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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― ガラスに咲く色 ―

2017-01-11 22:04:02 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 くうきィ、かんそうゥしてまスよゥ!」
「がるる!ぐるるがるぐる!」(←訳:虎です!加湿器フル稼働!)

 こんにちは、ネーさです。
 風邪予防のためにも、と
 加湿器のミストが朝からモクモクモク……
 こうしている今もモクモクシュワシュワに包まれながら、
 さあ、週の半ばの本日は読書をサボり、
 展覧会情報を、どうぞ~♪

  



           ―― ガラス絵 ―― 



 東京都府中市の府中市美術館にて、
 会期は2016年12月23日~2017年2月26日(月曜休館)、
 『幻惑の200年史』と副題が付されています。

「がらすえッ??」
「ぐるがる!」(←訳:レアだね!)

 ガラス絵の歴史は中世ヨーロッパの宗教画に始まる、と言われています。

 透明なガラス板の裏面に絵を描いて、
 表面の側から鑑賞する――

 日本では、
 江戸時代中期の長崎にまず伝わり、
 大正~昭和の初期を中心に
 多数のガラス絵が制作されたのだそうよ。

  

 ↑こちらは、一枚目とは別デザインの展覧会チラシですが、
 ガラス絵特有の、“強い”色使いが印象的ですね。

「はッきりィ、くッきりィ!」
「がるぐる~!」(←訳:色が濃い~!)

  

 この展覧会には、
 江戸時代の作品をはじめ、
 洋画家の小出楢重(こいで・ならしげ)さん、
 版画家であり詩人としても知られる川上澄夫さん、
 デザインや民芸の分野でも活躍した芹沢銈介さん、
 そして藤田嗣治さん他
 近代&現代のアーティストさんの作品約130点が
 出展されます。

 通常の絵画に比べ、
 絵の具を重ねる順番を逆にして描いてゆくため、
 画家さんの技術力、
 計算力もが試されるという
 ガラス絵の世界――

「そッ、それはァ~…!」
「ぐるる!」(←訳:怖いぞ!)

 アート好きさんは、ぜひ、お出掛けを♪

 
 
 

    はい、ここからは、季節のオマケ画像も!
   
   「わほッ!ころころッ♪」
   
   「がぅるるぐる!」(←訳:チョコのポン!)
   バレンタインのショコラ戦線が近付く1月は、
   ミスドさんのドーナツもこうなりました。
   「おいしィ~!」
   「ぐるがる!」(←訳:食感良好!)
   ショコラだぁ~い好き!
   チョコレートは毎日の必需品です!なショコラマニアさんは、
   今日1月11日発売の『anan』最新号を
   本屋さんで探してみてくださいね。
   ショコラの特集が組まれていますよ~♪♪
   
   
   
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100年経っても、光は褪せず。

2017-01-10 22:27:01 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ぷふゥ! きのうはァ、びッくりィでしたッ!」
「がるる!ぐるる~!」(←訳:虎です!金ピカ~!)

 こんにちは、ネーさです。
 成人式があった昨日のこと、
 私たちの目を射たのは……金糸銀糸の羽織袴のおにいさんたち!
 演歌歌手さん用ステージ衣装かしら?っていうくらい、
 極めつけに派手ハデだったわね。
 でも、本日の読書タイムは地味です。
 地味で、堅実で、正統派なミステリ作品を御紹介しますよ。
 さあ、こちらを、どうぞ~♪
 
  



           ―― オシリスの眼 ――



 著者はR・オースチン・フリーマンさん、原著は1911年に、
 画像の日本語版は2016年11月に発行されました。
 英語原題は『THE EYE OF OSIRIS』、
 実に原著発行から百余年を経て初めて完訳された“探偵小説”です。

「ひゃッくね~んッ!」
「ぐるる!」(←訳:長寿だ!)

 刊行から百年経てもなお、
 塵と化すでもなく、
 忘れられもしなかったのには
 理由があります。

 この御本で探偵役を務めている、
 ソーンダイクさんというキャラクターが
 21世紀の現代でも立派に通用する人物/人格に
 描かれている――
 これに尽きますね。

「むかしのォひとォ、なのにィ~」
「がるる!」(←訳:モダン!)

