goo blog サービス終了のお知らせ 

テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

守ろう《アンダーショー》!

2017-01-16 22:20:41 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 こッ、こおッちゃッたでスゥ!」
「がるる!ぐるるるる!」(←訳:虎です!ガリガリに!)

 こんにちは、ネーさです。
 今朝、窓ガラスの結露を拭き取ろうとしたら……
 バリバリガリッ!
 なんと、結露どころか結氷!
 と、こんな風に気温は冷え切っておりますけれど、
 読書タイムは熱~く行きましょう。
 さあ、本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪
 
  



   ―― シャーロック・ホームズ アンダーショーの冒険 ――



 編者はデイヴィッド・マーカムさん、
 原著は2015年と2016年に、画像の日本語版は2016年12月に発行されました。
 英語原題は『The MX Book of New Sherlock Holmes Stories』、
 前回記事ではホームズさん関係のノンフィクション作品を御紹介いたしましたが、
 こちらはフィクション作品ですよ。

「ふぃくしょんッ? ということはァ~…」
「ぐるっ??」(←訳:贋作っ??)

 編者のマーカムさんは
 ホームズさんを主人公にした贋作(パスティーシュ)の書き手として、
 また、コレクターとしても知られる米国人さんです。

 そんな筋金入りの“ホームズマニア”さんが
 この御本の編集に携わったのには、
 もちろん、
 ホームズさん絡みの、
 特別な事情がありました。それは――

  《アンダーショーを救え!》

「ふァ?? たすけるゥ??」
「がるる?ぐる?」(←訳:何から?何を?)

 そもそも、《アンダーショー(Undershaw)》とは。

 アーサー・コナン・ドイル卿が暮らした御屋敷なのです。

「おおォー!」
「ぐるー!」

 名作『バスカヴィル家の犬』を始め、
 数々のホームズさんの作品を執筆していた頃、
 コナン・ドイルさんが住んでいたのが
 《アンダーショー》と呼ばれる御屋敷でした。

 しかし、時は流れ、
 ドイル家の所有ではなくなった《アンダーショー》は荒廃し、
 取り壊しの危機に瀕していたのです。

「ならばァ、たちあがろうゥ!」
「がるぅーるっるるるる!」(←訳:全シャーロッキアンよ!)

 《アンダーショー》修復の資金に充てるため、
 編者マーカムさんは一計を案じました。

   新たな“ホームズ譚”を刊行して、
   その印税で資金作りしたらどうだろう?

 そして、その志に賛同する
 プロ&アマの書き手さんたちが
 マーカムさんのもとに作品を寄せたのです。

「そッ、それでェ、どいるさんのォ、おうちはッ?」
「ぐるがっるる??」(←訳:どうなったの??)

 安心してちょうだい、
 《アンダーショー保存トラスト》に印税が寄付され、
 御屋敷は往時の姿を取り戻しました♪
 2016年9月、
 学習障害のある子供たちのための学校として
 オープンしたのだそうよ。

「ぱちぱちぱちィ!」
「がっるる!」(←訳:やったね!)

 この御本には、
 《アンダーショー》救出作戦に参加した作品の中から
 短編小説10篇が収録されています。

 第一部では邂逅して間もない頃、
 第二部では探偵フル稼働期、
 第三部では円熟期の
 ホームズさんとワトソン博士の物語が、
 敬愛を込めてそれぞれに描かれていますよ。

「ふむふむッ? おすすめはァ?」
「ぐるがるる?」(←訳:どれですか?)

 私ネーさのおすすめは、
 第一部に収められている
 デニス・O・スミスさん著『沼地の宿屋の冒険』。

 或る夫婦さんが、
 数か月前に新婚旅行で宿泊した宿屋を再訪し、
 宿帳のページを
 何とはなしに捲ったら……

 おや?
 私たちの名前が、ない?

 6月に、確かにここに泊まったのに!
 ふたりの名前を書いたのに!

 なぜだ?

「それはッ、もうッ!」
「がるぐるるぅ!」(←訳:相談しなきゃ!)
「ほーむずさんにィ!」

 21世紀の今も、
 《聖典》へのリスペクトは増すばかり。
 さあ、日本のシャーロッキアンさんも、
 ぜひ、一読を~♪
 
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする