夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

続 月次の会・八月

2016-08-29 22:04:08 | 短歌
今回の月次の会も詠草のみの参加。
当日は夕方から夜にかけて、岡山は大雨となったため、電車が不通となって先生が来られず、歌会の詠歌は、先生のお宅へFAXを送って添削していただいたとのこと。

(提出歌)
  望月の照らせる庭に夕顔の花は揺れをり風にあふられ
(添削後)
 望月の光に濡れて夕顔の花が揺れをり風のあるらし

(提出歌)
  群青の夏の夜空を見上ぐれば望月ひとつわが前にあり
(添削後)
  いまだ青き夏の夜空を見上ぐれば望月皓(かう)とわが前にあり

一昨日、用事で歌会の方と電話で話したときに言われたのだが、この一首目の歌が、先生の添削で格調高くなったと、みなさん感心しきりだったそうだ。
確かに、添削後はまるで別の作品で、夕顔で歌を詠むならかくあれかし、という先生の叱咤の声が聞こえてきたような気がした。

二首目も、先生が第四句で「望月皓と」と、夏にもかかわらず白く冷たい光を放つ月のさまを描く表現にしてくださったことで、歌に生命が宿ったように思う。
詠むべき対象の美的本性をそれにふさわしい表現で詠むこと、歌に必ず眼目をつくること、分かっていてもなかなか難しく、だからこそ歌の精神や姿勢を伝授してくださる師が必要なのだと改めて思った。

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