 前回記事では英国の児童小説の、
 『ピーター・パン』について触れました。

 ジェームズ・M・バリさん著
 『ケンジントン公園のピーター・パン』は1906年に、
 続編の『ピーター・パンとウェンディ』は1911年に
 出版されています。

 つまり、この『オシリスの眼』の世界は
 ピーター・パンの世界とカブっている訳なのですけれど、
 バリさんが人間の想像力に訴えて物語を紡いだのに対して、
 オースチンさんは理知――ロジックの力で
 《謎》という名の闇を切り裂いてゆきます。

「めいかいィなァ、ろんりィ!」
「ぐるるがる!」(←訳:証拠を重視!)

 余談になりますが、
 バリさんは推理小説が大好きで、
 あのコナン・ドイルさんとも親友だったのよ。
 必ずしもロジックを軽視したのではなかったんです。

 そして、
 ドイルさんの探偵であるシャーロック・ホームズさんと、
 フリーマンさんの探偵ソーンダイクさんは
 とてもよく似たタイプでした。

 ベースは法医学。
 証拠を科学的に分析。
 証人と証言。
 噂や伝聞を信じない。

「れいせいィでスゥ~!」
「がるぐる!」(←訳:公平だし!)

 物語の語り手、医師のバークリーさんは
 往診した患者さんの話に驚かされます。

 かつて新聞を騒がせた
 或る“失踪人”。

 煙のように忽然と消えて、
 いっこうに消息が知れないエジプト学者さん。

 患者さんはそのエジプト学者さんの弟であり、
 兄の失踪に苦しんでいることを
 バークリーさんに打ち明けます。

 兄はどこへ行ったのか、どうしているのか。
 生きているとはもはや思えず、
 かといって亡くなった証拠もない。
 しかし今、
 遺産を巡る係争が始まろうとしている……

「それはァ、ふくざつゥ!」
「ぐるぐるる!」(←訳:ゴタゴタだ!)

 バークリーさんは
 法医学者ソーンダイク博士を頼ります。

 医学校時代、
 法医学の講座を担当していたソーンダイク博士。
 彼ならこの難問も解いてくれるに違いない!

「ろじッく!」
「がるるる!」(←訳:理知の光!)

 百年前の作品ではありますが、
 訳者・渕上瘦平さんの素晴らしい訳文は
 読み手の私たちを馬車とドレスの時代へ
 軽々と連れて行ってくれます。

 理知が炙り出した《失踪》の全体像とは――?

 この長編作品がお気に召したら、
 短編集も刊行されていますので、
 どうか、そちらもぜひ一読を!
 
 
 
 
 
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なつかしの扉を。

2017-01-10 00:11:21 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 もふふッ! せいじんしきィ、おめでたやッ♪」
「がるる!ぐるがるるるる~!」(←訳:虎です!成人おめでとう~!)

 こんにちは、ネーさです。
 gooブログさんのトラブル?で遅くなっちゃいましたが、
 さあ、成人の日も元気に読書タ~イム!
 本日は、敢えてこちらの御本を、どうぞ~♪

  



       ―― 図説 英国ファンタジーの世界 ――



 著者は奥田実紀(おくだ・みき)さん、2016年11月に発行されました。
 はい、敢えて、です。
 日本でもよく読まれている海外の児童文学をテーマとする作品を、
 成人の日に御紹介いたしますよ。

「みんなァ、むかしはァこどもォでしたでス!」
「ぐっるがるるるぐる!」(←訳:きっと読んでたはず!)

 この御本で取り上げられているのは、
 メジャーなものから
 ちょっと通好みなものまで、
 主に英国を舞台とするファンタジー小説の傑作の数々です。

 物語の背景、
 作者さんの略歴、
 執筆の動機やきっかけ、
 お話の中で描かれていた場所は
 現在どうなっているか――

「ちゃんとォ、のこッてまスゥ!」
「がるるる!」(←訳:スゴイね!)

 御本の第一章を飾っているのは
 J・K・ローリングさん著《ハリー・ポッター》シリーズ。

 ちょうど今年、二十歳を迎えた方々は
 小学校の頃、
 夢中になって『ハリー・ポッターと賢者の石』を
 読んだのじゃないかしら。
 シリーズ第一作の『賢者の石』が
 英国で出版されたのは1997年のことでした。

 一方、およそ90年余を遡り、
 1906年に出版されたのは、
 第四章で取り上げられている
 『ケンジントン公園のピーター・パン』!

「あはァ! ぴーたーくんッ!」
「ぐるるがる!」(←訳:妖精の粉だ!)

