夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

九十九折

2018-04-22 23:00:13 | 日記
例会の翌日は、源氏物語の舞台を訪ねる旅として、鞍馬寺に行った。
源氏物語・若紫の巻に、「わらは病」を患った光源氏が北山の某寺に行き、験力の高い聖の加持祈祷を受けて平癒する場面が出てくるが、古来、その寺のモデルが鞍馬寺といわれているのだ。
北山は源氏が若紫(後の紫の上)と初めて出会う場所でもあり、ぜひ一度訪れたいと思いながらなかなか行けないでいた。

枕草子に「近うて遠きもの」として、「鞍馬の九十九折(つづらをり)といふ道」と書かれているが、ジグザグに折れ曲がった山道を延々と歩き、本堂に向かう。
この日は天気がよく気温も高かったため、汗をかき息を切らしながら山道を歩いた。


しんどかったが、山上からの景色は心ゆくばかりで、季節はやや違うけれども、光源氏が、
「かかる所に住む人、心に思ひ残すことはあらじかし」
と見たのも、こんな眺めだったのだろうかと思った。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。