夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

ナポレオン・ヒル『仕事の流儀』(1)

2012-09-19 23:25:44 | N・ヒル『仕事の流儀』
昨年、タイトルに惹かれてナポレオン・ヒル著『仕事の流儀』(きこ書房)を買い求め、一読して仕事への行き詰まりを感じた時にこそ読むべき本だと感銘を受けた。以後、時折読み返していたが、少し前から思い立って、原著“How to sell your way through life”を手に入れ、ゆっくりゆっくり読んでいる。

今日は、「集中の原則」について述べたくだりが、特に印象に残った。ヒル博士は、2,5000人以上に及ぶ男女の調査の結果から、失敗した人に共通して見られるのは、集中の原則に従っていないことだという。たいていの人は、これと決めた目標があるのに、そこに自分の心を、集中の原則を通して、しっかり焦点を合わせておく習慣を維持できないために、成功できない。

人々のうち95パーセントは、目標がありながら、それについて理解しようとしていない。というのも、自分の潜在意識を自分の目標という対象に十分な時間、ぴったりと固定できるよう集中する技術を学んでいないからである。

Consentration develops the power of persistence and enables one to master all forms of temporary defeat. The majority of people never learn the real difference between temporary defeat and permanent failure, for the reason that they are lacking in the persistence necessary to stage a comeback after they have experienced temporary defeat. Persistence is merely concentrated effort well mixed with determination and faith.

集中力は不屈の力を発達させ、人があらゆる種類の一時的な挫折を克服することを可能にする。大多数の人々は、一時的な挫折と一生消えない失敗との本当の違いを決してわかっていない。というのも、彼らには、一時的な挫折を経験した後で、立ち直りを演じるのに必要な粘り強さが欠けているからである。粘り強さは全く、決心と信念がうまい具合に混じり合った、凝縮した努力なのである。

たぶん誤訳も多々していると思うのだが、邦訳をすらすら読むより、たどたどしくても原著で読む方が、ずっと著者の言いたかったことを自分の血肉化することができるような気がする。これからも少しずつ読み進めて、読破する頃には今よりも謙虚に自分の日常の仕事から学べるようになっていたい。