 さらにぐんぐん時計の針を戻せば、
 1865年『不思議の国のアリス』が、
 1871年に『鏡の国のアリス』が刊行されています。
 
 第五章には著者ルイス・キャロルさんが暮らした
 オックスフォード大学と近郊の風景の写真が収録されていて、
 不思議な心地にさせられますね。

 19世紀半ばと現在と、
 ほとんど変わっていないような
 建物の形、川の流れ……。

「これからもォ、たぶんッ!」
「がるるるるる!」(←訳:変わりません!)

 私ネーさが特に感激したのは、
 第八章の『たのしい川べ』。

 ケネス・グレアムさんが著したこの御本、
 日本では《アリス》シリーズほど有名ではないんですけれど、
 1908年に刊行され、
 本国・英国はもちろん、
 ここ日本でも今なお着実に版を重ねている傑作です。

 著者・グレアムさんが作品を世に送り出した想い、
 物語を彩る英国の豊かな自然もしっかり取材されているこの章、
 かくれ《川べ》ファンの方々は必読ですよ♪

「ほかにもォ、いィ~ッぱいィ!」
「ぐぅるるるーるがる!」(←訳:ファンタジーの世界!)

 イーディス・ネスビットさん著『砂の妖精』、
 ルーシー・M・ボストンさん著《グリーン・ノウ》シリーズの世界へも
 著者・奥田さんは丁寧に案内してくださいます。

 なつかしくも輝かしい、
 ゆたかな物語の王国へ、
 成人さんも未成年さんも、
 皆さま揃って、ぜひ♪

 
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甘さと苦さの、ザムザくん。

2017-01-08 22:15:25 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでッス!
 うきゅゥ!あしたがァ、しんぱいィでスゥ!」
「がるる!ぐるるるがるる!」(←訳:虎です!晴れるといいね!)

 こんにちは、ネーさです。
 晴れ着に装う予定の新成人さんたちのために、
 明日は良いお天気になりますように、と祈り、
 もう寒いのはイヤダ~とぼやきながら、
 さあ、読書タイムです♪
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!
 
  



           ―― 恋しくて ――



 編訳者は村上春樹さん、単行本は2013年に、
 画像の文庫版は2016年9月に発行されました。
 『Ten Selected Love Stories』と英語題名が付されています。

「あんそろじィー、なのでスよゥ!」
「ぐるるるがるぐる!」(←訳:10人の作者さん!)

 収録順に作家さん&作品名を御紹介いたしますと、

   マイリー・メロイさん著『愛し合う二人に代わって』

   デヴィッド・クレーンズさん著『テレサ』

   トバイアス・ウルフさん著『二人の少年と、一人の少女』

   ペーター・シュタムさん著『甘い夢を』

   ローレン・グロフさん著『L・デパードとアリエット――愛の物語』

   リュドミラ・ペトルシェフスカヤさん著『薄暗い運命』

   アリス・マンローさん著『ジャック・ランダ・ホテル』

   ジム・シェパードさん著『恋と水素』

   リチャード・フォードさん著『モントリオールの恋人』

   村上春樹さん著『恋するザムザ』

「あッ! むらかみィさんッ!」
「がるるぐる~!」(←訳:トリで登場~!)

 ええ、そうです。
 村上さんのファンの方々は既に御存知でしょうが、
 編訳者さんでもある村上さんの作品が、
 10作品目に!

 しかも村上さん、
 作品それぞれに
 【恋愛甘辛度】評価を付けちゃってます。

 ★の数で採点するその【甘苦度】によると、
 例えば、
 『愛し合う二人に代わって』は甘味★★★★/苦味★、
 『恋と水素』は甘味★★/苦味★★★、
 そして、
 『恋するザムザ』は甘味★★★/苦味★★と、
 御自身の作品も採点していますよ。

「ふァ~…あまくてェ~にがくてェ~…」
「ぐるるがるるぐるる~?」(←訳:グルメガイドみたい~?)

 ★ならぬ♡♥(←ハートマーク)が飛び交う恋愛小説10作品……
 なのですけれど、
 これは恋愛というよりSFかも?
 こっちは大河ロマン風?と
 風情も風合いも10人10色です。

 村上さんの作品『恋するザムザ』も、
 題名から察せられるように、
 カフカさん著『変身』をリスペクトした
 『変身・他日譚』。

 とはいえ、《プラハの春》が物語の背景になっているためか、
 緊迫感が濃く、
 それでいて希望の兆しもあり、
 私ネーさが読後に連想したのは、
 ミラン・クンデラさん著『存在の耐えられない軽さ』でした。

 映画にもなったクンデラさんの小説にも似て、
 村上さんのこの作品も
 とても視覚的……というか、
 読み手の脳裏に
 映像が浮かんできます。

 この後、
 ザムザさんはどうなるのか。
 彼の“恋人”の、
 プラハの街の、
 そして世界全体の運命は……?

