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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 脇役を超えた脇役たち ~

2017-01-30 22:11:50 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 げきとゥでしたでスッ!」
「がるる!ぐるるるるがぅるるーるる!」(←訳:虎です!おめでとうフェデラーさん!)

 こんにちは、ネーさです。
 怪我から立ち直ったフェデラーさんが全豪を制し、
 ユヴェントスもしっかり勝って、
 ああ運動神経が欲しい~と痛感した月曜日の読書タイムは、
 さあ、こちらのノンフィクション作品を、どうぞ~♪

  



         ―― 幕末ハードボイルド ――



 著者は伊藤春奈(いとう・はるな)さん、2016年12月に発行されました。
 『明治維新を支えた志士たちとアウトロー』と副題が付されています。

「れきしィのォ、わかれみちィ!」
「ぐるるがるるるぐる!」(←訳:近代の大転換点だね!)

 そうねえ、江戸の日本から、
 一挙に近代国家=明治の日本へと衣替えした転機、
 明治維新。

 それは世界史上でも稀に見る
 “平和的な政権交代”だったと
 評されることもありますが、
 著者・伊藤さんは、

   本当にそうなのか?

 と問いかけます。

 維新とは、
 勝海舟さんと西郷隆盛さんが中心になっての
 江戸無血開城に象徴されるように、
 内戦も内乱もない
 《禅譲》であったのか、というと。

「そうでもォないィ??」
「がるぐる!」(←訳:騒乱多し!)

 多摩っ子の私たちは、
 新選組には親近感を抱いていますし、
 小説や映画・ドラマで有名になった浪士組、
 彼らと対峙した薩長側の剣客さんに
 共鳴する活字マニアさんもおられることでしょう。

 けれど、
 佐幕・倒幕両陣営の人々以外にも、
 維新に係わった人々はいたのです。

 歴史の輝かしい表舞台には出てこない、
 いえ、出てこられない人たちが。

「わけありィ、でスねッ!」
「ぐるっるる?」(←訳:ワケって何?)

 表舞台に出てこれない、その理由とは、
 次の一言に尽きます。

 アウトロー。

 アウトサイダーではありません。
 反社会的勢力、という、
 現代的な呼び方をすることも可能でしょうか。

 当時の最も有名なアウトローとして挙げられるのは、
 清水次郎長さん。

 幕末の侠客、
 自ら博徒と名乗った次郎長さんですけれど、
 他にもいたのです。

 新選組のゆくところ、
 倒幕を唱える志士たちのゆくところに、
 秘かに力を貸し、
 宿を提供し、
 資金・人材を融通するアウトローたちが。

「おおしごとォでス!」
「がるるぐるる!」(←訳:危険と隣合せ!)

 どの場所で、
 どんなタイミングで、
 アウトローたちが維新の流れに加わったか。

 著者・伊藤さんは丁寧に、
 アウトローたちの仕事ぶりをリサーチしてゆきます。

「むむッ! あッちにもォこッちにもォ?」
「ぐるるがっるる!」(←訳:痕跡がいっぱい!)

 はたして、彼らなくして
 維新は成功しただろうか――

 個人的には私ネーさ、
 官軍の接近に混乱する江戸市中で
 治安維持に奮闘したという
 火消の頭・辰五郎さんという人物に感じ入りました。
 明治の到来とともに消えていった“江戸の華”火消し……
 博徒とはまた別種の、アウトロー……。

「かげのォしゅやくゥ?」
「がるるぐるるがる!」(←訳:脇役を超えた脇役!)

 歴史好きな活字マニアさん、
 特に江戸~明治が好きだ!という御方に
 おすすめの労作です。
 ぜひ、一読を♪


 
コメント
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