夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

入試2日目。採点完了!

2012-01-31 18:46:03 | 教育
今日は入試2日目。昨日の2倍の受験者数だったので、その分、採点も大変だった。昨日と同様、周りの先生方が何くれとなくフォローしてくださったので、無事に採点を終えることができた。感謝、感謝である。また、出題ミスやクレームなどもなかったのでほっとした。


振り返れば、昨年夏の教科会議で出題方針の検討をした時から始まって、夏休みに何冊も本を読み込み、出題する文章を選定し、教科会議で採用の可否について話し合い、OKが出れば問題の作成。入試の種別毎に問題作成チームを編成して、チーム討議を経て教科会議に出し、了承されるまで徹底的に議論し合った。


それもすべて、この日のため。ミスがなくて当たり前で、いい問題を出したからといって、特に褒めてくれる人がいるわけでもないけれど、教科の先生方の協力を得て、きちんと務めを果たすことができたのにほっとしている。採点するときのことを考えて、設問の詰めが甘くないか、徹底的に話し合っておいたのもよかった。受験生の思いがけない解答が出て、慌てて採点の現場で基準を変更するようなことがあってはならない。珍回答もあったけれど、だいたいは想定の範囲内で対応できた。


採点場となった会議室の黒板に、「目標 18:00までに採点を済ませる」と書いておいたら、本当に採点を終えて得点のコンピュータ入力→打ち出して点検、まで終えたのが18:00ちょっと前だった。本校の残業規定では、夕食は18:00を過ぎてから出すことになっているのだが、教頭先生が気を利かせてくれ、出前のお寿司をとってくれたのは嬉しかった。いましがた食べたところだが、おいしかったです。


明日は入試後業務のため、一般生徒は休みだが、受験生の指導は個別に行う。また、がんばろう。



入試1日目。

2012-01-30 17:59:20 | 教育
本校は今日明日が入試。私の主な仕事は、採点が滞りなく済むようにすること。

今日の分は、とりあえず、出題ミスがなくてよかった!

教科主任としては、試験開始から終了まで、もしかすると現場から出題ミスや受験生からの質問の問い合わせで呼び出されるかも、と気が気ではないのだ。


採点作業に入ってからは、国語科の先生方が積極的に私のフォローをしてくださるので助かる。私が少々抜けているので、他の先生方が、採点の進行の状況を見てどんどん「次は○○しましょう」という感じで指示を出してくださる。主任は頼りないけれども、チームワークはばっちりなので、大丈夫だ。


今日は私の作った問題が出たので、気になっていたのだが、わりとできていたように思う。

昨年が親鸞聖人の七百五十回忌だったこともあり、小説には『親鸞』を出題した。問題を作成していた頃は、親鸞聖人について知りたくなっていろいろ本を読んだり、展覧会に行ったりした。上野の国立博物館で『法然と親鸞』展を見たときはよかったなあ。重文とか国宝がいくつもあり、親鸞自筆の『教行信証』などを実際に見ることができたのには感激した。阿弥陀経だったと思うが、親鸞が料紙の余白にびっしりと書き込みしていて、宗教家の情熱を生で感じることができた。


明日もまた採点がある。なんとか乗り切ろう。

映画版「けいおん!」観ました。

2012-01-29 14:58:40 | 映画
池田暁子さんが以前、「人生モグラたたき!」(週刊文春連載)の中でほめていたし、私が担任するクラスの生徒もよかったと言っていたので、観に行ってみた。


思いの外、よい映画だったと思う。最初は登場人物達の高3の女子にしては幼稚に見える言動や、ゆるすぎる展開、声優のアニメ声などが鼻についたのだが、すぐに内容に引き込まれ、気にならなくなった。オタク系(というのだろうか?)女子校生の青春を丁寧に繊細に描いた、良心的な作品だったと思う。


高校生が卒業旅行にロンドンに行くなど、私たちの世代ではありえないことだったが……。


映像が非常に美しく、近年とくにアニメーション技術の進歩には驚かされる。


残念だったのは、映画館にいたのが10代後半~20代前半の男子ばかりだったこと。女性は、彼氏と一緒に来た女の子と、あともう1人くらいだった(と思う)。内容的には、むしろ女性の方が共感しそうだったのだが。絵柄的に萌え系な感じで、オタク男子が見るもの、という先入観がもしあって、女性が敬遠しているのであればもったいない気がする。


写真は、映画館に入るときにもらったポストカード。クラスのK田君がこのアニメを好きらしいので、今度あげることにしよう。

国公立大学二次対策補習~効果をあげるためのシステムの構築に向けて(2)