「そうぞうりょくゥ、ふるかいてんッ!」
「がるぐるぅ!」(←訳:心配だなぁ!)

 『恋するザムザ』には
 『Samsa In love』と英題名が付されています。

 『ザムザ イン ラブ』という響きが
 なんとも美しく余韻を引く
 《恋》のものがたり10篇のアンソロジー、
 短編小説好きな活字マニアさんにおすすめですよ。
 私だったら/僕だったら
 甘味の★の数は…苦味の★の数は…と楽しく悩みながら、
 ぜひ、一読を♪
 

 
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《福々》のトーハク♪

2017-01-07 21:53:05 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 おかゆゥ、おかわりィ~♪」
「がるる!ぐるがるがる!」(←訳:虎です!七草パクパク!)

 こんにちは、ネーさです。
 七草粥で温まったお腹をさすりながら、
 2017年最初の週末は、
 さあ、新春の福々しい展覧会情報を、どうぞ~♪
 
  



          ―― 博物館に初もうで ――



 東京・上野の東京国立博物館にて、
 会期は2017年1月2日~1月29日(月曜休館、ただし1/9は開館し1/10は休館)、
 『New Year's celebration at the Tokyo National Museum』
 と英語題名が付されています。

「こくほうゥ、どーんッ!」
「ぐるがるるーる!」(←訳:出展されまーす!)

  

 お正月の東京国立博物館ことトーハクでは、
 名品の特別公開や、
 2017年の干支『酉』にまつわる作品の特集、
 富士山や鶴を主題にした作品が展示されます。

 特に、1月15日までの期間限定で公開される、

   長谷川等伯さんの『松林図屏風』(国宝)

   古今和歌集(元永本)上帖(国宝)

   扇面法華経冊子(せんめんほけきょうさっし)(国宝)

 の3作品は名品中の名品です!

「ごくじょうゥのォ~」
「がーるるる!」(←訳:アート初め!)

 観覧料金は一般¥620、大学生¥410、
 高校生以下および18歳以下&満70歳以上の御方は無料
 (入館時に年齢の分かるものをご提示くださいね)と、
 とってもオトクな展覧会です。

 等伯さんの『松林図屏風』をまだ見たことがない方々は、
 この機会に、ぜひ、お出掛けを~♪
 



    では、ここで2017年お初のオマケ画像も、どうぞっ!
   
    「あッ!ふくぶくろォ!」
    「ぐるっ!」(←訳:来たっ!)
    はいはい、元旦にネットの初売りで
    スイスのショコラブランド『リンツ』さんの福袋を
    幸いにも確保しました♪
    本日到着したその中身を
    ここでお見せしちゃいましょう~!
   
    ↑『リンドール・コルネットアソート』¥1620  
   
    ↑『リンドール・ミニボールアソート』(お値段不明)
   
    ↑『スイスシン・ダーク』¥1296
   
    ↑『エクセレンス70%カカオ』¥572
   
    ↑『エクセレンス・カシス』¥572
   
    ↑『クリエーション ムースホワイト』¥745
    以上の御品が保冷バッグに入っていて、
    ¥3000(税込・送料は別途¥500)でした。
   
   「しょこらッ、やまもりィ!」
   「がるぐるる!」(←訳:皆で食べよ!)
    当分おやつのショコラには不足しませんね。

    では皆さま、お正月明けの身体を労りつつ、
    どうか穏やかな連休を♪



   
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美味しいモノは、旅のどこに。

2017-01-06 22:10:18 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでスゥ!
 ふゥ! おかゆがァ、まちどおしィ~!」
「がるる!ぐるるがるる!」(←訳:虎です!明日は七草粥!)

 こんにちは、ネーさです。
 明日7日は七草粥、という今日のこと、
 私ネーさは初詣にお出掛けしてまいりました。
 おかげさまで気持ちも晴れ晴れしたところで、
 さあ、本日の読書タイムは、こちらを、どうぞ~♪
 
  



      ―― 夫婦で行く意外とおいしいイギリス ――



 著者は清水義範(しみず・よしのり)さん、2016年8月に発行されました。
 前回記事では旅行記を兼ねた文化論ともいうべき
 ノンフィクション作品を御紹介いたしましたが、
 こちらは、純粋な《旅行》ジャンルの作品です。

「えげれすゥ~!」
「ぐるがるぐる!」(←訳:英国紀行だね!)

