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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

あのお店へ、ふたたび!

2017-01-29 22:06:28 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでスゥ!
 どちらがァ~ゆうしょうゥ??」
「がるる!ぐるるるるるぅ!」(←訳:虎です!分かんないよぉ!)

 こんにちは、ネーさです。
 いま現在、この記事を書いている時点では、
 ナダルさん対フェデラーさんの全豪テニス決勝戦、
 まだ決着がついていません。
 ハラハラドキドキしながらも、
 我らも負けずに読書タイム開始です。
 本日は、こちらの小説作品を、どうぞ~♪
 
  



        ―― 女王さまの夜食カフェ ――



 著者は古内一絵(ふるうち・かずえ)さん、2016年11月に発行されました。
 『マカン・マランふたたび』と副題が付されています。

「うみゅッ? まかんッまらんッ?」
「ぐるるるがるー!」(←訳:聞き憶えありー!)

 ええ、そうよね、
 《マカン・マラン》って、聞いた憶えがあるような……?

 それもそのはず、
 以前に御紹介しました
 『マカン・マラン――二十三時の夜食カフェ』(2015年刊)の続編が、
 こちらの『女王さまの夜食カフェ』なんです♪

「おおッ! かえッてきたのでスゥ!」
「がるぐる!」(←訳:あのお店が!)

 《マカン・マラン》とは、
 インドネシアの言葉で
 『マカン』は食事、
 『マラン』は夜を意味しているので、
 《マカン・マラン》=《夜食》。

 昼間は服飾店、
 そして夜は服飾店で働く御針子さんたちのために
 オーナーさんが賄い料理を作ってふるまう
 夜食カフェ――

「そうそうゥ、そうなのでス!
 おにいさんおねえさんのォ、おみせッ!」
「ぐるぅるがるーる!」(←訳:ドラァグクイーン!)

 自称“品格あるドラァグクイーン”の
 シャールさんが仕切る服飾店兼カフェに、
 そうとも知らず迷い込んでしまったのは、
 西村真奈(にしむら・まな)さん。

 毎日、丸の内で――
 きれいな街路と皇居の緑、
 噴水のある広々とした公園、
 日本を代表する大企業が集中する街で
 働いている真奈さんは、
 ちょうどその時、疲れていたんでしょうか。

 《アリス》の物語に出てくる赤の女王さまのような、
 妖し~い人物に怒鳴りつけられ、
 すってんころりんと
 大転倒する事態に。

「あちゃァ~…」
「がるぐる!」(←訳:膝に血が!)

 赤の女王、
 じゃなくて、
 赤いウィッグをつけた女王さま風の人物は
 真奈さんを助け起こし、
 傷の手当をしてくれました。

 《ダンスファッション店シャール》。

 お店の看板、
 ハデハデな赤いウィッグのドラァグクイーンさん、
 すてきなドレスや服飾小物……
 
 その光景が、
 ドラァグクイーンのジャダさんとの会話が、
 お店を辞去した後も
 真奈さんは気になって仕方ありません。

 近所に、あんな不思議なお店があったなんて。

「またァ、ゆこうゥ!」
「ぐっるぅるる!」(←訳:行っちゃおう!)

 第一話『蒸しケーキのトライフル』、
 第二話『梅雨の合間の竜田揚げ』
 第三話『秋の夜長のトルコライス』
 第四話『冬至の七種(ななくさ)うどん』
 の4篇から構成される連作小説は、
 読んでいる最中、
 読み終えた直後、
 そして読後しばらく経ってから、と
 それぞれ万華鏡のように変わる感情を
 読み手にもたらします。

 苦くて、
 甘くて、
 塩辛くて、
 忘れ難くて。

「じっくりィ、あじわいたいィ!」
「がるるるるる!」(←訳:思い返したい!)

 不思議なお店で、
 お客は、読み手は、
 何を見つけるのか――

 前作『マカン・マラン』と併せて、
 激おすすめの作品です。
 ぜひ、一読してみてくださいね~♪
 

 
コメント
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