夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

奈良なつかし

2017-09-30 22:58:32 | 日記
以前、奈良に行ったときの話題を書くのを忘れていたので、さきほど記事を上げておいた。(長谷寺登廊

本当は、長谷寺参詣の宿場町であった海柘榴市(つばいち)を訪れたこと、奈良国立博物館に「源信展」を観に行った話もしたかったのだが、ここでは割愛する。
(源氏物語講座の参加者の皆さんには、スライドをお見せしながら土産話をさせていただいた。)


奈良は清酒発祥の地と言われるだけあり、地酒に美味しいものが多く、滞在していた二日間は昼酒・夜酒(よばれや香月にも行った)で、貴仙寺吉兆、鷹長、花巴、睡龍などを飲み、至福の境地を味わってきた。
酒造の神ともいわれる大神(おおみわ)神社にもお参りし、今後もよいお酒との出会いがあるよう、お願いしてきた。
……まだ二月ほどしか経っていないのに、書いていたら奈良が懐かしくなり、無理に用事を作ってでもまた行きたい気分である。

老眼鏡 その2

2017-09-27 23:05:33 | 日記
眼科医での診察が済んだ後は、そのまま眼鏡屋に行き、処方箋を渡して、店員さんと相談しながら老眼鏡を選んだ。
今は老眼鏡といっても、オシャレで軽く、普通の眼鏡と何ら変わらない。
店員さんの意見を容れて、丸みを帯びたレトロモダンなデザインのものにした。


出来上がりは一週間ほど後になるとのことだが、これでいちいち虫眼鏡を取り出したりせず、本や資料が読めるようになることに、年甲斐もなくワクワクしている。

老眼鏡 その1

2017-09-26 22:01:03 | 日記
以前、老眼鏡を買うことを学生たちに約束しながら、それに先だって眼科の検診を受けに行くことに心理的抵抗があり、なかなか実行できずにいた。
しかし先日、書陵部に調査に行った際、写本の字の細かなところが、肉眼ではぼやけて全く読めないのに愕然とし、もう限界だと悟った。


そこで昨日ようやく眼科に行き、色々な検査を受けて処方箋を書いてもらった。
私の場合、左右で視力も見え方も違い、きちんと自分に合った眼鏡を選ばないと、かえって目が疲れ、ストレスの原因になるとわかったので、ちゃんと専門医の診察を受けて良かった。
ただ、そのためのいくつかの検査を通して、自分の目の老化が進んでいて、もう若かった頃の状態には戻らない現実を突きつけられたのは、やはり苦痛であった。

しかし女医さんから、度を調節してみましたから、これを試してみてくださいと言われ、渡された老眼鏡をかけてみると、辞書の細かい文字までが明瞭に見えるのに感動してしまった。
大げさでなく、世界の見え方が全く変わった感じがする。
これなら、どんな本もストレスなく長時間読むことができそうだ。

短歌雑想

2017-09-24 22:54:57 | 日記
去る五月六月は何かと忙しく、結社の歌誌に投稿しようにも歌想が湧かず、しかたがないので、一日の大半を研究室で過ごすしかなくなっている日常を逆手にとって詠んだ歌をようやくのことでひねり出し、どうにか歌数を揃えて送っていた。

  ここが今のわが世界なり大山と中海の見ゆるこの研究室が
  徹宵して研究室よりながむれば大山の峰のほのか明るし
  論証に苦しみをれば夜の闇を切り裂くごとき時鳥の声


先日、結社のある方から絵葉書がきて、「最近の御歌から、論文執筆のご苦労がしのばれ……どうぞお励みください」という、労いの言葉が書かれていた。
お心遣いを有難く思うと同時に、余計なことでご心配をかけてしまったことを申し訳なく思った。

私の歌は、自己の現実を必ずしもありのままに詠んでいる訳ではなく、現実をデフォルメし、かなりの脚色を加えて「作って」いる。
自分の実際の体験をもとにしてはいても、それは素材であったり触媒であったりして、歌のかたちになったときは、元の体験とは別次元のものになっている、というのが正直な認識である。
大げさに言えば、私は短歌を詠むたびに嘘をついているようなものである。
その(文学的)嘘を事実として受けとめてしまわれた方には、本当に申し訳ないと思う。

短歌というのは、わが体験、わが心情の真率なる表現という通念があるので、短歌に描かれた出来事=その人の体験という図式で受けとめられることは承知している。

ただ、私自身、挨拶としての短歌や、日常詠もよく詠んでおり、そこでは自分の体験や心情をそのまま詠むけれども、歌誌に投稿するような創作短歌には、ある程度、日常からの飛翔が必要なのではないかと思っているところがあって、これからも架構の〈われ〉を主人公にした虚実綯い交ぜの腰折れ短歌を作り続けていくことになるだろうと思う。

もし結社の方がこの記事を読んでくださっていたら、今後、私の短歌など虚構にすぎないと思って軽く見過ごしていただければ幸いです。

夕暮の空

2017-09-23 23:14:38 | 日記
昨日、市立図書館の司書の方から連絡があって、先日の古文書の会のときに、ノートPCのACアダプタを忘れていきませんでしたか、とのこと。
あわててPCバッグを確認すると、たしかにACアダプタがない……。
折り返し、引き取りに行く旨メールして、終業後に図書館に行った。


図書館からの帰り道、中海の夕日がきれいだった。
近くに車を停めて、残照が消えるまで、しばし佇んでいた。
台風が去って後、秋の深まりとともに空が澄み、夕景がいっそう美しくなってきていることを感じる。