 故郷の名古屋弁を駆使したユーモア歴史小説、
 ミステリ、SF、ジュブナイル、エッセイ……と
 多彩な著作が人気の作家・清水義範さん。

 私ネーさも大々ファンの清水さんは、
 旅行記の書き手さんとしても卓越した筆力を発揮しています。

 アジア、イスラムの国々、
 バルカンの国々、イタリアなど、
 旅した国の記録を旅行記にしておられるんですけど、
 これが、
 “清水さんならでは”の視点がきらきら光っているんですよ。

「はでじゃァなのにィ!」
「がるるぐるるぅがる!」(←訳:プラスアルファあり!)

 清水さんが奥さんとともに参加するのは、
 旅行会社が主催するツアー。

 パンフレットや広告に、

 《スペイン10日間・春の旅!》
 《ワイン産地を巡るフランス8日間!》

 といった題名で案内されている、
 ガイドさんもしくは添乗員さんの解説付きの
 パッケージツアーです。

 ええ? パックツアーなんてツマラナイんじゃないの?
 
 なぁんて思う御方は、
 その先入観、清水さんに粉砕してもらっちゃいましょう♪

「ほんきのォ、たびィはァ~!」
「ぐるるがるる!」(←訳:好奇心MAX!)

 2014年のこと、
 そもそもは
 《ハプスブルク家ゆかりの宮殿めぐりツアー》
 を申し込んでいた清水夫妻でしたが、
 旅行会社の都合により、
 ツアーはキャンセルになってしまいました……

 代わりに見つけたのが、
 《英国物語15日間》。

 日本を発ち、
 乗り継ぎしてエジンバラにin、
 エジンバラから、セント・アンデリューズ、インヴァネス、
 ネス湖、グラスゴー、湖水地方、
 コッツウォルズ、バースにストーンヘンジ、と南下して
 最後はロンドンoutで帰国、という旅程です。

「けッこうゥ、ながいィでス!」
「がるぐる!」(←訳:ほぼ半月!)

 この旅の過程を、
 清水さんは細密に書き綴ります。

 スコットランドから南へ、
 イングランドへと向かうバス移動。
 観光した場所、
 そこでのガイドさんの説明、
 お食事のメニュー、
 そして、歴史/土地のデータを加えた、
 清水さん独自の観察。

「せんもんかじゃないィはずゥ、なのにィ!」
「ぐるるがる!」(←訳:分析力高し!)

 旅程が進むにつれ、
 私たち読み手も知らぬ間に
 自然と英国通になっている……のは、
 気のせいじゃありません。

 それに、『意外とおいしい』英国料理についても
 少しずつ詳しくなってゆく~♪

「どのまちもォ、それなりにッ」
「がるるる?」(←訳:美味しい?)

 美味しくないと評判の、
 英国の食べものの、味わいのうそまこと。

 春に卒業旅行を予定している方々、
 もちろん英国好きな方々も、
 のんびり&スペクタクルな旅日記を
 ぜひ、お楽しみくださいね。
 
 
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どこかに「ハピネス」?

2017-01-05 22:09:34 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 おみくじィのォ、けッかはァ~…?」
「がるる!ぐるるがるる!」(←訳:虎です!吉だといいな!)

 こんにちは、ネーさです。
 前回記事に続く2017年読書タイムの第2回は、
 ノンフィクションのジャンルから、
 ↓こちらの御本に登場いただきましょう。
 さあ、どうぞ~♪
 
  



        ―― 限りなく完璧に近い人々 ――



 著者はマイケル・ブースさん、原著は2014年に、
 日本語版は2016年9月に発行されました。
 英語原題は『The Almost Nearly Perfect People』、
 『なぜ北欧の暮らしは世界一幸せなのか?』と日本語副題が付されています。

「せかいいちィ~しあわせッ?」
「ぐるるがる?」(←訳:毎日が大吉?)

 世界一幸せ――
 つまり《人類で最も幸福な国民》に選ばれたのは、
 ええ、そう、
 あなたの目の前にいる彼らです!

