夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

秋桜

2016-09-30 23:34:21 | 日記

秋の今の時期、道端や民家の庭先で見て心を和ませられるのは、コスモスの花である。
白やピンク、黄、オレンジ、どの色もよい。
可憐な花が、少しの風にも揺れなびく楚々たる風情が好ましい。
岡山に住んでいた頃、後楽園近くの旭川河川敷や、玉島のフラワーフィールドに咲いている秋桜を見たことが懐かしく思い出される。
私は昔からマーガレットやコスモスのような花が好きなのだが、人の好みというのは結局若い頃、もっといえば子どもの頃から本質的には変わらないことを実感する。

なぜ、あなたの仕事は終わらないのか

2016-09-28 23:07:02 | 
先日、コンビニの本棚で見つけて何気なく手に取り、パラパラとめくっていたら、これは一読の価値ありと直感し、買って帰った。

この本に書いてあるのは、100人に1人しか当てはまらない仕事術なので、正直、私には使いこなせる自信はない。
しかし、今までの自分の仕事の何が悪くて、なぜ今までに結果を出せない取り組みが山ほどあったのかがよく分かった。

この本を読んで、一番その通りだと思ったのは、ある企画、計画を成功させたいと思ったら、まずそのプロトタイプを最速で作ってしまえということ。
これを論文にあてはめて言えば、自分の書きたい論文のプロトタイプを、全体の2割の時間で全速力で(筆者はこれを「ロケットスタート」と呼んでいる)まず作ってしまい、残りの8割の時間を仕上げに当てる、ということだ。

確かに、論文というのは、実際に書き始めてみて初めて、証明困難な難所がいくつもあることが分かってくる。全体の進行の2割くらいの段階で、その難所がどこにいくつあるかが予め分かってしまえば、残りの時間で締切まで余裕をもって執筆が進められる。
たいていの場合、論文がうまくいかなくなるのは、難所の存在に気づかないまま、締切前に追い込みをかければ間に合うと楽観視して臨んだ挙句、締切前になって難所でつまずき、焦りで自滅してしまうからである。


この著者(中島聡氏は、マイクロソフト社でWindows95を開発した伝説のプログラマー)は1日18時間半、週1日も休まず働いている人なので、普通の勤め人から見れば実行不可能に見えることも多い。
しかし、「あなたの仕事は、仕事を終わらせること」、そして、「あなたの人生の仕事は、あなたの仕事を終わらせることではなく、人生を思いっきり楽しむこと」という言葉には大いに共感できるし、自分の本当にやりたいことをするために行動しなければ幸せになれない、というのはその通りだと思う。

今、必死に働きながら出口の見えない思いでいる人、成果が思うように出ず自己不全感を覚えている人には、必ず何かの啓示を得られる本ではないかと思う。

続 月次の会・九月

2016-09-26 22:06:07 | 日記
今日帰宅すると、今月の歌会の当番の方から、当日の詠草が郵送されていた。(ありがとうございます。)
今回提出したのは、先週台風が近づいてきていた時に詠んだこの歌。

(提出歌)
  秋萩は折れかへり花を散らしをり野分ちかづく風のまにまに
(添削後)
 秋萩は折れむばかりに花を散らし野分の風のまにまに乱る

(提出歌)
  野分だち雲流れゆく中海のめぐりの山ゆ霧たちのぼる
(添削後)
  野分だち雲走りゆく中海のめぐりの山ゆ霧の湧きつつ



私は、台風そのものは敬遠したいが、『源氏物語』の巻の名前にもなっている「野分」という言葉は好きで、既製の秩序を破り侵し、人の心を昂ぶらせ騒がせるイメージに心惹かれる。

一首目の先生の添削は、「野分ちかづく」などと台風の接近に心が波立つ不安を詠んでいるようではまだまだで、台風は台風らしく、もっと荒々しい印象を表現してみてはどうか、と諭されているように感じる。
二首目もやはり、台風を詠むなら雲は「流る」ではなく「走る」だし、霧は「たちのぼる」より「湧く」として、万葉調を意識した歌の文脈に合わせるべし、と教えられたように思った。

最近、万葉調の歌人・門脇重綾の歌集を出版する前の校正作業に追われているため、詠む歌にも自然にその影響が出てきてしまう。
しかし、今は様々な歌人に影響を受けながら、自然に自分の個性が落ち着いていく先を見届ければいい、くらいのつもりで気楽に構えている。

今回の歌会では、参加者のみなさんの歌にも、台風を詠んだものがいくつか見られた。

  台風の荒るるさ中に家籠もりビートルズ響(な)らすわが誕生日

は、ビートルズのどの曲かが気になった。ちなみに、この歌を読んだときに、私の頭の中で鳴ったのは、「ハード・デイズ・ナイト」だった。(安易すぎるかな。)
お誕生日おめでとうございます。

雑感

2016-09-25 21:03:04 | 日記

昨日今日と秋晴れのいい天気、と思っていたら、夕方から雨。
毎年、彼岸前後は秋雨前線が停滞しやすくなるようだが、今年は特にその活動が活発な気がする。
今日は大山も、朝からずっと雲に覆われていたので、昨日のうちに登っておいてよかったと思った。

そういえば、前回登ったときは山頂近くに咲いていたアザミの花が、昨日は枯れて、あるいはその姿が見えなくなっていた。
山の自然はわずか3週間でも、その様相を大きく変えてしまう。
そんなことを思った今回の山歩きだった。


再び大山へ

2016-09-24 20:36:50 | 日記
来月、職場の同僚たちと大山に登る日が近づいてきたので、当日のコースの確認も兼ねて、今日また大山に行って来た。
前回の反省点として、上りの途中ですでに膝が痛くなり、残りの行程はおろか帰りの車の運転にも差し支えたことがあった。私は未だにMT車に乗っているアナクロ人間なのだが、クラッチを切るたびに膝に激痛が走った。

こんなことでは当日、仲間に迷惑をかけてしまうので、先日帰省した際に池袋の「好日山荘」に行き、店員さんに事情を説明すると、登山用の杖(トレッキング・ポールというらしい)を買うことを勧められた。
店員さんが言うには、二足歩行が四足歩行になるので、両膝への負担が格段に減るとのこと。

今日の大山登山は、その杖の使用感を確かめることも目的の一つとしてあったのだが、想像以上に役立つことがわかった。
とはいえ、ずっと歩いていると疲れが蓄積するので、下りではどうしても膝に痛みが来たが、上りではほとんど苦痛を感じなかった。
下りでも幾分脚力に余裕があったので、前回とは違い、行者谷分かれで夏山登山道コースから離れ、元谷を経て大神山神社奥宮に至る、少ししんどいルートを選んで歩くことができた。


こちらのルートはきついが、大山北壁の眺めが素晴らしく、今は緑鮮やかなブナの森も、紅葉のシーズンにはきっと美しく染まるのだろうなと感じた。
…後は当日、雨が降らないことを祈るばかり。台風も、どうか来ませんように。