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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

てのひらに、小さなものを。

2017-01-21 21:54:38 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 きゃッ、きゃゆいィ~ッ!」
「がるる!ぐるるるぅ!」(←訳:虎です!痒いですぅ!)

 こんにちは、ネーさです。
 雪は降らなかったけれど、
 どうやら花粉が降り始めたらしいここ都下・八王子から、
 はい、目薬を握りしめ、
 本日は読書……じゃなくて
 展覧会情報をお送りいたしますよ。
 こちらを、どうぞ~♪

  



           ―― 根付 ――



 東京都三鷹市の三鷹市民ギャラリーにて、
 会期は2017年1月14日~3月20日(月曜休館、ただし3/20は開館)、
 『江戸と現代を結ぶ造形』と副題が付されています。

「あはァ! ちびちびィ~♪」
「ぐるるるるるる!」(←訳:小さいんだよね!)

 ええ、そうですね。
 根付(ねつけ)とは、
 印籠や巾着などを持ち歩く際、
 紐の先端に着ける細工物です。

 根付と紐を帯の間にくぐらせると
 一種のストッパーになって、
 印籠を落とさずに済む――という仕組みです。

「つまりィ、むかしむかしィのォ~」
「がーるるるー!」(←訳:キーホルダー!)
 
  

 根付が最盛期を迎えたのは、
 江戸時代後期と言われています。

 明治維新後、
 和装が日常から遠くなるにつれ、
 根付の制作も先細ってゆく……
 かと思われましたが。

「どッこいィ、いきてるゥ!」
「ぐるるるる!」(←訳:愛されてる!)

  

 海外のコレクターさんに向けた
 輸出工芸品として造られ続け、、
 そして日本国内でも再評価が進み、
 現代でも多くのアーティストさんによって
 制作されている、根付。

  

 この展覧会では、
 『京都 清宗根付館』が所蔵する
 江戸~近代の伝統的な根付と近代根付約300点が
 展示されます。

「ねつけのォ、れきしィ!」
「がるぐるる~!」(←訳:一覧しよう~!)

 古根付が約60点、
 印籠を含む現代根付が約250点、と
 根付コレクターさん&ウォッチャーさんが
 嬉しくなっちゃう企画展では、
 出品作家さんによるギャラリーツアー、
 トークイベント、
 小学生さんを対象とするワークショップも開催されますよ。
 
 美術館HPを参照の上、
 ぜひ、お出掛けくださいね♪
 


    では、ここで週末のオマケ画像も!
   
    『森永製菓』さんの
    《パックンチョ ロイヤルミルクティー》は
    ミルクティークリーム入りの
    ビスケットお菓子です。
    「ぱくりんッ!」
    「ぐるるる!」(←訳:ころろん!)

    まだまだ天候荒れ気味な1月後半、
    健康を第一に考えて
    (ダイエットは春以降でいいんです)、
    皆さま、穏やかな休日を♪


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炙り出しの妙味!

2017-01-20 22:14:07 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでッス!
 さッ、さみゅゥ~いィ!」
「がるる!ぐるがるるる!」(←訳:虎です!大寒だからね!)

 こんにちは、ネーさです。
 とりあえず雪が降らなかったことにホッとし、
 全豪オープンで錦織くんが
 16強に勝ち上がったことにもホッとした本日の読書タイムは、
 “冬のお籠り”に最適な小説作品を御紹介しますよ。
 さあ、こちらを、どうぞ~♪

  



           ―― 煽動者 ――



 著者はジェフリー・ディヴァーさん、
 原著は2015年に、日本語版は2016年10月に発行されました。
 英語原題は『SOLITUDE CREEK』、
 著者・ディーバーさんの代表作《リンカーン・ライム》シリーズと並び、
 高い人気を誇る《キャサリン・ダンス》シリーズの第四作目です。

「こッちはァ、にしかいがんッ、なのでス~!」
「ぐるるぅるるるがる!」(←訳:カリフォルニアだよ!)

 ライム捜査官のシリーズがニューヨークを中心とする
 米国の東海岸で展開されるのと対照的に、
 ダンス捜査官の作品は
 西海岸が主な舞台となっています、が……

 今回、ダンスさんを
 捜査官とは呼べなくなってしまったようです。

「ええェッ?? なぜェでスかッ??」
「がるぐる??」(←訳:人事異動??)

