「こんにちわッ、テディちゃでス!
ぷふゥ! きのうはァ、びッくりィでしたッ!」
「がるる!ぐるる~!」(←訳:虎です!金ピカ~!)
こんにちは、ネーさです。
成人式があった昨日のこと、
私たちの目を射たのは……金糸銀糸の羽織袴のおにいさんたち!
演歌歌手さん用ステージ衣装かしら?っていうくらい、
極めつけに派手ハデだったわね。
でも、本日の読書タイムは地味です。
地味で、堅実で、正統派なミステリ作品を御紹介しますよ。
さあ、こちらを、どうぞ~♪
―― オシリスの眼 ――
著者はR・オースチン・フリーマンさん、原著は1911年に、
画像の日本語版は2016年11月に発行されました。
英語原題は『THE EYE OF OSIRIS』、
実に原著発行から百余年を経て初めて完訳された“探偵小説”です。
「ひゃッくね~んッ!」
「ぐるる!」(←訳:長寿だ!)
刊行から百年経てもなお、
塵と化すでもなく、
忘れられもしなかったのには
理由があります。
この御本で探偵役を務めている、
ソーンダイクさんというキャラクターが
21世紀の現代でも立派に通用する人物/人格に
描かれている――
これに尽きますね。
「むかしのォひとォ、なのにィ~」
「がるる!」(←訳:モダン!)
前回記事では英国の児童小説の、
『ピーター・パン』について触れました。
ジェームズ・M・バリさん著
『ケンジントン公園のピーター・パン』は1906年に、
続編の『ピーター・パンとウェンディ』は1911年に
出版されています。
つまり、この『オシリスの眼』の世界は
ピーター・パンの世界とカブっている訳なのですけれど、
バリさんが人間の想像力に訴えて物語を紡いだのに対して、
オースチンさんは理知――ロジックの力で
《謎》という名の闇を切り裂いてゆきます。
「めいかいィなァ、ろんりィ!」
「ぐるるがる!」(←訳:証拠を重視!)
余談になりますが、
バリさんは推理小説が大好きで、
あのコナン・ドイルさんとも親友だったのよ。
必ずしもロジックを軽視したのではなかったんです。
そして、
ドイルさんの探偵であるシャーロック・ホームズさんと、
フリーマンさんの探偵ソーンダイクさんは
とてもよく似たタイプでした。
ベースは法医学。
証拠を科学的に分析。
証人と証言。
噂や伝聞を信じない。
「れいせいィでスゥ~!」
「がるぐる!」(←訳:公平だし!)
物語の語り手、医師のバークリーさんは
往診した患者さんの話に驚かされます。
かつて新聞を騒がせた
或る“失踪人”。
煙のように忽然と消えて、
いっこうに消息が知れないエジプト学者さん。
患者さんはそのエジプト学者さんの弟であり、
兄の失踪に苦しんでいることを
バークリーさんに打ち明けます。
兄はどこへ行ったのか、どうしているのか。
生きているとはもはや思えず、
かといって亡くなった証拠もない。
しかし今、
遺産を巡る係争が始まろうとしている……
「それはァ、ふくざつゥ!」
「ぐるぐるる!」(←訳:ゴタゴタだ!)
バークリーさんは
法医学者ソーンダイク博士を頼ります。
医学校時代、
法医学の講座を担当していたソーンダイク博士。
彼ならこの難問も解いてくれるに違いない!
「ろじッく!」
「がるるる!」(←訳:理知の光!)
百年前の作品ではありますが、
訳者・渕上瘦平さんの素晴らしい訳文は
読み手の私たちを馬車とドレスの時代へ
軽々と連れて行ってくれます。
理知が炙り出した《失踪》の全体像とは――?
この長編作品がお気に召したら、
短編集も刊行されていますので、
どうか、そちらもぜひ一読を!
ぷふゥ! きのうはァ、びッくりィでしたッ!」
「がるる!ぐるる~!」(←訳:虎です!金ピカ~!)
こんにちは、ネーさです。
成人式があった昨日のこと、
私たちの目を射たのは……金糸銀糸の羽織袴のおにいさんたち!
演歌歌手さん用ステージ衣装かしら?っていうくらい、
極めつけに派手ハデだったわね。
でも、本日の読書タイムは地味です。
地味で、堅実で、正統派なミステリ作品を御紹介しますよ。
さあ、こちらを、どうぞ~♪
―― オシリスの眼 ――
著者はR・オースチン・フリーマンさん、原著は1911年に、
画像の日本語版は2016年11月に発行されました。
英語原題は『THE EYE OF OSIRIS』、
実に原著発行から百余年を経て初めて完訳された“探偵小説”です。
「ひゃッくね~んッ!」
「ぐるる!」(←訳:長寿だ!)
刊行から百年経てもなお、
塵と化すでもなく、
忘れられもしなかったのには
理由があります。
この御本で探偵役を務めている、
ソーンダイクさんというキャラクターが
21世紀の現代でも立派に通用する人物/人格に
描かれている――
これに尽きますね。
「むかしのォひとォ、なのにィ~」
「がるる!」(←訳:モダン!)
前回記事では英国の児童小説の、
『ピーター・パン』について触れました。
ジェームズ・M・バリさん著
『ケンジントン公園のピーター・パン』は1906年に、
続編の『ピーター・パンとウェンディ』は1911年に
出版されています。
つまり、この『オシリスの眼』の世界は
ピーター・パンの世界とカブっている訳なのですけれど、
バリさんが人間の想像力に訴えて物語を紡いだのに対して、
オースチンさんは理知――ロジックの力で
《謎》という名の闇を切り裂いてゆきます。
「めいかいィなァ、ろんりィ!」
「ぐるるがる!」(←訳:証拠を重視!)
余談になりますが、
バリさんは推理小説が大好きで、
あのコナン・ドイルさんとも親友だったのよ。
必ずしもロジックを軽視したのではなかったんです。
そして、
ドイルさんの探偵であるシャーロック・ホームズさんと、
フリーマンさんの探偵ソーンダイクさんは
とてもよく似たタイプでした。
ベースは法医学。
証拠を科学的に分析。
証人と証言。
噂や伝聞を信じない。
「れいせいィでスゥ~!」
「がるぐる!」(←訳:公平だし!)
物語の語り手、医師のバークリーさんは
往診した患者さんの話に驚かされます。
かつて新聞を騒がせた
或る“失踪人”。
煙のように忽然と消えて、
いっこうに消息が知れないエジプト学者さん。
患者さんはそのエジプト学者さんの弟であり、
兄の失踪に苦しんでいることを
バークリーさんに打ち明けます。
兄はどこへ行ったのか、どうしているのか。
生きているとはもはや思えず、
かといって亡くなった証拠もない。
しかし今、
遺産を巡る係争が始まろうとしている……
「それはァ、ふくざつゥ!」
「ぐるぐるる!」(←訳:ゴタゴタだ!)
バークリーさんは
法医学者ソーンダイク博士を頼ります。
医学校時代、
法医学の講座を担当していたソーンダイク博士。
彼ならこの難問も解いてくれるに違いない!
「ろじッく!」
「がるるる!」(←訳:理知の光!)
百年前の作品ではありますが、
訳者・渕上瘦平さんの素晴らしい訳文は
読み手の私たちを馬車とドレスの時代へ
軽々と連れて行ってくれます。
理知が炙り出した《失踪》の全体像とは――?
この長編作品がお気に召したら、
短編集も刊行されていますので、
どうか、そちらもぜひ一読を!