 というニュースに接して、
 今日はエイプリルフールだったっけ?と
 信憑性を疑ってしまったのは
 『英国一家、日本を食べる』シリーズで
 すっかり日本の活字マニア諸氏にお馴染みとなった
 英国人ジャーナリストのマイケル・ブースさん。

 しかし、
 その日はエイプリル・フールではありませんでした。

 ブースさん、当惑しつつ目の前の人々――
 コペンハーゲンの街を行き交う
 老若男女を眺めます。

「こぺんはーげんッ?ッていうとォ~…」
「がるるーるる!」(←訳:デンマークだ!)

 デンマークの国民が世界一幸せ?

 ブースさんの頭脳はたちまち「?」でいっぱいになります。

 暗くて雨が多くて退屈で平坦、
 世界一税金が高くて、
 食品の質は低いのに途方もなく高価な国の、
 無愛想で面白みに欠けるこの人たちが
 世界一幸福だって??

 いえ、ブースさんは
 別にデンマークをディスろうというのじゃないんです。
 
 デンマークはブースさんにとって第2の故郷。
 妻のリスンさんの母国であり、
 現在の居住地でなのですから、
 愛情を感じているのです、が。

 それにしても、ねえ……

「しょッくゥ、だッたのでスねッ!」
「ぐるるるがるる!」(←訳:余りにも予想外!)

 ここでブースさんのジャーナリストとしての本能が
 疼き出します。

 世界が賞賛し、羨望する
 デンマークの幸福度。

 そのデンマークを含む
 スカンジナビア諸国の人々の本当の暮らしぶりを、
 自分の眼で確かめてみようじゃないか。

「またァ、しゅざいィりょこうゥでスかァ~」
「がるぅ~」(←訳:旅かぁ~)

 地元デンマーク、
 ノルウェーの北極圏の極寒の海、
 アイスランドの恐ろしい間欠泉、
 スウェ-デンの悪評高い暗黒地帯、
 サンタクロースの洞窟に、
 レゴランド。

 日本の名物銘菓を食べ漁った勢いそのまま、
 ブースさんは取材に突撃します。

 報道や統計が示す通り、
 世界一幸せな人々なのだろうか、彼らは……?

「かんぺきなァ、ひとたちィ?」
「ぐるがるる?」(←訳:いるのかな?)

 探索の果ての真実以上におもしろ、いえ、興味深いのは、
 英国人らしい諧謔とユーモアに満ちた
 ブースさんの語り口です。

 広大なスカンジナビア圏を巡る
 ちょっと珍道中っぽい調査の旅は、
 そうね、モンティ・パイソン好きな方々には
 愉しめることでしょう。

「しあわせァさがしのォ♪」
「がるぐる!」(←訳:右往左往~!)

 一年の吉を願って初詣を済ませた御方も、
 まだという御方も、
 ぜひ、一読を♪

 

 
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岐路、また岐路。

2017-01-04 22:16:29 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ふァいッ! はじまりまスよゥ~♪」
「がるる!ぐるる~!」(←訳:虎です!今年初~!)

 こんにちは、ネーさです。
 は~い、始めましょうね、
 2017年第一回目の読書タイム!
 本日は、こちらの小説作品を、どうぞ~♪

  



         ―― 分かれ道ノストラダムス ――



 著者は深緑野分(ふかみどり・のわき)さん、2016年9月に発行されました。
 2015年、『戦場のコックたち』で大反響を得た著者・深緑さんが
 2016年に刊行したこの御本は……青春冒険サスペンス?

「さすぺんすゥなのにィ~…??」
「ぐるがる?」(←訳:青春小説?)
「それにィ、のすとらだむすゥさんッてェ~」
「がるるぐるるがるぅ?」(←訳:有名な予言者でしょ?)

 そうねぇ、題名に『ノストラダムス』という単語があるだけで、
 多くの方は
 何がしかの先入観を持ってしまうかもしれません。
 オカルトチックな予言と
 青春小説がどう結びつくのか、と。

 ただ、1999年の時点で小学生以上の年齢だった方々は
 うっすらとではあれ、
 記憶しているのじゃないかしら。

   1999年の7月、
   世界が滅びる――

 中世フランスの予言者ノストラダムスが残したその言葉が
 TVや雑誌で盛んに取り上げられ、
 不安な思いを抱いたことを。

 あの当時の空気を。

 もしかしたら何かが起こるのでは……
 
「しょうたいィふめいのォ~…」
「ぐる!」(←訳:怖さ!)