 ボディランゲージ――
 日本語でいうなら仕種(しぐさ)。

 顔や手、目線、言葉のテンポ。
 ごく僅かな動作から、
 人の思考を読み取る《キネシクス》理論の専門家・ダンスさん。

 その技能を容疑者への尋問に応用し、
 犯罪解決に寄与してきたのですけれど、
 ああ、まさかの?!?

「まさかのッ??」
「ぐるるがるる!」(←訳:まさかですか!)

 尋問で得た結果にミスがあった、と判断され、
 捜査の部局から
 民事部へ、
 異動させられてしまったんです。

「そんなァ~!」
「がっるるるる!」(←訳:もったいない!)

 今、ダンスさんのIDカードには
 民間のトラブルを解決する部局の名称が
 記されています。

 そのIDと、もどかし思いを胸に、
 ダンスさんは馴染みのないお仕事をする羽目になりました。
 
 火災が起きたナイトクラブで、
 税金や保険が適切に処理されているか
 確認してくること。

「……ぜいきんッ??」
「ぐるっ?」(←訳:保険っ?)

 誰もが嫌がる後始末のような任務を押し付けられ、
 消防局員さんとともに
 火事があった場所に向かうダンスさん。

 悲惨な現場を調べてゆくうち、
 彼女の心は泡立ちます。

 これは、事故ではない?
 
「それはァ、またァ~…」
「がるる!」(←訳:皮肉な!)

 事件性ゼロと見做されていた現場に来てみれば、
 そこは大事件の只中だった?

 《煽動》という、
 悪辣極まる犯罪。

 巧妙で、
 ウナギのように捕え難い犯人との闘いに、
 ダンスさんは飛び込んでゆきます。

「このォはんにんッ、ひれつでスゥ!」
「ぐるがるー!」(←訳:ムカつくー!)
「つかまえなくちゃッ!」

 《リンカーン・ライム》シリーズに比して、
 こちらのキャサリン・ダンスさんの物語は、
 より警察小説的、
 より群像劇風、と申せましょうか。

 ダンスさんと同僚さんたちは、
 どうやって見えない悪を“炙り”出すのか。

 2016年ベストミステリの上位にもランクされた快作、
 寒い週末は外に出ないで読書だ!
 と決心している活字マニアさん、
 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 

 
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~ 消えぬ灯火 ~

2017-01-19 22:12:01 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 びッくりのォ、ばんくるわせッなのでス!」
「がるる!ぐるるがるぅ!」(←訳:虎です!想定外だよぅ!)

 こんにちは、ネーさです。
 全豪オープンでジョコビッチさんが2回戦敗退なんて……
 決勝で錦織くんと激突!っていう図を想像してたんですけど……
 明日もまた番狂わせが起こるのかしらと危ぶみつつも、
 さあ、読書タイムと参りましょう。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  



          ―― 蜷川幸雄 ――



 ↑画像のKAWADE夢ムック(文藝別冊)は2016年10月に発行されました。
 『世界で闘い続けた演出家』と副題が付されています。
 
「いだいなるゥ、えんしゅつかさんッ!」
「ぐるるがるる~!」(←訳:伝説の持ち主~!)

 俳優さんのお仕事もしておられたけれど、
 蜷川さんの名を聞けば多くの人が、
 ああ、あの演出家さん!
 と答えることでしょう。

 役者さんにダメ出しする度に、
 稽古場を灰皿が飛んだ!
 椅子も飛んだ?
 新人さんを容赦なく叱咤した!
 恐怖のあまり主演の役者さんも泣き出しちゃう??

 等々の伝説を思い浮かべながら。

「ほんとゥだッたのかなァ~??」
「がるるぐるる?」(←訳:真偽や如何に?)

 幕が開く前の舞台で、稽古場で、
 どのような出来事があったのか、
 私たちには想像もつきませんが、
 この御本を手にすれば、
 これだけは言えます。

 このひとは
 なんと役者さんたちに愛され、
 そして舞台にも愛されたひとだったことか。

 そしてまた、
 ただまっすぐに舞台を愛したひとだったことか。

「そうしィそうあいィ!」
「ぐるるがるるる!」(←訳:申し子なんだよ!)

