夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

八月終わる

2016-08-31 21:21:23 | 日記
つい先日、八月になったと思っていたら、あっという間に八月が終わる。

テストの採点に明け暮れた上旬、でもその中休みに一泊で鳥取に行ったのがとても楽しかった。
中旬は、友人を案内して境港・美保関に行ったのが心に残っている。友人からは今日、お礼の葉書が来て、彼にとってもよい思い出になったのを嬉しく思った。
下旬はやはり、門脇家の文書の調査・撮影に関わったことが何よりも今後の励みになった。


楽しかったことも、苦しかったことも呑み込んで、沖辺に波が引いていくように、八月が終わる。明日からは、またどんな日々が私を待ち構えているか、楽しみだ。

  営々とつとめしかども大波にさらはるるごと八月去りゆく

ちょっとリラックス

2016-08-30 22:26:08 | 日記
先ほど、『マンガで読み解く 道は開ける』(創元社)を読んでいたら、若者が自分の悩みを語る場面で、思わず食い入るように読んでしまった。

「一年目からいろいろ仕事をさせてもらって…
まわりからほめられたり頼ってもらえたりするのがうれしくて
少しでも期待に応えようと自分なりにがんばってきたつもりなんですが…

あれもできるだろう これもできるだろうって思われはじめてから仕事が増えてきて…
それが重荷になってしまって…」

おいおい、どこかの誰かのようなことで悩んでるよ…と思いながら読み進めていくと、若者の悩みに答えてマッサージ店のオーナーが言うことには、

「ちょっとリラックスしようか
大変なのはわかるけど 楽しんでるふりはできない?」
「えっ?」
「楽しんでいるふりをすると 実際にある程度楽しくなって能率が上がり
そのおかげで君が今背負い込んでいる負担が減るんだ」


読んでいて、なるほどー、と思った。
最近、仕事の上で壁にぶつかったり、自分の能力の不足を感じて歯がゆく思うことが重なっていたが、それでも今の職場で働くようになってから疲労感は少ないし、体調を崩すことも減った。
何が違うかといえば、やはり、仕事を楽しいと思えるかどうかだったのだ、と気づいた。
仕事の意義には、金を稼ぐことも社会貢献もあるが、その仕事を通じて自分の能力を高め人間的に成長することが楽しい、というのもあると思う。
今は、仕事で求められる水準に自分の技量や練度が達していないので、しばしば苦しいと感じることもあるが、自身の向上や成長を感じられる瞬間があると、やはり嬉しい。

先の本は、学生にD・カーネギーの『道は開ける』をぜひ手に取って読んで欲しくて、原著とともに勤務校の図書館にリクエストして入れてもらったので、自分でも買って読んでみたのだが、想像以上に素晴らしい内容だった。
学生にも、一人でも多く読んでもらいたいと思う。

続 月次の会・八月

2016-08-29 22:04:08 | 短歌
今回の月次の会も詠草のみの参加。
当日は夕方から夜にかけて、岡山は大雨となったため、電車が不通となって先生が来られず、歌会の詠歌は、先生のお宅へFAXを送って添削していただいたとのこと。

(提出歌)
  望月の照らせる庭に夕顔の花は揺れをり風にあふられ
(添削後)
 望月の光に濡れて夕顔の花が揺れをり風のあるらし

(提出歌)
  群青の夏の夜空を見上ぐれば望月ひとつわが前にあり
(添削後)
  いまだ青き夏の夜空を見上ぐれば望月皓(かう)とわが前にあり

一昨日、用事で歌会の方と電話で話したときに言われたのだが、この一首目の歌が、先生の添削で格調高くなったと、みなさん感心しきりだったそうだ。
確かに、添削後はまるで別の作品で、夕顔で歌を詠むならかくあれかし、という先生の叱咤の声が聞こえてきたような気がした。

二首目も、先生が第四句で「望月皓と」と、夏にもかかわらず白く冷たい光を放つ月のさまを描く表現にしてくださったことで、歌に生命が宿ったように思う。
詠むべき対象の美的本性をそれにふさわしい表現で詠むこと、歌に必ず眼目をつくること、分かっていてもなかなか難しく、だからこそ歌の精神や姿勢を伝授してくださる師が必要なのだと改めて思った。

大山夕立

2016-08-28 20:25:52 | 日記

三日ほど前、研究室で夕方まで勉強していたら、それまで晴れていた空がにわかに曇り、雨が降ってきた。
窓から外を眺めると、大山の向こうは晴れ空なのに、麓の方から雲がわき起こり、やがて山全体をすっぽり包んで、激しい夕立になった。
わずか五分ほどの間の、急激な天気の変化に、ただ目を奪われて眺め入っていた。

  大山の山のあなたは晴れながら雲わきおこる夕立の雨

見たままをただ詠んだだけなのが恥ずかしい限りである。

懐かしの図書館

2016-08-26 22:56:05 | 日記
今日は、勤務校の同僚の先生方が発表をするので、それを聞きに岡山へ。
会場は私の母校で、久しぶりに校舎内に入るのが、なんだか新鮮。

発表は、高等教育における教養教育ということで、若者の学習習慣の形成と継続、また教養教育が卒業後のキャリアにどう関わっていくかなどが論じられ、聞き応えのある内容だった。

昼食は、私が学生・院生の頃によく行っていた「エル・グレコ」に、同僚の先生たちをお連れしたら、いい店だと皆さん喜んでおられた。


その後、調べ物があり、大学付属図書館に入った。
本の配置もあまり変わっておらず、勝手知ったる感じの空間で、短い間だが、懐かしく楽しく過ごすことができた。