 おそらく、この御本の“主役”は、
 そういった漠然とした怖さ、焦燥感だともいえましょうか。

 《予言》の影響で世の中が落ち着きをなくしている
 1999年の夏――

 高校一年生の日高あさぎさんは
 おおきな後悔に囚われています。

 仲良しの友人が、
 いえ、この上なく大切に思っていた人が
 亡くなってからもう3年。

 なのに、忘れることが出来ません。

 逆に、もしあの時ああしていたら、
 こうしていたら、と
 後悔が増すばかり。

「ふァ~…」
「がる~…」

 友人の遺品を手にしたことがまた、
 あさぎさんの後悔を加速させます。

 どこかにあったはずだ、
 友人を救えるタイミングが。
 
 その機会を逃さなければ、
 友人はいまもここに、私の隣りに……

「そッ、それはァ~」
「ぐるるがる!」(←訳:危ないです!)

 人生のどこかに転がっていたタイミング、
 生と死を分かつ岐路。

 あさぎさんは本気で考え始めます。

 岐路は、分かれ道は、どこにあった?
 どうすれば友人を救えた?

 思い余って、
 同級生に相談をしたところから
 あさぎさんの身に少しずつ
 不思議な出来事が……?

「むむッ!べつのいみィでッ!」
「がるる~!」(←訳:危ない~!)

 ミステリの要素も強い物語ですので、
 ネタバレ防止のため詳しくは記せませんが、
 或る名作SF作品へのオマージュが
 ストーリーのあちこちに織り込まれています。

 賢いけれどどこか謎めいた同級生。
 平行世界。
 ラベンダーの香りと、
 地名のイメージ……。

「あッ! もしかしてッ?」
「ぐるがる?」(←訳:あのお話?)

 良くも悪くも期待と予想をくるっと覆す、
 《夏の思い出》を描いたものがたり。

 あさぎさんの探す《分かれ道》は、
 どこにあったのか――どこにもなかったのか?

 SF好きさんもミステり好きさんも、
 ぜひ、一読してみてくださいね~♪
 

 
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2017!新春特別企画♪《連名の依頼人》その5・オマケ編!

2017-01-03 22:01:10 | 2017!新春特別企...
「こんにちわァ、テディちゃでス!
 あけましておめでとうなのでスゥ~!」
「がるる!ぐる!」(←訳:虎です!迎春!)
「ユキノジョンです!めでたや~♪」

 こんにちは、ネーさです。
 2017年の初めから、またまたやらかしてしまいました。
 おフザケ企画に付き合って下さった皆さま、
 ありがとうございます。

 マイクマフトお兄ちゃん、酉くんも、
 体当たりの出演、ありがとう!
 そこで今回は、
 新春特別企画と新春展覧会情報のコラボ編を
 ふたりに仕切っていただきましょう。
 
「うぉほほ♪ やってやるわい!
 皆々さま、こちらを御覧あれ~!」
「コケプッ!」
 
  



         ―― 川瀬巴水 展 ――



 東京都立川市の立川髙島屋8F催事場にて、
 会期は2017年1月2日~1月16日(会期中は無休)、
 『生前の旅を40年 永久に旅立ち60年=旅百年』と副題が付されています。

「そうなんじゃ!
 没後60年の記念展なのだぞよ!」
「コココゥ~!」

 川瀬巴水(かわせ・はすい)さん(1883~1957)は
 日本画家・鏑木清方さんのもとに入門した後、
 伊東深水さんの版画『近江八景』に影響され、
 版画家の道を志した御方です。

「世界的に人気なのだ!」
「コケコ!」

 ええ、そうですね。
 アップル創設者スティーブ・ジョブズさんが
 巴水さんの作品を収集していたのは有名なお話です。

 では、新春にふさわしい巴水さんの名作を
 ネーさ所有のポストカードから、はい、どうぞ♪
 
  「これはァ、はるでス!」
  
  ↑『上野清水堂』(1928)ですね。

  「ぐるるる!」(←訳:これは夏!)
  
  ↑『芝弁天池』(1929)ですよ。

  「イチョウのあき!」
  
  ↑『鶴岡八幡宮』(1931)には、
  いまはもうなくなってしまった銀杏の大樹が……!