 エッセイ、シナリオブック、演劇論など、
 蜷川さんの著作は少なくありませんが、
 この御本には単行本未収録のエッセイ
 『演出家の独り言』や、
 唐十郎さん、
 清水邦夫さん、
 ビートたけしさんとの対談も収められています。

 加えて、
 公私に渡るパートナー・蜷川宏子(真山知子)さん、
 蜷川さんの舞台から芸能の世界へ飛び立った
 俳優さんたちへのインタビュー、
 交流のあった方々からの追悼文も寄せられていて、
 その中に、
 活字マニアさんには馴染み深いお名前が!

「みじかいィけどッ!」
「がっるるるぐる!」(←訳:グッとくる文章!)

 作家の北村薫さんが綴るエッセイ、
 『奇跡の舞台』。

 ええ、長くはありません。
 2ページ弱の、
 決して長くはない文章なのですが、
 そこには“観る者”の喜びと幸福、
 すべてが注ぎ込まれています。
 ちょっとだけ引用させていただきますと――

   終わって外に出た時、
   日比谷の眺めが、いつもとは変わって見えた。
   蜷川の手が、街路にまでのびているようだった。

 観劇後にこんな風に感じられる舞台に出会えたなら、
 それはもう、
 演出家冥利に尽きるというものでしょう……!

「きせきをォ、つくるゥ!」
「ぐるるがる!」(←訳:天上の瞬間!)

 舞台という、
 はかなくも、
 “しぶとい”美。
 消えそうで、決して消えない美。

 演劇好きさんにも、
 活字マニアさんにもおすすめのムック本、
 皆さま、ぜひ一読を!


 
 
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― 《手紙》が結ぶ ―

2017-01-18 22:11:07 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 がんばれェ、けいィおにいさんッ!」
「がるる!ぐるるがるる!」(←訳:虎です!行こう決勝へ!)

 こんにちは、ネーさです。
 錦織圭さん、全豪テニスで熱闘中ですね。
 準々決勝へ、準決勝へ、さらにその先へ
 どうか勝ち上がれますように、と
 真夏の南半球に声援を送ってますよ♪
 では、次戦まで間がありますから、
 読書……をサボることにして、
 本日は展覧会情報を、どうぞ~!

  



         ―― マティスとルオー展 ――



 東京都港区東新橋のパナソニック汐留ミュージアムにて、
 会期は2017年1月14日~3月26日(休館日は1/18、1/25、2/1、2/8、2/15)、
 『Matisse et Rouault』と仏語題名が、
 『――手紙が明かす二人の秘密――』と日本語副題が付されています。

「ふむむゥ? おてがみィでスかァ?」
「ぐるる?」(←訳:ペン友?)

 ええ、そうね、
 アンリ・マティスさん(1869~1954)と
 ジョウrジュ・ルオーさん(1871~1958)は
 国立美術学校で共に学んで以来、
 生涯の友情を結び、
 マティスさんが亡くなる前年の1953年まで
 手紙のやり取りを続けました。

  

「しんゆうゥ、でスねッ!」
「がるるぐるるる!」(←訳:画風は違うけど!)

 この展覧会では、
 マティスさんとルオーさんの手紙を紹介しながら
 その時期の絵画作品もが出展されます。

 マティスさんの初期の作品や、
 ルオーさんの版画集の油彩原画シリーズ全点など、
 初来日作品を含む約140点!

「どーんッとォ!」
「ぐるるっ!」(←訳:来たねっ!)

  

 ルオーさんといえば、
 近日公開の映画『沈黙』を連想させる
 あの独特なキリスト像作品が有名ですね。

 スコッセッシ監督の『沈黙』を観て、
 原作である遠藤周作さんの『沈黙』を読んで、
 じっくり考えてみたくなった御方は、
 パナソニック汐留ミュージアムには
 《ルオー ギャラリー》が常設されていますので、
 そちらへも、ぜひ♪
 



    さて、ここでオマケ画像も、じゃじゃじゃ~ん!
   
    『グリコ』さんの
    《カプリコ シャンパン仕立て》と、
   
    《ポッキー シャンパン仕立て》は
    バレンタインシーズンの限定品です!
    「しゃんぱんごーるどォ!」
    「がるる~!」(←訳:華やか~!)
    辻口博啓さん監修のショコラなお菓子、
    『モンサンクレール』ファンの方々は実食されたし~♪

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《偉大な父》の素顔とは?

