夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

営業妨害

2015-10-31 23:46:36 | 日記
学園祭には、若手教員有志でラーメン・チャーハン・スープの店を出し、売れに売れまくった。
特に、ラーメン・チャーハンが好評で、我々の店舗のテント前に長い行列が出来、後ろの人は30分程も待たされたのではないかと思う。
どちらも、二、三食分しか同時に作れず、作り上げるのに3分くらいはかかるので、どうしても提供までに時間がかかり、行列がなかなか進まないのが更に人を呼ぶ結果になっていた。


仕込みにも料理にも手間をかけ、他の店では出していないものが一食200円なのだから、人気が出て当然だ。
もともと教員有志でこの企画が持ち上がったのは、〈学生は、お客より自分たちが儲けることばかり考えて、この程度でこの料金取りますか? というものを出したりしている。商売をなめてはいけないということを、我々が本気出して教えてやろう〉というところからだったので、その目的は達成できたのではないかと思う。

私は他の仕事もあるので、仕込みや洗い物を手伝うくらいのことしかしていないが、若手の先生方は、日替わりでラーメン(豚骨醤油・鶏塩。チャーシューも手作り)、スープ(クラムチャウダー・ミネストローネ)、またチャーハンを一生懸命作って売っており、学生たちのよい手本になっていたと思う。

米子ではめったに見かけない、行列のできる店を実現しただけに、客を奪われた学生たちから、大人げないとか営業妨害と言われてしまいそうだ。

学園祭

2015-10-30 23:25:28 | 日記
今日は、勤務校の学園祭。
このブログの読者は、以前の記事で書いた、同僚の若手教員グループがラーメンで出店し、学生たちの鼻を明かしてやろうと計画していた話題を覚えておられる方もあると思う。

実際には、ラーメン・チャーハン・スープ(クラムチャウダー、ミネストローネ)を売ることにし、昨夜は遅くまでかかって食材の仕込みを行った。
その結果については、また書くことにする。


今の勤務校は、文化部の活動もなかなか盛んで、放送部や軽音楽部、吹奏楽部だけでなく、普段は地味な存在の茶華道部や書道部もこのときとばかり、自分たちの活動をアピールしていた。
特に書道部の展示には、短歌・俳句・詩を題材に取り上げたものが多く、ひときわ私の興味を惹いた。
古今の名歌・名句などを、美しい書とともに鑑賞するのは、この上ない愉悦である。

  奥山にもみぢ踏み分け鳴く鹿の声聞くときぞ秋はかなしき

  秋萩の花咲きにけり高砂の尾上に今や鹿の鳴くらん


挟み撃ち

2015-10-29 23:29:58 | 雑談
今日の昼休み、廊下を歩いていたら、向こう側から、授業で教えに行っているクラスの女子学生二人がやって来た。
「こんにちはー。」
と挨拶を交わすと、右側にいたYさんの目が悪戯そうに光った。
Yさんは、隣の子と手をつなぎ、ニコニコ笑いながら両手を広げ、私の行く手をふさごうとする。そのままずんずん近づいてくるので、接触しそうになって焦った私が後ろから逃げようとすると、ちょうど1年生の女子の集団が移動してくるところで、私は挟み撃ちになってしまった。

1年生女子たちに、
「あのお姉さん、意地悪だから、気をつけたほうがいいよ。」
と声をかけつつ身をかわし、難を逃れたが、今思い出しても、自分の娘くらいの年齢の女子学生に翻弄されてしまったのが悔しい。

続 月次の会・十月

2015-10-28 22:25:02 | 短歌
今月も月次の会には参加できなかったが、先日、学会で岡山に滞在していたときに、運動公園(岡山県総合グラウンド)で美しい夕焼けを見た印象を詠んだ歌を送っていた。

(提出歌)
  秋の日の暮れゆくままに空高き鰯雲やや赤く色づく
(添削後)
  秋の日の暮れゆく空に鰯雲高く流れて赤く色づく

(提出歌)
  秋の日ははや入りはてて肌寒く野を吹く風に尾花はなびく
(添削後)
 秋の日ははや入りはてて肌寒し野を吹く風に尾花はなびく

夕陽が沈む頃になっても、東の空はまだ青空のまま、しかし高く広がる鰯雲は、茜色に染まっていく。
日が没して辺りが暗くなると、にわかに肌寒い風が吹き始め、薄の穂がざわざわと風に揺れる様子が寂しさを誘う。

私は昔から、一年のうち秋がもっとも好きで、秋の夕暮れに勝る風情はないと思っている。
暦の上では間もなく秋も終わり、私のこよなく愛する季節が行ってしまうのが悲しい。

日本酒三昧

2015-10-25 23:52:14 | 日本酒紀行
ビブリオバトルが終わった後、学生を米子に連れて帰るのはもう一人の引率の方にお願いし、私は、翌日の学会に参加するため、車で広島へ移動。
尾道―松江道で三次まで行き、そこから中国道―山陽道と来て、広島へは2時間半ほどで着いた。

大手町に宿を取ってあったので、車と荷物を置いて、すぐ繁華街に出た。
アカデミイ書房で古書を漁った後は、当然のごとく飲みに行く。
数軒回ったうちで、いちばんよかったのが、胡町の楽車(だんじり)と⑨(マルキュー)。


楽車は串焼きの店だが、日本酒の品揃えが充実しており、お燗も美味しくつけてもらえる。
ここでは、地元広島の竹鶴と、華鳩(はなはと)の生酛をいただいた。
日本酒ファンには有名な店ということで、数年前も入ろうとしたのが、満席だった。今回初めて行くことができてよかった。

⑨は、楽車を出た後、たまたま店の案内に気づいて入ったのだが、コアな日本酒ファンの行く店であり、この出会いに感激してしまった。
店主は採算度外視で、全国から燗にして美味しいお酒ばかりを取り揃えている。


特に嬉しかったのは、私は昔から発酵食品、それも酸っぱいくらいなのが大好きで(キムチ、チーズなどもそう)、お酒も山廃か生酛の酸味のきいたものを好んでいるが、店主から色々よいものを紹介してもらえたことだ。
香取・生酛は米を10%しか磨かず、昔ながらの酸っぱい味わいで、これは私には涙が出るほど嬉しかった。
他に、梅津・生酛や羽前白梅などもお燗でいただき、すっかり満足して帰ってきた。
広島を訪れる機会はなかなかないのだが、また是非行きたい店である。