  「これは冬じゃ!ぶるるっ!」
  「コケコゥ!」
  
  ↑『社頭の雪』(1939)は井の頭弁天を描いたものです。

 私ネーさ、この展覧会にお出掛けしてまいりましたが、
 巴水さんの図録は既に持っていますので、
 ポストカードを買い集めてみました。

 展覧会会場の出口付近のグッズショップは
 誰でも入店可能です
 (展覧会に入場しなくてもOKなオープンスペースです)。
 ショップでは、額装された巴水さんの版画、
 クリアファイルなどのステーショナリー、
 そしてポストカードも販売されていて、
 ここを覗いてみるだけでも
 初春の“日本の美”を楽しめます。

「立川に行ったらば、ぜひ観賞なされい!」
「ココケピ~!」
 
 
  

  2017年の春夏秋冬も
  テディちゃ&虎くん&ネーさは読書に雑話にガンバります。
  活字マニアの皆々さま、
  よろしくお願いいたしますね~♪


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2017!新春特別企画♪《連名の依頼人》その4!

2017-01-02 22:21:02 | 2017!新春特別企...
 さあ、御話の第四回が始まりますよ。
 真夜中にさしかかったロンドンの街角では、
 一瞬の静寂ののち……

「ちッ、バレたか!」 

  

 もじゃもじゃヒゲの不審者が舌打ちいたします。
 その声に、ああやっぱり、と頷きましたのは、
 名探偵テディちゃムズ、
 ユキノジョン・H・ワトソン博士と
 虎くんのトリオでした。

「おにぃちゃんッてばァ、もうゥ!
 なにをォしてるのッ、こんなところでッ?」

 大勢の依頼人さんたちが
 なくてはならない政府の要・マイクマフト氏を
 必死こいて探しまくってるのに!
 とテディちゃムズはダメ出ししますが、
 マイクマフト氏、
 涼しい顔をして言うには。

「だって、これだもん!」

 ポコっ!
 
  

「えッ?」
「ええっ?」
「がるるっ?」

 マイクマフトお兄ちゃんがピヨコを産み落としたっ?

「違わーいっ!!」

 産み落としたんじゃなくて
 ヒゲの間に隠してただけだわいっ、と
 お兄ちゃんは怒り心頭です。

「このヒゲはMI6技術局のQが作った新型隠れ蓑だ!
 ここに隠せば、
 悪漢クマリアティ教授の魔手から、
 新しい年の幸運のシンボル・酉くんを
 護ることが出来る!」
 
  

 なぁるほど、犯罪界のナポレオンクマと噂に高い、
 あのクマリアティ教授の一味が
 酉くんを狙っていたんですね?

「コケコっ♪」

  

「その通り!
 ワシは教授のデラしつこい追跡をかわすため、
 あちこちの生垣や塀に穴をブチ開け、
 屋根の上を激走して煙突をヘシ折り、
 酔客に紛れて近付いてきた刺客に
 大樽いっぱいのギネスビールを浴びせ、
 植物園のチケット売り場では
 新春イベント用割引クーポン1000枚を巻き散らかして、
 ようやくここまでやって来たのだぞ!」

 ……えーと、それは、
 ずいぶんと傍迷惑な逃走劇だったに違いありませんけれど、
 まあ、とにかく、無事は無事であった、と。

「そうじゃ!
 逃げるは恥だが役に立ったわい!
 あれを聞けい!」

 ヒゲを毟り取ったマイクマフトお兄ちゃんに促され、
 皆で耳を澄ませてみれば。
 
  

 ゴォ~ン……

 年の変わりを世にしろしめす鐘の音の、
 最後の残響がゆっくりと、
 未明の空へ吸い込まれてゆきました。

 新しい年の始まりです。

「はっはっはっ!
 新年来たりなば、
 干支の酉くんのパワーは2倍3倍いやいや100万倍増しじゃ!
 いかなクマリアティ教授とて
 もう手は出せん!」

 テムズの川面にきらきらと反射する
 新年の陽の光。

 あたたかな陽光を肩に乗せ、
 名探偵テディちゃムズは
 疲れてグーグー眠ってしまった兄を背負い、
 ユキノジョン・H・ワトソン博士と虎くんは
 酉くんを案内しながら進みます。

 行く先は、ホワイトホールの首相官邸?
 それともクマッキンガム宮殿でしょうか?

「ちかいィほうにィしようッ!」
「うん、ちかいところがいいよ!」

 そうですね。
 遠いところではなく、すぐそこに。


 しあわせは、遠くではなく、近くにある、といいますから。



  ~その5!(え?あるの?)に続く~
 
 

  
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