今日のNHK連続テレビ小説『花子とアン』を見ていると、蓮子が嘉納家で福岡の名士たちと集うサロンで、「東西日報」記者の黒沢に、自らの歌を見せる場面が出てきた。
誰(たれ)か似る鳴けよ歌へとあやさるる緋房(ひぶさ)の籠の美しき鳥
感想を求めた黒沢から、
「あなたはご自分のことしか愛せない人だということがよくわかりました。」
と言われ、蓮子は、
「ええ、私、かわいそうな自分が大好きなの。」
と答える。
金で買われた結婚生活を送る自分を籠の鳥にたとえるのはまだ分かるとして、「美しき鳥」と言い切ってしまうのはよほどの自負と自己愛の表れのように感じ、黒沢ほどではないが、やや鼻白む思いになってしまった。
ドラマの中では、夫の伝助から、
「短歌など腹の足しにも銭にもなるまいが。」
ということを言われ、蓮子が、
「では私の歌集を出版して、それが売れに売れたらどうなさいます?」
と言い返す場面もあった。
伝助は、
「嘉納家の嫁が出す本だ、金に糸目をつけず、うんと豪勢なものを作れ。」
と景気のいいことを言うが、実際、結婚から4年後に出版された柳原白蓮の第一歌集『踏絵』は贅沢な装幀の豪華本だったそうである。
それにしても、仲間由紀恵はこういう、美人だが生真面目で融通の利かない役柄がよく似合う。
吉高由里子演じる花子が明るく素直な人柄で、その周囲に起こる出来事も「いい話」ばかりであるだけに、蓮子に関わるエピソードのドロドロっぷりが余計に下世話な関心をそそって面白い。
誰(たれ)か似る鳴けよ歌へとあやさるる緋房(ひぶさ)の籠の美しき鳥
感想を求めた黒沢から、
「あなたはご自分のことしか愛せない人だということがよくわかりました。」
と言われ、蓮子は、
「ええ、私、かわいそうな自分が大好きなの。」
と答える。
金で買われた結婚生活を送る自分を籠の鳥にたとえるのはまだ分かるとして、「美しき鳥」と言い切ってしまうのはよほどの自負と自己愛の表れのように感じ、黒沢ほどではないが、やや鼻白む思いになってしまった。
ドラマの中では、夫の伝助から、
「短歌など腹の足しにも銭にもなるまいが。」
ということを言われ、蓮子が、
「では私の歌集を出版して、それが売れに売れたらどうなさいます?」
と言い返す場面もあった。
伝助は、
「嘉納家の嫁が出す本だ、金に糸目をつけず、うんと豪勢なものを作れ。」
と景気のいいことを言うが、実際、結婚から4年後に出版された柳原白蓮の第一歌集『踏絵』は贅沢な装幀の豪華本だったそうである。
それにしても、仲間由紀恵はこういう、美人だが生真面目で融通の利かない役柄がよく似合う。
吉高由里子演じる花子が明るく素直な人柄で、その周囲に起こる出来事も「いい話」ばかりであるだけに、蓮子に関わるエピソードのドロドロっぷりが余計に下世話な関心をそそって面白い。