夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

露草

2012-09-12 15:30:11 | 日記
この頃、学校の庭には、露草の花が朝顔と共に咲いていて、目を楽しませてくれる。どちらも早朝に咲いて、午後にはしおれてしまう。

今日は日差しがとても強く、昼休みに庭を見ると、朝顔はすでにしぼんでしまった傍らで、露草はしおれつつ、日光から身を守るようにして、花の向きを変えている。

やがて枯れるさだめなのに、こんな小さな花でも、一所懸命生きているのだな、といじらしく感じた。

露草は『万葉集』などの古典では「月草」の名で詠まれ、はかなくうつろいやすいものの代名詞のような花である。「月」だから「日」の光を厭うのかも、と一瞬つまらないことを考えてしまった。

  月草の花は日かげを避(よ)きて咲く夕べを待たでしをるるものを

  (※「日かげ」は日の光の意味)