夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

続 月次の会・六月

2015-06-30 22:57:48 | 短歌
昨夜帰宅すると、先日あった岡山の歌会の出詠歌に、先生の添削が入ったものの写しが郵送されていた。
(当番の方、ありがとうございます。)
歌会に参加されたみなさんの詠歌を読んで、その近況や日常の様子に思いをはせる。
読んでいると、天候気象や自然の風物の他に、日々の生活の中にも、目や耳にする動植物、旬の味覚など、季節感を湛えた歌の素材がまだまだたくさんあることを知らされる。

さて、今回私が提出したのは次の二首。



(提出歌)
  梅雨晴れの夕べ城山に登りきて茜に染まる大山を見る
(添削後)
 梅雨晴れの日暮れ城山に登りきて茜に染まる大山を見つ

(提出歌)
  城山の頂きに立ち中海に沈む夕陽の光を見果てつ
(添削後)
  城山の頂きにゐて中海に沈む夕陽の光の帯を見る

先日、来月の例会のために、米子駅に列車の切符を買いに行く途中、大山が夕映えに赤く染まって見事だったので、城山に登り、頂上から大山や中海を眺めた印象を詠んだ。


二首目が先生の添削では、「光の帯」となっていたが、おそらく先生が「中海に沈む夕陽」から想像されたのは、こんな感じの光景だったに違いない。
私がこの日、城山に登って眺めたときには、もう夕陽が沈みきって、最後の光を放っているところであった。

そういえば、先生からお誘いいただいた「伯耆路をゆく」研修会が近い。
しばらくぶりに先生にお会いできると思うと、今から楽しみだ。

夏の装い

2015-06-29 21:31:32 | 日記
天気予報では、明日の午後からまた雨になるようだが、今日の米子はほとんど快晴で、やや強い風が吹き渡り、さわやかな一日となった。

この風で、今日は大山がきれいに見え、鮮やかな緑になった山肌が、私の勤務する部屋からもよく眺められた。


晩春まで雪の残っていた山頂付近も、今はすっかり緑に覆われ、真っ白な雲をまとっている姿を見て、ふと、大山も夏の装いになったな、という気がした。
先日来、大雨が降ったり、よく晴れたり、天候の変化がめまぐるしいが、そのたびにまた大山が違った姿を見せてくれ、飽きることなく眺め続けている。


粟島神社

2015-06-28 22:00:18 | 日記
先日のことだが、寮生たちを引率して、地元の粟島(あわしま)神社に清掃奉仕に行った。


粟島神社は、本で読んで以前から知っていたが、実際に訪れるのは初めて。
勤務校から車で5分ほどの距離にあり、小高い山の頂上にお社がある。
江戸時代の干拓で地続きとなったが、その前は中海に浮かぶ小さな島だったそうだ。

清掃は、山の麓の小道の雑草を刈り取る作業が主で、30分ほどで終えることができた。
宮司からは、労いのお言葉とお礼のお菓子・ジュースをいただいた。
私と寮務のK先生は車で来ていたので、自転車で来た学生たちを先に帰らせた後、お社に参ることにした。
138段(確か)の石段を登り、お参りを済ませた後、展望台から中海を眺めた。


高さ40mほどの小山だが、遠くまで見渡せる。
この辺りは湖の幅が狭く、点在する小さな島や、対岸の山並みの緑が鮮やかに見えた。
梅雨の晴れ間の一日、仕事ついでにちょっとした観光気分を味わうことができた。

梅雨空

2015-06-27 23:24:45 | 日記

夜に米子駅前に行く途中、湊山公園に立ち寄り、中海を見てきた。
今は一年で一番昼が長い頃なので、夜7時を過ぎても、まだ空が明るい。
中海の上空は、梅雨の雨雲が低くわだかまっている中に、わずかに裂け目があって、そこから青空がのぞき、夕映えの名残りの朱鷺色も見える。
日が沈んだ後は、風がやや強く、岸辺にしきりに波が打ち寄せる音が聞こえる。

梅雨はたいていの人が忌み嫌う時期ではあるが、近年私は他の季節にはない、この時期だけの風情に惹かれている。
短歌を始めてからは、自分が今生きている季節の風物を、以前とは違った目で眺め、愛おしむようになったと思う。

寮通信

2015-06-25 22:18:43 | 日記
今週は、梅雨も一休みで、晴れた空の広がる日が多かったが、明日から天気が崩れ、大雨の降るところもありそうだ。
湿気の多い日が続くのはいやだが、紫陽花にはやはり雨の方が似合う。


来週中に、寮の保護者向けの通信(年3回発行)を編集しないといけないので、ただ今その作業中。
今号のメインは、入寮から3か月が経った、1年生たちの感想文である。
集まった原稿を読んでいると、彼らがそれまでとはまるで違う、厳しい環境に投げ込まれ、わずか3か月で大きく成長していることがわかる。

寮に入ることで、今まで気付かなかった親のありがたみや、礼儀のマナーなどを知ることができました。今の目標は、仕事、挨拶などを完璧にこなすことです。仲間たちと助け合いながら、寮生活を楽しんでいきたいです。

この3ヶ月の密度が今までの人生で最も濃い日々となったことは確かだと思っています。そんな生活が、充実していると自分なりに思っています。尊敬できる先輩がいつもすぐそこにおられ、自分も、想像以上の成長が出来ているこんないい場所どこにもないと思っています。

こうした感想を見ていると、逆境の中でこそむしろ人間の成長が促されることを教えられ、寮務を通じて彼らの成長に関われることに喜びを感じる。