今日、授業をしにあるクラスに行くと、入口に電球の灯ったジャック・オー・ランタンが飾ってある。
イヤな予感を覚えつつ、中に入ると、
「ハッピー、ハロウィン!」
「トリック・オア・トリート!」
などという生徒の声で迎えられた。
「あのなあ…。」
「お前ら、もう授業受けんでいいから、そのまま街に出て、仮装行列やって来い!帰って来んでいいから。」(怒)
…それにしても、私が高校生の頃は、こんな風習が日本に定着するようになるとは思ってもみなかった。
往年の大ヒット映画『E.T.』を私は小説で読んだのだが、たしかその中にハロウィン・パーティーのシーンがあって、エリオットの母親が、「お菓子をもらうときに、リンゴは食べちゃだめよ。中にカミソリの刃が入っているといけないから。」と子どもたちに注意しているところがあった。(これはアメリカで、「お菓子をくれないといたずらするぞ。」と自宅に来た近所の子どもに腹を立て、リンゴの中にカミソリ刃を入れて出したという凶悪事件が実際にあったのだ。)
先の生徒は、ハロウィン・グッズ一式を百均ショップで買って学校に持ってきたらしい。そういえば、先月、文化祭準備の買い出しで、生徒につきあってイベント商品を扱う店に行ったとき、そういうコーナーがあったのを思い出した。
とうてい日本には根付かないだろうと思っていた風習に、ここまで市民権を得させてしまった食品業界や、娯楽産業、遊園地…などの商業主義には驚くほかない。