夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

倉敷忘れじ

2015-03-31 22:50:38 | 日記


岡山最後の夜は倉敷で過ごそうと、以前から決めていた。
昨夜は倉敷アイビースクエアに泊まり、これも以前から決めていた居酒屋「兆屋」に飲みに行った。


私が大学に入学後、初めて倉敷に行ったのはGWのときだったが、もう四半世紀にもなるのに、この辺りはまったく時間の流れを感じさせない。
それからも倉敷には何度も訪れ、また大学院時代、同市内の公立校で非常勤講師をしていた縁もあり、ここは忘れがたい思い出の詰まった街なのだ。

「兆屋」では、瀬戸内の魚介や春野菜をアテに、春の淡雪(山形)や天狗舞(石川)といった美酒を堪能してきた。
特に前者は、口あたりが優しく淡く、溶けてしまいそうな感じで、さわやかで澄んだ香りにも魅了されてしまった。

店を出て、心地よい余韻に浸りながら、えびす通りや美観地区の辺りを歩いていると、往時が思い出され、なぜか泣きたいような気分になった。

渋谷

2015-03-30 16:45:55 | 日記
昨日は午前中、中学校からの旧友と、亡き友人の墓参りをしてきた。
本当はお彼岸の頃に行きたかったが、私の引越しのため、延期していたのだ。

午後は大学時代からの友人と渋谷のBunkamuraで待ち合わせ、まず、

  特別展「ボッティチェリとルネサンス~フィレンツェの富と美~」

を観に行った。

私は西洋絵画に詳しいわけではないが、美しい絵を見るのは昔から好きだ。
この日の展示では、ボッティチェリの二つの「受胎告知」のうち、5メートルを超える大きな壁画の方が特に素晴らしかった。
天使ガブリエルから懐胎のお告げを受けるマリアの、美しく敬虔な表情に惹かれ、ついじっと眺め入ってしまった。

その後は、道玄坂にあるポスターハリスギャラリーに、

  「宇野亞喜良×寺山修司 演劇ARTWORKS原画展1988~2015」

を観に行った。


イラストレーター・宇野亞喜良のポスターや原画をまとめて見るのは初めてだったが、彼の描く女性のコケティッシュな感じがいい。

友人とその後、マンガ、アニメの聖地「まんだらけ」に行ったところ、以前見たアニメ映画『ももへの手紙』や『プリンセスと魔法のキス』のパンフレットをゲット。
さらに、大型中古CD店のRECOfanに行き、ジャパンやデヴィッド・シルヴィアンの稀少版CDを見つけ、驚喜して買った。

友人とはそれから、彼の地元の調布に場所を移して飲みに行き、時間が過ぎるのも忘れて大いに語り合った。

ただ今帰省中。

2015-03-29 22:46:55 | 日記
昨日から短い帰省中。
出発する朝のTVで、上野公園では桜がほぼ満開だといっているのを見て、(え、岡山ではまだ咲き始めたばかりなのに…。)とびっくりした。
東京では、桜は23日に開花し、30日に満開の予想なのだそうだ。


上の写真は、池袋の立教大学前の桜。
私のこよなく愛する梅はもう散ってしまったが、桜のあでやかな美しさはまた格別だ。

昨夜は、中学校からの友人と久しぶりに会った。
亡き友とは共通の友人である。
楽しく飲みつつ、二人で亡き友を偲ぶ夜となった。

花見はかなわず

2015-03-27 22:30:30 | 日記
以前住んでいたアパートは、すでに引き払ってしまったので、一昨日の夜は駅近くのホテルに泊まった。
シングルの部屋が取れなかったため、値段もそれほど変わらないからとツインの部屋を頼んだのだが、やはり一人で泊まるにはもったいない…。


昨日は午前中、元の勤務校で新年度準備会議があり、初めに退任者の紹介と挨拶があった。
私も、今までお世話になった職場の方々に、心からのお礼とお別れの挨拶を述べた。

  高校の教師でありし十三年修業の日々も今はなつかし

昨夜はもともと、例のお店の店長と常連さんと、花見に行く約束をしていたのだが、数日続く肌寒い天気で、桜もまだ蕾のままなので、旭川の河川敷で飲むのはやめ、私と店長それぞれおすすめの店に飲みに行った。
結局、日付が変わるまで飲み、店長も私も間もなく岡山を離れることを惜しみ合い、互いの新生活を応援し合った。

仰げば尊し

2015-03-25 21:47:10 | 日記
今日は午前中、米子市役所で転入に関する手続きなどをし、昼食後(カレー専門店のトンキンに6年ぶりくらいに行った)、高速道路で再び岡山へ。明日から数日、元の勤務校で残務整理や仕事の引継などを行う。
車を走らせて行く途中、蒜山SAの辺りでは、まだ雪が降っていた。


夜になってから、私の新しい論文の載った雑誌を一部いただくため、母校に行ってきた。
恩師に直接お会いすることが叶わないので、その研究室の前に置いておいてくださるよう、先日お願いしていたのだ。ドアノブの所に袋が掛けられており、中身を取り出してみると、雑誌に添えて、恩師の最新の論文の抜き刷りが入っていた。

いつものことながら、大学院を出て何年経っても、私のような不肖の弟子に親切にして下さることに、感謝の念がこみ上げてきた。
多分、恩師に出会っていなかったら、私はとうの昔に研究など放擲し、論文を学会誌に載せることも、今回の転職もありえなかっただろう。

…思えば今日は、母校の卒業式だったはず。
私は人気のない大学の講義棟から、すでに閉館した大学図書館を眺め、心の中で「仰げば尊し」を歌いながら、わが師の恩を思った。