夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

新緑の大山

2016-04-30 23:55:53 | 日記

後日、職場の同僚たちと大山に遊びに行く予定なので、今日はその下見に行った。
私は大山には昨年、短歌の吟行会で一度行ったことがあるだけなのに、今回、どこを回るかの選定や、当日の車の運転をすることになっているのだ。

連休中ということもあり、大山はものすごい人出で、朝9時前にはすでに駐車場がいっぱいになっていた。
しかも、停まっている車がみな県外ナンバーばかり。
岡山・広島はいうまでもなく、香川、久留米、神戸、和歌山、富山、相模、会津など、
(え!?こんな所から来たの?)
と言いたくなるナンバープレートがけっこうあった。


今日はよく晴れ穏やかな天気で、青空に大山周辺の新緑がよく映えた。
大山寺からは眼下に弓ヶ浜半島が見渡せ、文字通り弓なりにきれいな円弧を描く自然の造型美に魅了されてしまった。

半日かけてみんなの納得しそうなルートを考え、道順もしっかり覚えた自信がある。
当日が楽しみだ。

グループワーク

2016-04-30 22:56:42 | 日記

昨日、授業の後で、学生から回収したノートの点検をしていたら、次のような感想文に目がとまった。

グループワークの時にみんながそれぞれに意見を出しあって、司会・記録係だけでなくその他役割がない人も、全員で協力して意見をまとめることができました。また、だれか一人の意見を使うときも、この意見にメンバーみんなが賛成してから使うといったように、誰か一人の意見でなく班の全員の意見をふまえてできたことがとてもよかったと思います。

私が授業で学生にグループワークをさせるときは、三浦和尚氏のやり方(『国語教室の実践知』Ⅱ授業の構想 09グループ(班活動))を参考にしているのだが、三浦氏がグループ学習の意義について、次の3点を挙げているのを思い出した。

  ①それ自体が協調的なコミュニケーションの場になる。
  ②相互評価、相互触発が可能になる。
  ③教師が巧まない発見や成長が子どもに期待される。

恥ずかしながら、私自身は、グループワークを授業に導入する目的を、授業で教わった内容の理解を深めるとか、ルールに従って話し合い合意を形成する練習をする、くらいにしか今まで考えてこなかった。
学生の方が、グループワークは何か意義あるものを生み出すために行う活動だということを理解していて、文字通りのシナジー(相乗作用をもたらす協力、共同)を実現していた。

自分の不明を愧じるとともに、よい学生に恵まれ学生から大事なことを教わることの幸せを実感した。

ちはやふる 上の句

2016-04-26 22:32:45 | 映画
先日の文学の授業(短歌講座)のとき、学生に五色百人一首をやらせたら大盛り上がりだった。
中には映画「ちはやふる」を観に行って、『百人一首』だけでなく競技カルタにも関心を持つようになったという者もいたので、感想を聞くと、すごくよかったとのことだった。
この映画は二部作で、「上の句」の方は間もなく上映終了のため、ぜひにもと思って観に行った。
大人が見ても十分に楽しめる映画だった。

私は原作マンガを10何巻目までは読んでいたが、その後はフォローしていない。(確か、30巻くらいまで出ているはず。)
原作の登場人物を、どの俳優がどう演じているのかにも興味があった。


主演の広瀬すずは、最初、綾瀬千早の役としては背が低いかな、と思ったが、目が慣れてくると、まさに「ムダ美人」の千早そのものに見えてきた。
試合後に燃え尽きて、白目をむき鼾をかいて寝るところとか、服装おかまいなしで制服スカートの下にジャージをはいて平気でいるとか、無神経で女子力ゼロだけど、カルタにはひたむきで純粋さが魅力の千早が、マンガから抜け出たようだった。

まつげ君こと真島太一を演じた野村周平は、最初こそ茶髪のチャラ男に見えたものの、話が進んでくるにつれて、しっかり太一になりきっていた。
呉服屋の娘で『百人一首』愛の強い大江さんは、原作では一番好きなキャラだったが、実写版では上白石萌音が演じており、この配役は私のツボにはまった。

この映画は、ドタバタ劇な要素についていけないときもあるものの、泣けるシーンも名言もあり(「青春全部かけても勝てない? かけてから言いなさい。」)、何よりも、競技カルタの試合の迫力や魅力を手に取るように伝えてくれる。

映画のエンドロールにも流れていたが、「ちはやふる」は間もなく「下の句」が上映される。
こちらも楽しみだ。

筍づくし

2016-04-24 16:11:19 | 日記
奈良に泊まった夜は、美味しい野菜とお酒を求めて「分田上」に寄ってきた。

この店は、以前取り上げたことがあるが、店主自ら畑で育てた野菜たちを料理しもてなしてくれる。
料理には手を加えすぎず、その野菜の本来の持ち味が引き出されている。
店主が言うには、自分の場合、野菜は素材が9割で、料理人の腕が1割ぐらいだと思っている、とのことだ。

店内は割と広いが、カウンター席に7、8人しかおらず、店主一人でもてなせるだけの人数しか入れないようだ。


この日は、今が旬の筍を中心に、筍水煮と青菜、おでん大根(自家製みぞをつけていただく)、水炊き(鶏せせりと春菊など)、筍と山菜の天ぷら、筍ご飯(釜で炊いたお焦げ付き)などを出していただいた。
2時間以上かけて、店主ともじっくり話し合いながらゆるゆると酒を飲み(写真の瀧澤や刈穂など)、美味しい野菜を味わうことができた。
また奈良に行く機会を作ってでもぜひ行きたい。

昼から一杯

2016-04-20 22:05:04 | 日本酒紀行
先日、例会が始まる前に、近鉄奈良駅の近くで昼食をと思い、「よばれや」に行ってみたが、あいにく店が閉まっていた。
その近くでよさそうな店を探していたら、「香月」という居酒屋が昼も定食を中心に営業しているので寄ってみた。
結果、当たりだった。

奈良の地酒が豊富に揃っているし、少量のグラス(120㎖)でも頼めるので、私のように、食事のついでにちょっとお酒も、という者にとっては非常に嬉しい。


花巴(美吉野酒造)水酛 純米原酒 にごり(26BY)
食前酒のような感じでいただいたが、甘酸っぱく、ヨーグルトのような爽やかな風味。
店主から、「現存する最も古いお酒の作り方で、どぶろくに近い。」と説明を受けたが、瓶を開栓すると、ポンッと弾ける音がした。
発泡のぴりぴりした感じが舌を刺激し、酒が喉から胃に抜けると、ゆっくりと心地よい酔いが全身に広がっていく。
まさに至福の境地を味わった。

睡龍(久保本家酒造)生酛 古酒(21BY)
これはお燗にしていただいた。
古酒のため初めは香りがツンとくるが、クセの強い酒のはずなのに、深く穏やかな味わいで、柔らかく包み込まれるようだ。
料理と共に味わうとなお良し。
静かに優しく体に馴染み、胃が自然に空腹を訴え、何か美味しいものを食べたくなる。
やはり睡龍はいい。

このお店はとてもよかったので、奈良にいる間、2日続けて行ってしまった。