夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

アンテルーム

2018-04-29 22:49:03 | 日記
先日、京都で泊まったのは、アンテルーム京都というホテル。
京都駅から徒歩15分(烏丸線九条駅からは約7分)とやや遠いが、宿泊料が安いのと、HPで見たお洒落な内観に興味を惹かれて予約した。

もともと学生寮だったのを改装してホテルにしたそうで、入口を入ってすぐアートスペースになっており、フロント・食堂・バー・廊下など至る所にアートと遊び心が感じられる。


カフェレストランでの朝食も、充実したメニューで美味しく、野菜たっぷりのサンドイッチ、スープ、サラダ、グリーンスムージーなど、朝からしっかり健康によいものを食べられ、スイーツまで付いていて非常に嬉しい気持ちになった。

宿泊客が若い女性ばかりだったら恥ずかしいかもと心配していたが、実際は私のような中年男性や年輩の夫婦、家族連れ、外国人観光客なども多かった。


内観ばかりでなくエントランスの外観もアートな感じで、初めホテルに入るときは一瞬(えっ!?)と思ったが、心楽しく快適に過ごすことができた。
「アンテルーム」は控えの間、待合室といった意味だそうだが、ここでの宿泊は、学会出張と市内観光の間の貴重なくつろぎの時間となった。

九十九折

2018-04-22 23:00:13 | 日記
例会の翌日は、源氏物語の舞台を訪ねる旅として、鞍馬寺に行った。
源氏物語・若紫の巻に、「わらは病」を患った光源氏が北山の某寺に行き、験力の高い聖の加持祈祷を受けて平癒する場面が出てくるが、古来、その寺のモデルが鞍馬寺といわれているのだ。
北山は源氏が若紫(後の紫の上)と初めて出会う場所でもあり、ぜひ一度訪れたいと思いながらなかなか行けないでいた。

枕草子に「近うて遠きもの」として、「鞍馬の九十九折(つづらをり)といふ道」と書かれているが、ジグザグに折れ曲がった山道を延々と歩き、本堂に向かう。
この日は天気がよく気温も高かったため、汗をかき息を切らしながら山道を歩いた。


しんどかったが、山上からの景色は心ゆくばかりで、季節はやや違うけれども、光源氏が、
「かかる所に住む人、心に思ひ残すことはあらじかし」
と見たのも、こんな眺めだったのだろうかと思った。

京都で例会

2018-04-21 23:32:44 | 日記
龍谷大学で百人一首のシンポジウムがあるので、京都へ。
大宮学舎の本館は、以前にも話題にしたように、国指定重要文化財だが、今回会場となった東黌(とうこう)がリニューアルされていて驚いた。


周囲の建物と調和するよう、外観は重厚なイメージを残しつつ、内装はモダンかつ明るく開放的なデザインになっていた。
京都駅から歩いて15分ほどと立地条件もよく、正直ここで学ぶ学生にうらやましさを感じる。

シンポジウムの内容も、成立、古注釈、享受、書風など多岐にわたって活発で刺激的な議論があり、今日学んだ内容を後期からの百人一首講座に反映させたいと思った。