2012-01-28 14:14:16 | 教育
今日は先ほどまで、二次試験の国語と小論文の指導をしていた。「自由と○○」(「○○」の中は自分で入れる)について論じなさい、って……。さすがにブロック大学レベルになると、問うてくる内容も難しいですねえ。


昨日の続き。

二次対策補習が始まって一週間経ったので、生徒の方もシステムを理解してくれるようになり、だいぶ楽になった。最初は、二次の国語の補習も、小論文の個人指導もあって、1、2年生も授業に教えに行っているし、今月末の入試の準備もあるし、疲れて落ち込んでいたが、だいぶ立ち直った。


先日読んだ、田中真澄さんの『情熱の人生哲学』という本の中に、これからの時代は、利他性(他人の立場で考える)が重要になってくる、とあった。「相手が希望することを見極め、それをかなえるために最善を尽くし、相手の手助けをすること」……ここを読んで、ふだん自分がいかに自分中心に物事を考えているかがよく分かった。生徒を顧客と考え、自分の専門能力や労力や情熱をもって顧客に尽くし、喜んでもらうという観点が不足していた。


教科の知識だけではなく、受験制度や入試の動向にも習熟していなければ、生徒には信頼されない。


相手のニーズに対応したサービスを行い、人に喜ばれる仕事をサンクフルジョブというそうだ。(その反対がサンクレスジョブ)。これからはそういう方向で自分を鍛えていくような仕事のしかたを実践していく。田中真澄さんの本は、今から10年以上前に『デール・カーネギーに学ぶ7つの生きる力』に出会って以来、時々買い求めては読んでいる。働きながら学ぶ人には、いつも勇気と活力を与えてくれる本だ。


今日はこのあと遅めの昼食を取った後、自分の勉強をして、夕方から映画を観に行く。久しぶりなので楽しみだ。





国公立大学二次対策補習~効果をあげるためのシステムの構築に向けて(1)

2012-01-27 18:52:41 | 教育
センター試験後の二次試験出願指導がほぼ終わり、二次試験対策補習が始まったこの時期。

全国の高校の先生方も、毎日大変な思いで指導されているのだろうなあと思う。


まず、生徒それぞれ受験する大学が違うので、どこまでその多様性にこちらが対応するかという問題がある。家庭教師のように、生徒一人一人見てやれれば理想なのだが、それでは体がもたない。また、指導している最中に受験する大学をコロコロ変える生徒もいるし、自分の都合で来たり来なかったりする生徒もいる。どこまで面倒を見、どこからは任せるかという見極めはけっこう難しい。


私の今のやり方は、私の補習を受けに来る生徒達に、仲間意識を持たせるようにしている。彼らは別々の大学を受験するのだが、今日はA大学、明日はB大学、というように順番に彼らの受ける大学の過去問をみんなに解かせる。当然、自分の受験する大学と難易度や形式の違いは出てくるが、友達が受ける大学の問題を一緒に解くことで、友達への理解や連帯感が生まれ、感想を言い合ったり、互いに受験勉強の相談をしあったりするようになる。


私の準備としては、前日のうちに、翌日の補習で解かせる問題をコピーする。これは赤本か旺文社の『全国大学入試問題正解』を利用するが、もしあれば東進のDBから現物をダウンロード。やはり、生徒にとっては、現物の方が意欲が増すようだ。そして、解答用紙を自作する。手間はかかるが、国語の場合、解答欄の大きさも問題を解く上でのヒントになるし、後でする採点・添削のときに楽なので、作ると便利。配点も予想しておく。


翌日。私の補習は毎日午後イチなので、前日の問題の解説をさらっとやった後、生徒に問題を所定の時間で解かせる。100分とか120分とか、受ける方も大変だなあ。解き終わった生徒は、職員室の私の机の上に提出して帰ってよろしいとする。


生徒の答案の採点・添削は、翌日の午前中にやるか、受け取った日の夜、仕事帰りに喫茶店に寄って済ませる。精神衛生的には後者の方がよい。昨夜はミスドで採点作業。今はミスドのコーヒーもおいしくなりましたねえ。店内を見回すと、塾帰りらしき受験生が赤本を広げて勉強していたりする。頑張れ、と励ましたくなる。採点が済んだら解答解説を赤本からコピーしておき、午後の解説の後で答案と共に生徒に渡す。


だいぶ長くなったので、続きはまた明日。これから夕食のあと、また喫茶店で採点したり読書したりすることにしよう。今日はどの店にしようかな?