今号の『週刊文春』(8月16日・23日号)で、映画『サニー 永遠の仲間たち』をお薦め作品に挙げていた。
「笑いあり涙ありの傑作」で、「今年一番のお勧め映画」とまで書いてあるので、嬉しくなった。
鈴木杏さんが印象に残ったのは、高校時代の自分からのビデオレターを見るシーンだったそう。
「みんな子供の頃は夢があって、けれど上手くいかない今もある。そのギャップが悲しくはありますが、それでも強く生きていこうとする登場人物たちの姿に、心が励まされます。その一方で各キャラクターはひょうきんで愛おしく、笑いながら泣いてしまうようなパワフルな作品です(笑)。」
「老若男女だれが観ても楽しめる」は、ちょっと褒めすぎな感じもするが…。
私のような世代からすると、鈴木杏さんはドラマ『青い鳥』(1997)で、子役で出演していた美少女のイメージが強いのだが、今ではもう演技派としての評価が定着しているといってよいだろう。
『吉祥天女』(2006)の小夜子役は、とてもよかった。明らかなB級映画ではあったが、彼女の演技を見たさに、2度も映画館に行ってしまった。吉田秋生の原作漫画では、小夜子は美しくミステリアスで艶めかしく、しかも冷酷無慈悲な女子高生だったので、「小柄で快活そうな杏ちゃんだと、イメージにそぐわないのでは」と観る前は気になっていたが、彼女の演技と表情(特に眼の演技)に、すっかり魅了されてしまった。
何人もの不良を相手に立ち回りを演じる格闘シーンは、すばらしいの一言。この人はアクションもいけるのだ。かと思うと、「女にとっては犯されるなんて、殺されるも同じ。…そうでしょ?」と、二人きりの理科教室で、男性教諭に迫るそぶりを見せる場面では、思わずゾクリとするほど妖艶な表情を見せる。
映画そのものは、脚本が残念な出来のため、原作ファンには納得できない箇所がいくつかある。(特に、涼が死んだ後、小夜子が校舎の屋上で号泣する場面は、彼女の演技が卓越しているだけに、小夜子の人物像としてありえないと思ってしまった)。しかし、鈴木杏さんはじめ俳優陣はとてもよかったと思う。
昨年公開された『軽蔑』は、原作の小説が好きでなかったのと、レビューでのあまりの低評価から敬遠してしまった。現在公開中の『へルタースケルター』も主演の方が…なので、たぶん観に行かないだろう。次回作を心待ちにしている。
「笑いあり涙ありの傑作」で、「今年一番のお勧め映画」とまで書いてあるので、嬉しくなった。
鈴木杏さんが印象に残ったのは、高校時代の自分からのビデオレターを見るシーンだったそう。
「みんな子供の頃は夢があって、けれど上手くいかない今もある。そのギャップが悲しくはありますが、それでも強く生きていこうとする登場人物たちの姿に、心が励まされます。その一方で各キャラクターはひょうきんで愛おしく、笑いながら泣いてしまうようなパワフルな作品です(笑)。」
「老若男女だれが観ても楽しめる」は、ちょっと褒めすぎな感じもするが…。
私のような世代からすると、鈴木杏さんはドラマ『青い鳥』(1997)で、子役で出演していた美少女のイメージが強いのだが、今ではもう演技派としての評価が定着しているといってよいだろう。
『吉祥天女』(2006)の小夜子役は、とてもよかった。明らかなB級映画ではあったが、彼女の演技を見たさに、2度も映画館に行ってしまった。吉田秋生の原作漫画では、小夜子は美しくミステリアスで艶めかしく、しかも冷酷無慈悲な女子高生だったので、「小柄で快活そうな杏ちゃんだと、イメージにそぐわないのでは」と観る前は気になっていたが、彼女の演技と表情(特に眼の演技)に、すっかり魅了されてしまった。
何人もの不良を相手に立ち回りを演じる格闘シーンは、すばらしいの一言。この人はアクションもいけるのだ。かと思うと、「女にとっては犯されるなんて、殺されるも同じ。…そうでしょ?」と、二人きりの理科教室で、男性教諭に迫るそぶりを見せる場面では、思わずゾクリとするほど妖艶な表情を見せる。
映画そのものは、脚本が残念な出来のため、原作ファンには納得できない箇所がいくつかある。(特に、涼が死んだ後、小夜子が校舎の屋上で号泣する場面は、彼女の演技が卓越しているだけに、小夜子の人物像としてありえないと思ってしまった)。しかし、鈴木杏さんはじめ俳優陣はとてもよかったと思う。
昨年公開された『軽蔑』は、原作の小説が好きでなかったのと、レビューでのあまりの低評価から敬遠してしまった。現在公開中の『へルタースケルター』も主演の方が…なので、たぶん観に行かないだろう。次回作を心待ちにしている。