2017-01-17 22:07:21 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでッス!
 ♪るるゥ~♪そらにィおつきさまがァ~♪」
「がるる!ぐるるがる~♪」(←訳:虎です!きれいです~♪)

 こんにちは、ネーさです。
 乾燥している空気のせいでしょう、
 朝方に見上げたお月さまは
 クレーターのウサギ模様がくっきり!
 当然ながら冬の夜空に輝くお星さまもきれいな今日は、
 さあ、読書タイムも“天体”つながりで、
 こちらの御本を、どうぞ~♪

  



     ―― 小松左京さんと日本沈没 秘書物語 ――



 著者は乙部順子(おとべ・じゅんこ)さん、2016年11月に発行されました。
 《日本SF界の父》といえば
 小松左京さん(1931~2011)!
 著者・乙部さんは、その“父”たる小松さんの
 アシスタントを務めていた御方です。

 おっと、務めていた、と過去形で書いてしまいましたが、
 乙部さんは現在も小松さんの著作を管理し、
 『小松左京全集完全版』刊行など、
 株式会社イオの代表取締役として活動する
 小松さんの“代理人”さんですよ。

「えーじぇんとォさんッ、でスねッ!」
「ぐるるがるぐる!」(←訳:デキる秘書さん!)

 『日本沈没』
 『さよならジュピター』などなど、
 小松さんの作品の陰には必ずこの人あり。

 と言えるのが、秘書・乙部さんの存在です。

 その手腕を発揮して、
 あらためて今、乙部さんが語るのは、
 作家であり、
 開拓者・小松さんの姿――

 情報収集を重ね、
 勉強を重ねて、
 創作の作業に最新技術を取り入れていった
 開拓者としての業績。

「こうやをォ、たがやしィ!」
「がるるぐる!」(←訳:水路を開く!)

 1979年、
 個人では誰よりも早くファクシミリを自宅に入れ、
 原稿を出版社に直接送ることを開始。

 国際的なSFシンポジウムを企画・開催したのは
 世界初。

 若い頃は『モリ・ミノル』の名で
 漫画を描いていて、
 あの手塚治虫さんは『モリ・ミノル』を
 ひそかにライバル視していた?

「わほゥ!」
「ぐるるっ!」

 ふだんはニコニコと温厚で、
 冗談を言っては人を笑わせ、
 権力欲はまったくなく、
 引き受けた責務はまじめに果たす。

 日本を沈没させたり、
 首都を消失させちゃったり、
 怖ろしい物語を創るけれど、
 ユーモアがあって楽しい人。

 そして、
 最期まで人間を信じていたという小松さん。

「にゃんこォ、だいすきィ~!」
「がるるぐるがるる!」(←訳:愛猫家さんでした!)

 著者・乙部さんは、
 小松さんの文学史上の功績には敢えて言及せず、
 忙しくも充実していた日々を語ります。

 私ネーさは、
 小松さんとアーサー・C・クラークさん、
 スタニスワフ・レムさん、
 ブライアン・オールディスさんのお話、
 もっと聞きたいわ~!と
 地団駄を踏みましたが……

「それはァ、きッとォ~!」
「ぐるる?」(←訳:続編で?)

 物語を産み出す作家さんの、
 表には出さない、
 プライヴェートな顔――素顔。

 小松さんのファンの方々、
 SF好きな活字マニアさんは
 ぜひ、“偉大な父”の素顔を
 覗いてみてくださいね♪ 

 
 
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守ろう《アンダーショー》!

2017-01-16 22:20:41 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 こッ、こおッちゃッたでスゥ!」
「がるる!ぐるるるる!」(←訳:虎です!ガリガリに!)

 こんにちは、ネーさです。
 今朝、窓ガラスの結露を拭き取ろうとしたら……
 バリバリガリッ!
 なんと、結露どころか結氷!
 と、こんな風に気温は冷え切っておりますけれど、
 読書タイムは熱~く行きましょう。
 さあ、本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪
 
  



   ―― シャーロック・ホームズ アンダーショーの冒険 ――



 編者はデイヴィッド・マーカムさん、
 原著は2015年と2016年に、画像の日本語版は2016年12月に発行されました。
 英語原題は『The MX Book of New Sherlock Holmes Stories』、
 前回記事ではホームズさん関係のノンフィクション作品を御紹介いたしましたが、
 こちらはフィクション作品ですよ。

「ふぃくしょんッ? ということはァ~…」
「ぐるっ??」(←訳:贋作っ??)

