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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

甘さと苦さの、ザムザくん。

2017-01-08 22:15:25 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでッス!
 うきゅゥ!あしたがァ、しんぱいィでスゥ!」
「がるる!ぐるるるがるる!」(←訳:虎です!晴れるといいね!)

 こんにちは、ネーさです。
 晴れ着に装う予定の新成人さんたちのために、
 明日は良いお天気になりますように、と祈り、
 もう寒いのはイヤダ~とぼやきながら、
 さあ、読書タイムです♪
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!
 
  



           ―― 恋しくて ――



 編訳者は村上春樹さん、単行本は2013年に、
 画像の文庫版は2016年9月に発行されました。
 『Ten Selected Love Stories』と英語題名が付されています。

「あんそろじィー、なのでスよゥ!」
「ぐるるるがるぐる!」(←訳:10人の作者さん!)

 収録順に作家さん&作品名を御紹介いたしますと、

   マイリー・メロイさん著『愛し合う二人に代わって』

   デヴィッド・クレーンズさん著『テレサ』

   トバイアス・ウルフさん著『二人の少年と、一人の少女』

   ペーター・シュタムさん著『甘い夢を』

   ローレン・グロフさん著『L・デパードとアリエット――愛の物語』

   リュドミラ・ペトルシェフスカヤさん著『薄暗い運命』

   アリス・マンローさん著『ジャック・ランダ・ホテル』

   ジム・シェパードさん著『恋と水素』

   リチャード・フォードさん著『モントリオールの恋人』

   村上春樹さん著『恋するザムザ』

「あッ! むらかみィさんッ!」
「がるるぐる~!」(←訳:トリで登場~!)

 ええ、そうです。
 村上さんのファンの方々は既に御存知でしょうが、
 編訳者さんでもある村上さんの作品が、
 10作品目に!

 しかも村上さん、
 作品それぞれに
 【恋愛甘辛度】評価を付けちゃってます。

 ★の数で採点するその【甘苦度】によると、
 例えば、
 『愛し合う二人に代わって』は甘味★★★★/苦味★、
 『恋と水素』は甘味★★/苦味★★★、
 そして、
 『恋するザムザ』は甘味★★★/苦味★★と、
 御自身の作品も採点していますよ。

「ふァ~…あまくてェ~にがくてェ~…」
「ぐるるがるるぐるる~?」(←訳:グルメガイドみたい~?)

 ★ならぬ♡♥(←ハートマーク)が飛び交う恋愛小説10作品……
 なのですけれど、
 これは恋愛というよりSFかも?
 こっちは大河ロマン風?と
 風情も風合いも10人10色です。

 村上さんの作品『恋するザムザ』も、
 題名から察せられるように、
 カフカさん著『変身』をリスペクトした
 『変身・他日譚』。

 とはいえ、《プラハの春》が物語の背景になっているためか、
 緊迫感が濃く、
 それでいて希望の兆しもあり、
 私ネーさが読後に連想したのは、
 ミラン・クンデラさん著『存在の耐えられない軽さ』でした。

 映画にもなったクンデラさんの小説にも似て、
 村上さんのこの作品も
 とても視覚的……というか、
 読み手の脳裏に
 映像が浮かんできます。

 この後、
 ザムザさんはどうなるのか。
 彼の“恋人”の、
 プラハの街の、
 そして世界全体の運命は……?

「そうぞうりょくゥ、ふるかいてんッ!」
「がるぐるぅ!」(←訳:心配だなぁ!)

 『恋するザムザ』には
 『Samsa In love』と英題名が付されています。

 『ザムザ イン ラブ』という響きが
 なんとも美しく余韻を引く
 《恋》のものがたり10篇のアンソロジー、
 短編小説好きな活字マニアさんにおすすめですよ。
 私だったら/僕だったら
 甘味の★の数は…苦味の★の数は…と楽しく悩みながら、
 ぜひ、一読を♪
 

 
コメント
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