今日帰宅すると、今月の歌会の当番の方から、当日の詠草が郵送されていた。(ありがとうございます。)
今回提出したのは、先週台風が近づいてきていた時に詠んだこの歌。
①
(提出歌)
秋萩は折れかへり花を散らしをり野分ちかづく風のまにまに
→
(添削後)
○秋萩は折れむばかりに花を散らし野分の風のまにまに乱る
②
(提出歌)
野分だち雲流れゆく中海のめぐりの山ゆ霧たちのぼる
→
(添削後)
野分だち雲走りゆく中海のめぐりの山ゆ霧の湧きつつ
私は、台風そのものは敬遠したいが、『源氏物語』の巻の名前にもなっている「野分」という言葉は好きで、既製の秩序を破り侵し、人の心を昂ぶらせ騒がせるイメージに心惹かれる。
一首目の先生の添削は、「野分ちかづく」などと台風の接近に心が波立つ不安を詠んでいるようではまだまだで、台風は台風らしく、もっと荒々しい印象を表現してみてはどうか、と諭されているように感じる。
二首目もやはり、台風を詠むなら雲は「流る」ではなく「走る」だし、霧は「たちのぼる」より「湧く」として、万葉調を意識した歌の文脈に合わせるべし、と教えられたように思った。
最近、万葉調の歌人・門脇重綾の歌集を出版する前の校正作業に追われているため、詠む歌にも自然にその影響が出てきてしまう。
しかし、今は様々な歌人に影響を受けながら、自然に自分の個性が落ち着いていく先を見届ければいい、くらいのつもりで気楽に構えている。
今回の歌会では、参加者のみなさんの歌にも、台風を詠んだものがいくつか見られた。
台風の荒るるさ中に家籠もりビートルズ響(な)らすわが誕生日
は、ビートルズのどの曲かが気になった。ちなみに、この歌を読んだときに、私の頭の中で鳴ったのは、「ハード・デイズ・ナイト」だった。(安易すぎるかな。)
お誕生日おめでとうございます。