 編者のマーカムさんは
 ホームズさんを主人公にした贋作(パスティーシュ)の書き手として、
 また、コレクターとしても知られる米国人さんです。

 そんな筋金入りの“ホームズマニア”さんが
 この御本の編集に携わったのには、
 もちろん、
 ホームズさん絡みの、
 特別な事情がありました。それは――

  《アンダーショーを救え!》

「ふァ?? たすけるゥ??」
「がるる?ぐる?」(←訳:何から?何を?)

 そもそも、《アンダーショー(Undershaw)》とは。

 アーサー・コナン・ドイル卿が暮らした御屋敷なのです。

「おおォー!」
「ぐるー!」

 名作『バスカヴィル家の犬』を始め、
 数々のホームズさんの作品を執筆していた頃、
 コナン・ドイルさんが住んでいたのが
 《アンダーショー》と呼ばれる御屋敷でした。

 しかし、時は流れ、
 ドイル家の所有ではなくなった《アンダーショー》は荒廃し、
 取り壊しの危機に瀕していたのです。

「ならばァ、たちあがろうゥ!」
「がるぅーるっるるるる!」(←訳:全シャーロッキアンよ!)

 《アンダーショー》修復の資金に充てるため、
 編者マーカムさんは一計を案じました。

   新たな“ホームズ譚”を刊行して、
   その印税で資金作りしたらどうだろう?

 そして、その志に賛同する
 プロ&アマの書き手さんたちが
 マーカムさんのもとに作品を寄せたのです。

「そッ、それでェ、どいるさんのォ、おうちはッ?」
「ぐるがっるる??」(←訳:どうなったの??)

 安心してちょうだい、
 《アンダーショー保存トラスト》に印税が寄付され、
 御屋敷は往時の姿を取り戻しました♪
 2016年9月、
 学習障害のある子供たちのための学校として
 オープンしたのだそうよ。

「ぱちぱちぱちィ!」
「がっるる!」(←訳:やったね!)

 この御本には、
 《アンダーショー》救出作戦に参加した作品の中から
 短編小説10篇が収録されています。

 第一部では邂逅して間もない頃、
 第二部では探偵フル稼働期、
 第三部では円熟期の
 ホームズさんとワトソン博士の物語が、
 敬愛を込めてそれぞれに描かれていますよ。

「ふむふむッ? おすすめはァ?」
「ぐるがるる?」(←訳:どれですか?)

 私ネーさのおすすめは、
 第一部に収められている
 デニス・O・スミスさん著『沼地の宿屋の冒険』。

 或る夫婦さんが、
 数か月前に新婚旅行で宿泊した宿屋を再訪し、
 宿帳のページを
 何とはなしに捲ったら……

 おや?
 私たちの名前が、ない?

 6月に、確かにここに泊まったのに!
 ふたりの名前を書いたのに!

 なぜだ?

「それはッ、もうッ!」
「がるぐるるぅ!」(←訳:相談しなきゃ!)
「ほーむずさんにィ!」

 21世紀の今も、
 《聖典》へのリスペクトは増すばかり。
 さあ、日本のシャーロッキアンさんも、
 ぜひ、一読を~♪
 
 
 
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鹿打帽とインヴァネズコート!

2017-01-15 22:11:07 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 しんしーずんがァ、はじまりまスよゥ~!」
「がるる!ぐるるる!」(←訳:虎です!新体制で!)

 こんにちは、ネーさです。
 ええ、そろそろ自転車・ロードレース競技の
 2017年シーズンの幕開けです。
 真冬の欧州を避け、
 まずはオーストラリアや中東でレースが開催されますよ。
 新年度はどんな勢力図が描かれるのか期待しながら、
 さあ、今日も読書タ~イム!
 本日は、こちらのノンフィクション作品を、どうぞ~♪
 
  



      ―― シャーロック・ホームズを歩く ――



 著者は東山あかねさん、2016年11月に発行されました。
 『作品をめぐる冒険と旅』と副題が付されています。

「あはァ! ほーむずゥさんッ!」
「ぐるるるがる!」(←訳:本物の方のね!)

 著者・東山さんの御名前に、
 おそらく日本に暮らすホームズさんファンの方々は
 まぶしいような憧れを抱いていることでしょう。

 東山さんと、ご夫君の小林司さんといえば、
 日本きっての、
 いえ、アジアきっての、
 なんなら世界でも屈指のと言い切ってもいい
 シャーロッキアン御夫婦として有名でした!

