅のたのしみ

2017-01-09 23:32:22 | 日本酒紀行
一昨日の夜は、懇親会の間ほとんど何も食べられなかったので、会終了後、いったん池袋に出て「蛍月」という日本酒バーに行った。

とても雰囲気のよい店で、料理も手の込んだ美味しいものを出してくれ、日本酒の品揃えも充実している。特に、日置桜・王禄・玉栄・天穏・高津川など山陰のお酒が多いのが嬉しい。
私はこの時は、写真の新政(あらまさ)を冷やで、大七、天穏をお燗で、それぞれいただいた。


昨日今日は、お昼に同じ池袋の居酒屋「坐唯杏」(ざいあん)で日替わり膳と一緒に燗酒を飲った。
昼から酒が飲めるのは、旅の楽しみの一つである。
ここには「店主の隠し酒」という無濾過生原酒を中心とした裏メニュー表があり、主にそこから昨日は竹鶴・秋鹿、今日は神亀・宗玄にお燗をつけてもらった。(昼から二合いってしまった…。)

こんな背徳的なお昼の過ごし方はもう当分できない。
明日からまた普通の日常生活に戻るのが残念だ。

美酒鍋の会

2016-12-30 23:00:33 | 日本酒紀行
職場内で秘かに結成され、活動している日本酒の会。
第3回目は、同僚の先生の家で「美酒鍋の会」をした。

メンバーがそれぞれ自分のおすすめの酒を持ち寄り、テイスティングした後で人気投票し、最下位の酒は鍋の出汁にされる、という残酷なルール。

一口紙コップでそれぞれの酒を少量ずつ味わい、投票してから、鍋を熱し、美酒鍋づくりをはじめる。
同僚の一人が発酵食品の研究者で日本酒にも詳しく、この会のリーダー的存在であり、すべてを仕切ってくれた。

鍋はすき焼き鍋のような蓋付き深鍋タイプのものがよく、今回は私がグリル鍋兼用のホットプレートを持って行った。
熱した鍋にオリーブオイルを入れ、まず鶏もも肉・砂ずり・せせりを炒める。焼き色がついたら、ネギ・ニンジン・ゴボウ(シャキシャキ感が出るのでおすすめ)・シイタケ・シメジ・春菊・厚揚げ・モヤシなどを入れ、さらにその上に白菜と豚薄切り肉を交互に何層も重ねていき、日本酒を投入。(味付けは具材を入れながら適宜塩コショウする。)
その酒を持ってきた人の悲鳴も意に介さず、ドバドバと惜しみなく注ぎ、鍋に蓋をして野菜のかさが減り、アルコールが飛ぶまで待つ。

美酒鍋ができると、みんな「美味しい」を連発しながら食べていた。
確かに、お酒がいい仕事をしてくれ、野菜を最も美味しく食べられる鍋料理だと思う。
それぞれの野菜の持ち味がしっかり引き出されるので、塩コショウ以外の味付けは全く要らない。


お酒はどんな酒でもよいが、なるべく純米酒でお燗に向くものがよいと思う。
美酒鍋の二回戦は、私が持参した「神亀 純米吟醸 ひこ孫」を敢えて投入したが、もったいないほど美味な鍋になった。

寒い冬の夜、日本酒を愛する者同士が集まり、鍋をつつきながら飲むのは楽しく、美味しいお酒と料理を味わいながら語らいを楽しむ、というこの会が今回も実施できてよかったと思った。

日本酒の会

2016-10-24 19:51:22 | 日本酒紀行
職場内で秘かに結成・活動している〈日本酒を飲む会〉の2回目が先日あった。
日本酒をこよなく愛する者同士で、お酒と料理と会話を心ゆくまで楽しんできた。

今回のお店は桔梗屋だったのだが、料理は柿・栗・ムカゴをはじめ、秋の味覚を満喫させてくれるものだった。お酒も豊富な品揃えで、地酒を中心に梅津、天穏、十旭日(じゅうじあさひ)などをいただいた。

このお店には、お燗マイスターのお姉さんがいて、飲みごろの温度で燗酒を提供してくれる。また、ただお酒を出すだけでなく、それがどんなお酒かや、おすすめの飲み方などをさりげなく話してくれる心遣いが嬉しい。
当日は、鳥取県中部で震度6弱の大地震が発生したのだが、被害の大きかった湯梨浜町や北栄町の蔵元がどんな様子だったかも教えていただいた。

今回の参加者は4人で、こじんまりした会だったが、気の合った同僚たちと美味しいお酒と食事、楽しい語らいの時間を過ごすことができ、こうした仲間は貴重だと感じた。


日本酒の会は次回、誰かの家で、それぞれおすすめの酒を持ち寄り、鍋でもしながら飲もうということになっている。
今から楽しみだ。

鳥取でお酒

2016-08-07 21:58:21 | 日本酒紀行
鳥取に泊まった夜は、「とっとり酒家 NICO」という居酒屋に飲みに行った。
酒も肴も地物のよいものを提供してくれ、良心的な店だと感じた。


お酒は、
「冨玲(ふれい) 生酛仕込み」(梅津酒造、鳥取県北栄町)
「山陰東郷 生酛仕込み」(福羅酒造、鳥取県湯梨浜町)
で、いずれもお燗にしていただいた。
刺身や大山どりのグリルとよく合って美味しかった。

つけ合わせの野菜が新鮮でよいので、店長にそれを言うと、実家で作っている野菜なのだという。
山陰に越して来てから思うようになったが、新鮮で美味しい生魚、生野菜というのは、実は最高のご馳走だと思う。

昼から一杯

2016-04-20 22:05:04 | 日本酒紀行
先日、例会が始まる前に、近鉄奈良駅の近くで昼食をと思い、「よばれや」に行ってみたが、あいにく店が閉まっていた。
その近くでよさそうな店を探していたら、「香月」という居酒屋が昼も定食を中心に営業しているので寄ってみた。
結果、当たりだった。

奈良の地酒が豊富に揃っているし、少量のグラス(120㎖)でも頼めるので、私のように、食事のついでにちょっとお酒も、という者にとっては非常に嬉しい。


花巴(美吉野酒造)水酛 純米原酒 にごり(26BY)
食前酒のような感じでいただいたが、甘酸っぱく、ヨーグルトのような爽やかな風味。
店主から、「現存する最も古いお酒の作り方で、どぶろくに近い。」と説明を受けたが、瓶を開栓すると、ポンッと弾ける音がした。
発泡のぴりぴりした感じが舌を刺激し、酒が喉から胃に抜けると、ゆっくりと心地よい酔いが全身に広がっていく。
まさに至福の境地を味わった。

睡龍(久保本家酒造)生酛 古酒(21BY)
これはお燗にしていただいた。
古酒のため初めは香りがツンとくるが、クセの強い酒のはずなのに、深く穏やかな味わいで、柔らかく包み込まれるようだ。
料理と共に味わうとなお良し。
静かに優しく体に馴染み、胃が自然に空腹を訴え、何か美味しいものを食べたくなる。
やはり睡龍はいい。

このお店はとてもよかったので、奈良にいる間、2日続けて行ってしまった。