夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

ハロウィン

2013-10-31 23:24:58 | 日記

今日、授業をしにあるクラスに行くと、入口に電球の灯ったジャック・オー・ランタンが飾ってある。
イヤな予感を覚えつつ、中に入ると、
「ハッピー、ハロウィン!」
「トリック・オア・トリート!」
などという生徒の声で迎えられた。
「あのなあ…。」

「お前ら、もう授業受けんでいいから、そのまま街に出て、仮装行列やって来い!帰って来んでいいから。」(怒)

…それにしても、私が高校生の頃は、こんな風習が日本に定着するようになるとは思ってもみなかった。
往年の大ヒット映画『E.T.』を私は小説で読んだのだが、たしかその中にハロウィン・パーティーのシーンがあって、エリオットの母親が、「お菓子をもらうときに、リンゴは食べちゃだめよ。中にカミソリの刃が入っているといけないから。」と子どもたちに注意しているところがあった。(これはアメリカで、「お菓子をくれないといたずらするぞ。」と自宅に来た近所の子どもに腹を立て、リンゴの中にカミソリ刃を入れて出したという凶悪事件が実際にあったのだ。)

先の生徒は、ハロウィン・グッズ一式を百均ショップで買って学校に持ってきたらしい。そういえば、先月、文化祭準備の買い出しで、生徒につきあってイベント商品を扱う店に行ったとき、そういうコーナーがあったのを思い出した。
とうてい日本には根付かないだろうと思っていた風習に、ここまで市民権を得させてしまった食品業界や、娯楽産業、遊園地…などの商業主義には驚くほかない。

モテキ2

2013-10-30 23:16:12 | 日記
最近、生徒にモテてモテて困っている。
朝の始業前や昼休み、教室に生徒の様子を見に行くと、「センセー!」とつかまる。
放課後は、私の机のところで、生徒が順番待ちをしている。
授業が終わった後で廊下に出ると、他のクラスの生徒が待ち構えていることもある。

というのは、今、あちこちの大学の推薦入試の出願締切が迫っているので、志望理由書の添削やら助言やらを頼みに来ているのである。ま、私は国語の教員だしな…。

自分で言うのもおこがましいが、私は今年になってようやく、生徒の志望理由書作成指導に開眼し、どうやったらそれを形にさせることができるのかが感覚としてつかめるようになった。
以前は、文系の生徒しか、あるいはその指導さえおぼつかなかったのが、最近は理系の生徒の志望理由についても、そこそこは助言できるようになってきた。
従来なら、他の先生に任せていたような生徒も、自分で見るようになったせいで、モテキ到来となったのである。頼られるのは嬉しいが、いいかげんな指導はできないので大変だ。それでも、生徒と大学との幸福なマリアージュをかなえる手助けができるように、微力を尽くしたい。

願望と目標は違う

2013-10-28 22:51:41 | 日記

『落ちたリンゴを売れ!~成功者が密かに実践する「生き方のルール」』の著者が主張している。

模試を例にとると、「○○大学に入りたい」と漠然と思うのが「願望」で、「△△月までに模試で700点以上取るぞ」と考えるのが「目標」である。両者の決定的な違いは、「目標」には「計画」が立てられるということである。今の例でいえば、この「目標」からは、逆算して「毎日、英単語・構文をXX個覚える」という「計画」を立てることができる。

願望と目標の違いを知り、適切な目標を設定し、それをもとに計画を立て、成功できる人は3%くらいしかいないそうである。成功者と呼ばれる人は「目標」を紙に書き、「計画」を立て、日々前向きに努力を重ねた人であり、全体の80%の人が「願望」だけを持ち、日々漠然と過ごしていると著者は主張する。

翻って自分自身、願望と目標の区別はついているだろうか?

京都 三条通り

2013-10-27 22:03:47 | 日記
先日(10/14)、京都に行ったときのレポートで、書き忘れている話題があったので、遅ればせながら紹介しておく。


もともとこの日、京都に行った目的の一つは、京都文化博物館(上写真)で行われていた「近衛家 王朝のみやび 陽明文庫の名宝3」展(10/27終了)を観に行くためだったのだ。

以下、館内にあった解説により紹介すると、陽明文庫は、摂政・関白という朝廷の要職に就いた藤原氏五摂家の一つ、近衛家の御蔵を継承した特殊な図書館である。そこには、平安時代から幕末に至るまでの歴代関白の日記や摂関家ゆかりの古文書、歴代天皇の宸翰(しんかん)、政務儀式書や有職故実書、国文学作品や漢籍、古筆名跡、絵画、染織など、王朝文化のあらゆる分野にわたる資料が幅広く収蔵されており、公家資料の一大宝庫となっている。
国宝8件、重要文化財60件、総数10数万点もの歴史資料や古美術・工芸品を収蔵しているが、今回は国宝4点、重要文化財9点を含む22件の展示であった。

今回の目玉の一つは、先日ユネスコ記憶遺産に加えられた「御堂関白記」で、自筆本の長保元年(999)下巻が展示されていた。同年11月1日、藤原道長の娘・彰子が一条天皇に入内し、7日に女御(にょうご)となった記事など、興味深く読ませてもらった。


京都文化博物館のある三条通りは、近年ことに大人お洒落な空間に変貌しつつある界隈で、私は街歩きならこのあたりをお勧めする。戦前からあるレトロモダンな建物や、古民家や蔵を改修したカフェ・レストランなど、懐かしい中にも新鮮さのある雰囲気で、歩いていてわくわくする。

陽明文庫展を見た後、お腹がすいて「soto(そと)」という定食屋に入ったのだが、そこもお洒落な感じの店だった。
狭い階段で地下に降りていく店なので、薄暗い感じだったらイヤだなと思っていたが、実際は、地下室っぽい雰囲気なのに、かなり明るい印象だった。天井はむきだしのコンクリに配管パイプ、壁は薄いグレー、床は黒い板葺き。弧状の木のカウンターに椅子が5つ、あとはテーブル席がいくつかあった。
木のカウンターは、落ち着いたぬくもりを感じる。ちょうどお昼どきなので、次から次に客が入ってきて、それほど広くはない店内は、たちまちいっぱいになってしまった。
私は日替わりで蒸し鶏の和風きのこあんかけ定食を頼んだが、ご飯は白米か十六穀米が選べ、その他に味噌汁、豆腐、漬物がついていた。(値段は書きませんが、とても良心的です)。
唐揚げやハンバーグなどの定番メニューもあるので、近くに行かれた際はぜひどうぞ。

日本酒紀行(15)八海山 しぼりたて原酒 生酒 「越後で候」

2013-10-26 23:42:18 | 日本酒紀行


店長が4種類ほどのお酒を紹介してくれたが、まだ体が本調子ではないので、今回はこれのみ。

八海山 しぼりたて原酒 生酒 「越後で候」(えちごでそうろう)
八海醸造(新潟・南魚沼市)のお酒。

精米歩合 60%
アルコール度数 19度
日本酒度 +4
酸度 1.4

初め口をつけたときは、まず甘みを感じ、すっきりとした口あたり、さわやかな香りを楽しんだ。
しかし、飲んでいくうちに、しぼりたて原酒ならではの、パンチがきいた力強さを感じるようになった。
輪郭がくっきりしていて、どんな料理でもどっしりと受けとめてくれそうな味わいの酒。
飲んでみた印象では、野鳥や獣の肉、鍋料理、香味野菜、チーズを使った料理などに合いそうだ。
冬季限定ということなので、やはり鍋をつつきながら楽しんでみたい気がする。

店長がすすめていた他のお酒もよさげだったので、また後日確かめに行きたい。