 惜しくも、2010年9月、
 小林司さんは病に倒れてしまいましたが……

 2011年の秋、
 ご夫君の遺志を継ぐかのように、
 東山さんは海外旅行へ出発します。

「ゆきさきはァ、もッちろんッ!」
「がるぐるる!」(←訳:英国だよね!)

 久しぶりの旅行へ、と
 東山さんを促したのは、
 ホームズさんの物語にも縁深い、
 或る《除幕式》のためでした。

 スコットランドの首都・エディンバラ。

 そのエディンバラの日本国総領事館の建物は、
 1884年~1911年の間、
 奇しくも、
 ホームズさんのモデルと言われる
 ジョゼフ・ベルさんの旧居だったのです。

「おおッ、べるゥせんせいィ!」
「ぐるるぅ!」(←訳:縁だなぁ!)

 ベル先生の没後100周年となる節目の年、
 日本シャーロック・ホームズクラブより
 記念のプレートを贈呈することになり、
 そのお披露目のための除幕式。

 そうして、除幕式を無事に済ませたら、
 セレモニーに参加した皆で向かった先は、
 《コナン・ドイル・パブ》!

「あるんでスかッ!」
「がるぅるるるぐる!」(←訳:エディンバラにも!)

 さらにその後は、
 ホームズさんゆかりの地を訪ね、
 ロンドンへ。

 そして翌年の2012年にはスイスで、
 《ホームズ物語の登場人物になりきってスイス巡礼》、

 《ホームズさんのお誕生祝い》をニューヨークとロンドンで。

 2013年の《母と娘の英国旅行、ちょっとパリ》では
 ダートムアへも。

「だーとむあッていうとォ!」
「ぐるぅ~!」(←訳:魔犬ぅ~!)

 ホームズさんのファンの方々には堪らない、
 そして活字マニアさんにも堪らないのは、
 御本の終盤で紹介される
 ロンドン博物館の《シャーロック・ホームズ展》でしょうか。

 シリーズ第一作『緋色の研究』初版本!

 しかも、ドイルさんのお父さんが挿絵を描いた版で!

 また、ホームズさんの挿絵の決定版たる
 シドニー・パジェットさんの原画も
 ちゃあんと展示されていた……!

「むむゥ! テディちゃもォ、みたいィ~!」
「がるる!」(←訳:ボクも!)

 ホームズさんの物語が大好きな御方は
 こころ躍ること必至の、東山さんの旅。

 シャーロッキアンの鑑・小林司さんを偲びつつ、
 堪能させていただきました。
 私もホームズさん好きです!な活字マニアさん、
 ぜひ、一読してみてくださいね。
 おすすめです!!

 
  
 
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50年分、原画展!

2017-01-14 22:04:01 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでッス!
 あわわッ! ここはァ、れいぞうこォ??」
「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!冷凍庫かも!)

 こんにちは、ネーさです。
 耳たぶもパキピキっと凍りつきそうなお天気になりましたね。
 ああ、温かい巣穴で冬眠したい……と思いつつも、
 週末はアートの力でエネルギーをチャージしましょう♪
 本日は読書をサボり、
 こちらの展覧会情報を、どうぞ~!
 
  



      ―― ブラティスラヴァ世界絵本原画展 ――



 千葉県千葉市の千葉市美術館にて、
 会期は2017年1月4日~2月26日(1月16日と2月6日は休館)、
 『絵本の50年 これまでとこれから』と副題が付されています。

「えほんのォ、れきしィ~!」
「ぐるるる!」(←訳:50年分!)

 《プラティスラヴァ世界絵本原画展 Biennail of Illustrations Bratislava》は
 スロヴァキア共和国の首都プラティスラヴァで2年ごとに開催される
 世界最大規模の絵本原画コンクールです。

  

 かつて、隣国のチェコ共和国と合わせて
 ひとつの国チェコスロヴァキアであった1965年に、
 ユネスコと国際児童図書評議会の提唱によって
 プラティスラヴァ世界絵本原画展が創設され、
 2015年には記念すべき25回目、
 50周年を迎えました。

 この日本巡回展では、
 《日本の絵本の歴史50年》を振り返るパートが設けられ、
 また、
 2015年のコンクールで受賞した作品と
 日本からの出品作品も紹介されます。

「あッ! むらかみィさんのォ、おさかなッ♪」
「がるるるぐるる!」(←訳:酒井駒子さんも!)

