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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― ゆっくりと、その地へ ―

2017-01-22 21:58:33 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでッスゥ!
 ふゥ! てのひらァがァ~」
「がるる!ぐるっるぅる!」(←訳:虎です!汗ぐっしょり!)

 こんにちは、ネーさです。
 全豪オープンのフェデラーさん×錦織くん戦を
 もう掌に汗握りながら見守りました……
 結果は(ああ~…)残念でしたけど、心よりの拍手を!

「けいィおにいさァ~んッ!」
「ぐるるるるっるがる!」(←訳:素晴らしかったです!)

 激闘の余韻に浸りつつ、
 さあ、ここからは読書タイムですよ。
 本日は、こちらのアートな御本を、どうぞ~♪
 
  



        ―― 芸術家の愛した家 ――



 著者は池上英洋(いけがみ・ひでひろ)さん、2016年12月に発行されました。
 『House loved by artist』と英語題名が、
 『巨匠のルーツから読み解く 美術入門』と日本語副題が付されています。

「むゥ? たまごッ??」
「がるる?」(←訳:卵だね?)

 御本の表紙になっている写真の、
 中央に写っているのは。

 タマゴですとも、ええ。

 コラージュや加工ではありません、
 建物の屋根の上に、
 本当にタマゴが、
 正確に言うと
 “タマゴ型のオブジェ”が載っちゃっているのです。

「こんなことォ、するのはァ~…」
「ぐるるる!」(←訳:あの人だ!)

 スペインとフランスの国境近くのリゾート地、
 カダケスの海岸に建っているのは、
 サルバドール・ダリさんの別荘、というよりも、
 《作品》です。

 漁師さんの家4棟を買い取り、
 延々と改築を続けながら、
 愛妻ガラさんと暮らし、
 創作の場でもあった《卵の家》。

 内部の調度品もちょっとヒネクレていて
 ダリさんのセンスが窺えますね。

「おにわがァ、きれいィでス!」
「がるるっるる!」(←訳:地中海っぽい!)

 この御本には、ダリさんの家を先頭に、

 藤田嗣治さんの家、
 セザンヌさんの家、
 ルノワールさんの家、
 ロートレックさんの家、
 ギュスターヴ・モローさんの家、
 ミレーさんの家、
 ミケランジェロさんの家、
 ルーベンスさんの家、
 ラファエロさんの家、
 エル・グレコさんの家、
 ドラクロワさんの家、
 ウィリアム・モリスさんの家、
 クロード・モネさんの家、
 ゴッホさんの宿、
 レンブラントさんの家、
 ルネ・マグリットさんの家

 を撮影した写真が収録されています。

 生まれた家や、長く住んだ家が300年400年と保存され、
 現在は美術館として公開されている、なんて、
 “紙と木の家”文化の日本では……

「ほぼォ、ありえないィ~!」
「ぐるるー!」(←訳:羨ましー!)

 ただ、一ヶ所、
 上記のリストでハッとさせられるのは。

 ゴッホさんの宿、でしょうか。

「おうちィ、なかッたのでスねェ~…」
「がるる^…」(←訳:寂しい~…)

 ルノワールさん、モネさん、藤田さんたちが
 終の棲家というべき場所を見出し、
 アトリエを構えたのに対し、
 ゴッホさんに家は無かった――

 まあね、ゴーギャンさんやカラヴァッジョさんも
 家を持たなかったと言えば言えますけど、
 セザンヌさんの立派なアトリエの写真を
 目にしてしまった後ではね、
 溜め息つきたくなっちゃいますねぇ……。

「ふうゥ~…」
「ぐる~…」

 嘆息と羨望と旅心を誘う写真は美しく、
 著者・池上さんによるコラム&解説の文章には
 心遣いと優しさ、
 画家さんたちへの敬愛の想いが溢れています。

 ここが出発点。
 ここが通過点。
 ここが、ついに行き着いた場所。
 それぞれの《家》。

 アート好きな御方、写真好きな活字マニアさんに
 おすすめの一冊ですよ。
 書店さんのアート本コーナーで、
 ぜひ、手に取ってみてくださいね♪

 
コメント
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