夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

始業式と近雷

2012-09-03 22:48:14 | 日記
今日は県内のどこの小、中、高校とも、2学期の始業式だったのではないかと思う。

私にとっては、毎年、合宿に入る前に、もう夏休みは終わったものと思って、仕事にかかることにしているが、大半の生徒にとってはそうではあるまい。昨日まで夏休みだった感覚から抜け出せず、しばらくは夏休みボケを引きずって学校生活を送ることになるのだろう。始業式で、そんな彼らの様子を見ていたら、自分の短かった夏休みの思い出のあれこれが、走馬燈のように目の前をよぎっていって、なんだか悲しくなってしまった。

いかんいかん、こんなことでは。

気を取り直して生徒に宿題を提出させ、今学期の行事予定を説明し、その意義を考えさせ、一緒に大掃除をする。

午前中で生徒は帰って、午後から明日の課題テストの手直しと印刷。

夕方、窓の向こうに、薄気味悪いくらい黒い雲がたちこめてきたなあ、と思っていたら、にわかに激しい雨が降り始めた。…この瞬間、ベランダに干してきた洗濯物のことはあきらめた。黒雲の中から鋭い閃光が切り裂くように見え、ややあって雷鳴が響いてくる。初めのうちは遠くからゴロゴロ程度だったのが、だんだん光ってから雷が鳴るまでの間隔が短くなり、しまいには近くで爆弾でも落ちたかのように、轟音が連続するようになった。

職員室では大騒ぎで、窓の外を眺めたり、慌ててパソコンの電源を落としたりしている。これは私にも経験があるが、10年ほど前の今頃の時期、雷の鳴るさ中に翌日の実力テストを作っていたら、いきなり職員室の電気が消え、パソコンの画面も真っ暗になって、それまで作っていたテストがパーになったことがあったのだ。…あのときは、しばらくショックから立ち直れなかった。

夜になって、雨が上がった後の涼しさは、もはや秋のそれだった。今日の雷は夏の終わりを告げるものだったのかも。昼は暑かったけれど、楽しかった夏はもう帰ってこない。そんな気持ちになった。

  
  鳴る雷(かみ)はたけく轟(とどろ)く去(い)にし夏はや忘れねと告ぐるごとくに



(9/4追記)先ほど『山陽新聞』を見たら、一面に昨日の雷雨のことが記事になっていた。