  

「これもォ、しッてるでスゥ!」
「ぐるるるがるるるるる!」(←訳:100%ORANGE!)

 瀬川康男さん、
 村上康成さん、
 酒井駒子さん、
 100%ORANGE(及川賢治)さん、
 みやこしあきこさん、
 松本大洋さん……と
 活字マニアの皆さまには
 親しみ深いアーティストさんの原画が
 出展されています。
 
  

「げんがはァとくべつゥ、なのでス~!」
「がるぐるる!」(←訳:色も線もね!)

 出展作家さんによるライブペインティング、
 作家さんが登壇する絵本フォーラム(事前申込制)、
 トーク&ワークショップ(事前申込制)など、
 関連イベントも予定されていますので、
 詳細なスケジュールを美術館HPでチェックしてから
 お出掛けくださいね。
 
 なお、小・中学生、高校生、
 障害者手帳をお持ちの方と介護者1名さんは
 入場無料です。
 
「ほんものォ、みましょゥ!」
「ぐるがるるる~!」(←訳:ぜひ千葉市へ~!)




   さて、寒い寒い1月のオマケ画像なんですけれども♪
   
   『ネスレ』さんの
   《キットカット ほっと心が温まるジンジャー味》!
   「しょうがッ!」
   「がるるる♪」(←訳:ホカホカ♪)
   この寒波を乗り越えたら、
   確実に春へと一歩近付く!と信じて、
   皆さま、どうか穏やかな日曜日を。


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迷子を、みちびけ。

2017-01-13 22:13:17 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 こううんをォ、いのッてまスゥ~!」
「がるる!ぐるるがっるー!」(←訳:虎です!カモンラッキー!)

 こんにちは、ネーさです。
 人事を尽くして天命を待つ覚悟の受験生の皆さんに、
 それでもやっぱりエールを送りたくなる
 1月の週末がやって来ました。
 情け知らずの天気予報に心が折れそうになった時には、
 さあ、↓こちらの御本はいかがでしょう?

  



         ―― 洗えば使える泥名言 ――



 著者は西原理恵子(さいばら・りえこ)さん、2016年8月に発行されました。
 どうですか、この西原さん御自身による表紙!
 腹が据わる、というか、
 もう笑うしかない、というか。

「むむむむゥ~…!」
「ぐるるる~…!」

 人気漫画家・西原さんが
 《名言》と形容するのは、
 知り合ったさまざまな人たち――
 すてきな人、
 ムカつく人、
 バカな人、
 えげつない人が、
 何かの拍子にふと言い放った
 “心に残る言葉”。

 歴史上の偉人とか
 成功者の名言みたいに輝かしいものじゃない、
 ゲスだったり、
 身もフタもなかったり、
 ワケわかんなかったりする言葉ばっかり。

 だけれど。

  《私にとっては人生の糧になってきた》

 そんな文言たち。

「ふかいィ、のでスかッ?」
「がるぐるるるぅ!」(←訳:深遠なんだねぇ!)

  第一章【仕事の名言】

  第二章【お金の名言】

  第三章【男と女の名言】

  第四章【家族の名言】

  第五章【生と死の名言】

 から成る名言の花束は……

 笑えて、泣けます。

「さいばらァかあさんッ、くろうにんッ!」
「ぐっるるる!」(←訳:闘ったんだ!)

 西原さんの作品を愛読している方々は
 よく御存知のことですが、
 亡くなった夫君との間で、
 とてもつらい、
 思い出すのもつらい日々を
 過ごさねばならなかったとき、
 そのため西原さん自身もが
 心身のバランスを見失ったとき、
 どんな言葉に救われたか。

 どんな一言が
 イラつく心をスッと楽にしてくれたか。

「なんでもないィひとことでもォ~」
「がるるぐる!」(←訳:金言になる!)

 名言の実例を挙げてしまうと、
 読む愉しみを奪うことになっちゃいますので、
 ここでは一つだけ、
 ご紹介するに留めましょう。

 それは、西原さんが
 現在のパートナー・高須先生に教えられた言葉――

  《すべての患者様には 希望しか与えてはいけない》。

「きぼうッ?」
「ぐる……?」(←訳:希望……!)

 ちょっとした希望があれば、
 壁をよじ登ることができる。

 どうしようもない目の前の恐怖より、
 小さくたって希望の灯を見つめれば、
 いのちは延びてゆく。

 手を握って、
 大丈夫ですよ、と言い聞かせれば、
 真っ暗闇の果てに
 ほのかな光が。

「うんッ、うんッ!!」
「がるる!!」(←訳:名言だ!!)

