夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

「ワン・デイ~23年のラブストーリー」その2

2012-08-26 11:07:55 | 映画
1996年7月15日。エマはイアンと同棲中だが、今夜久しぶりにデクスターと再会し、夕食を共にすることになっている。イアンも誘うが、今夜はお笑いライブに出演する(ギャラはゼロ)のでダメだと断られる。
久しぶりのデートなのに、デクスターは酒ばかり飲み、すぐに席を立ったりして落ち着かない。また、「恋愛は順調?」「仕事は?」「小説はどうなってる?」と質問するだけで、真剣に話を聞く気もない。その上に、教師としての忙しさにかまけて、作家になる夢を実現できていないことを、「できる者はやる。できない者は教師になる」と説教されて、エマは逆上する。エマは、本当は、愛せない男と暮らしているつらさを聞いてもらいたがっていた。「別れましょう、昔のあなたじゃないわ。心から愛してる、でも、もう好きじゃないの」。2人はケンカ別れしてしまう。

1997年7月15日。この年は、プールで泳ぐエマの姿のみ。

1998年7月15日。デクスターは32歳という年齢が番組の方向性と合わなくなっていることを理由に、テレビ番組をクビになり、プロデューサーに「夢は終わったんだ」と言われてしまう。

1999年7月15日。デクスターは、元モデルのシルヴィと交際しており、相手の家族と会うところまで話が進んでいる。一方、エマの方は、同棲相手のイアンが、酒浸りになっている。そして、エマが大学生の頃からデクスターへの想いを綴った詩や物語のノートを盗み見し、まだ「親友」のことが忘れられないのかとエマを責める。

2000年7月15日。大学時代の友人・ティリーの結婚式にエマが出席すると、デクスターもシルヴィを連れて来ていた。デクスターは、大学時代の親友・カラムから、「テレビで見かけなくなったな。再出発しろ」と、自分の経営するレストランで働くことを勧められる。
式の2次会で座が乱れたころ、デクスターがエマを連れ出し、2人で話をする。エマが、「初めて本の原稿料がもらえたの」と喜びの報告をすると、デクスターは、「僕も打ち明けたいことが…。」と言って、結婚式の招待状を渡す。シルヴィとはデキ婚で、デクスターはやがて父親になるという。エマは、「おめでとう。いい父親になるわ」と祝福するが、寂しさも同時に感じている。

2001年7月15日。エマは、また新しい本を書いた。デクスターは今、大学の友人だったカラムの経営するレストランで働いている。ある日、妻のシルヴィが、娘のジャスミンをデクスターに預け、友人の結婚式の前夜祭と言ってお泊まりで出かける。しかし、シルヴィは実はカラムと浮気していた。

2003年7月15日。エマは人気作家になっており、パリで活動している。シルヴィと離婚したデクスターが、ロンドンからエマに会いに来る。実は、2人は、デクスターが離婚したばかりで荒れていたころ、1度だけ関係を持ったことがここでの2人の会話からわかる。
しかし、エマのアパートに行く前に、デクスターはエマから、「今は新しい恋人がいる」とクギをさされる。今彼はジャン・ピエールというジャズピアニストで、エマは彼のいる店にデクスターを連れて行き、紹介しようとする。
しかし、デクスターは彼を遠目で一目見るなり、「もっとマシな男をつかまえろよ」と言い、「会わないでおく。明日の朝イチでロンドンに帰るよ」と、その場を立ち去ってしまう。

しかし、セーヌ川のほとりをデクスターが歩いていると、後からエマが「待って!」と追いかけてくる。そして、「あなたのことが吹っ切れない。冷たくしないで。裏切って悲しませたら殺すわよ」と、初めて心からデクスターを求める。デクスターは、「誓うよ」と答える。

2004年7月15日。デクスターは、結婚式のスピーチの練習をしている。エマの机の上には、長年愛用のタイプライターの脇に、新しくノートパソコンが置いてある。

2005年7月15日。エマとデクスターが部屋でイチャイチャしているところに、シルヴィがジャスミンを連れてくる。離婚後はシルヴィがジャスミンを引き取り、時々父親のデクスターに会わせている様子。シルヴィはこれから実家に、今のパートナーのカラムと行くところだという。彼らが行った後で、エマはデクスターにお願いする。「デックス、考えてたの。私、子供が欲しいわ。愛する人の子供が」。

2006年7月15日。エマにはなかなか子供が授からず、そのことでデクスターに当たってしまうこともあるが、それ以外は幸福な生活を送っていた。
デクスターの仕事が終わってから、映画と夕食に行く約束をしたその日、エマが執筆の後で水泳のエクササイズに行き、そのまま自転車で町まで行こうとしていた途中、エマはトラックに轢かれて亡くなってしまう。デクスターの携帯電話に、「遅れるけどすぐ行くわ。朝は当たり散らしてごめんね。」などとメッセージを残したのが最後の言葉になった。