 読了後、
 いつかホッコリ思い出すまもしれない
 知恵の言葉たち。

 ぜひ、一読を♪



 
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建築、100モデル!

2017-01-12 22:17:51 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでス!
 みゃぎゅッ! あしたはァッ!」
「がるる!ぐるるがるっ!」(←訳:虎です!13日の金曜っ!)

 こんにちは、ネーさです。
 2017年に“13日の金曜日”があるのは、
 1月と10月、ですね。
 季節柄、要注意なのは路面の凍結とノロとインフルでしょうか。
 その点をココロに刻んで、
 さあ、本日の読書タイムは、こちらを、どうぞ~♪
 
  



      ―― 死ぬまでに見ておくべき100の建築 ――



 編者はカーサ・ブルータス編集部の皆さん、2016年11月に発行されました。
 『WORLD'S BEST ARCHITECTURE』と英語題名が付されたこの御本は、
 雑誌『CASA BRUTUS』に掲載された
 《死ぬまでに見ておくべき100の建築(2013年8月号)》
 《画家マーク・ロスコが作った祈りの空間(2013年11月号)》
 《テート・モダンの新館が誕生!(2016年8月号)》
 等の記事をもとに再編集・書籍化したものです。

「かーさァぶるぅゥーたすゥ!」
「ぐるぅるるがるぐるる~!」(←訳:オシャレな雑誌だよね~!)
「ねこむらさんもォ、いるしィ!」

 えー、ほしよりこさん著の人気マンガ『カーサの猫村さん』は
 この御本には載っていません。
 ですから、猫村さんの活躍に

  ひゃあ!すごっ!

 と感心感激することはないんですけど、
 別の意味で、

  うわあ……マジか……!

 と驚嘆呆然とすること頻りの一冊です。

 そもそも、御本の表紙になっている
 オモチャみたいな建築物がオモチャじゃなくて、
 れっきとした美術館であるってことが、
 もう笑っちゃうほどの衝撃!

「ぶらじるゥ、なのでス!」
「がるるるぐるがるる!」(←訳:ニテロイ現代美術館!)

 リオの絶景海岸線が一望できるという
 この美術館を皮切りに、
 住宅、庭園・公園、
 建築移籍、ワイナリー、
 劇場、美術館・博物館、
 ホテル・旅館など、
 ジャンルごとに紹介されているのは、
 多くが19~20世紀に設計施工された
 近代・現代の建築です。

 古代ローマの時代にハドリアヌス帝が造った
 ヴィッラ・アドリアーナや、
 カッパドキア遺跡、
 千利休さんデザインの待庵なども
 ちょっとだけ出てきたりするのですが、
 やはり、どうしても目立ってしまうのは、
 フランク・ロイド・ライトさんと
 ル・コルビュジェさん、
 20世紀のふたりの巨匠さんの作品でしょうか。

 ライトさんとル・コルビュジェさん、
 おふたりの作品が在って、
 現代建築の“ルールブック”が出来上がった、
 とでもいうように。

「ふしぎなァ、かたちもォ~」
「ぐるるがるる~」(←訳:斬新な素材も~)
「ぷッくりィ、たんじょうゥ!」

 建築好きさんを、
 アート好きさんを惹きつける、
 白い礼拝堂、
 岩の上に建つ山荘。

 また、7人の写真家さんによる
 『心奪われた建築』の写真は、
 写真好きさんの必見のページです。

「へんてこなのもッォ~」
「がるるぅ!」(←訳:あるねぇ!)

 ジョージア(旧国名はグルジア)に、
 なぜかヘンテコ、いえ、パンクな形の建物が
 雨後の筍さながらに出現!

 橋が、ドライブインが、
 国会議事堂やコンサートホールが、
 エアライこっちゃになってる??

「あめいじんぐゥ!」
「ぐるぅ?」(←訳:悪夢ぅ?)

 ルールブックと、
 その応用形。

 まさかオリンピック後の東京も
 こんな風になったり……しないとは思うんですが、
 目を丸くしたり、
 ぷふふっと笑いたくなったり、
 内部を見たい!と切望したりもする
 オンリーワンな建築のガイドブック、
 おすすめですよ~!
 ぜひ、一読してみてくださいね♪
 
 
 
 
 
 
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