テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

福招きの《なりきり》本!

2017-01-31 22:06:41 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 おしょうがつよォ、さらばッ!」
「がるる1ぐるるがるぐる!」(←訳:虎です!明日はもう2月!)

 こんにちは、ネーさです。
 一年のいちばん初めの月、お正月。
 笑う門には福来る、の智慧に則り、
 去ってゆくお正月さんをニコニコと笑顔で見送るべく、
 さあ、本日の読書タイムは
 笑わずにはいられなくなるこちらの御本を、どうぞ~♪
 
  



            ―― 本人遺産 ――



 著者(本人)は南伸坊(みなみ・しんぼう)さん、写真は南文子さん、
 2016年8月に発行されました。
 『The Heritage of Honnnin』と英語題名が付されています。

「ほんにんッいさんッ??」
「ぐるるるぅがる?」(←訳:何ですかぁそれ?)

 御本冒頭の『まえがき』にて、著者・南さんいわく――

   容貌とはその人物の日常の表情の集積であり、
   表情筋の記憶が《本人の顔》なのです。

 顔の語るもの=《本人》が、
 顕著な普遍的価値=《世界遺産的価値》を持つ日が、
 あるいはくるかもしれない――

「ふァ~??」
「が~るぅ?」(←訳:え~とぉ?)

 いえいえ、いいんです、 
 細かいことは気にしなくっても。

 大切なのは、
 著者・南さんの“なりきり”っぷりに
 うふふっ♪と笑えるかどうか、なんですよ。

 そして、私ネーさ、自信を持って断言いたしましょう。

 この御本、笑えます!
 南さんの“なりきり”の度合い、超弩級です!!

「みなみさんのォ、おかおがァ~」
「ぐるるるがる!」(←訳:マルチに変身!)

 “誰かになりきる”のをライフワークにしている芸術家さんて、
 欧米にも結構いるらしいんですけど、
 日本の“なりきり”アーティストさんといえば、
 森村泰昌さんが知られていますね。

 ゴッホさんやマネさんの作品の登場人物になりきっての
 セルフポートレートは、
 “なりきり”の域を逸脱しかかっているほど精密です。

「ごうかァ、でスよゥ!」
「がるる!」(←訳:華やか!)

 この衣装、生地も縫製も特注かしら?
 背景の調度もオーダー品?
 隅々まで凝ってる!
 と感嘆させられる森村さんの作品の出来映えは、
 さながらオペラのよう……。

 対して、
 南さんの作品は、
 オペラではなくて……

 ヴォードヴィル!

「ぼーどびるゥ?」
「ぐるるがる?」(←訳:演芸のこと?)

 ヴォードヴィル(またはボードビル=vaudeville)とは、
 舞台で上演される踊り・歌・手品・漫才などの
 演し物(だしもの)のことです。

 え~?漫才ぃ~?とか言っちゃいけませんよ。
 チャップリンさんも、
 フレッド・アステアさんも、
 出身はヴォードヴィルでした。

 もし、ナマの舞台でアステアさんのタップダンスを
 観ることが出来たなら……?

「すてきィ~!」
「がるっ!」(←訳:最高っ!)

 南さんの“なりきり”は、
 ヴォードヴィル風の即興、
 でたとこ勝負的なデタラメも含め、
 私たち読み手の理性を押し流す勢いを持っています。

 南さんの、ピカソさん(画家)。
 南さんの、寺山修司さん(詩人・戯曲家・作家)。
 南さんの、江戸川乱歩さん(小説家)。

 原節子さん(俳優)も、
 石黒浩さん(ロボット博士)も、
 ふなっしーさん(梨の妖精)も、
 小泉進次郎さん(政治家)も、
 スティーブ・ジョブズさん(アップル創業者)さんも……

 ぷふふふふっ!

「にてないィ~ようなッ?」
「ぐるるがるる!」(←訳:似てるような!)

 私ネーさが最も笑っちゃったのは、

 南さんの、エルサさん。

 そうです、『アナと雪の女王』の、あのエルサさんに
 南さんは堂々“なりきり”ます。
 しかも、その手法たるや、
 実にヴォードヴィルな
 百円均一ショップの知恵と工夫!

「ひゃッきんッ??」
「がるるぐる?」(←訳:百円の知恵?)

 本文66~67ページ、
 エルザさんに大化けし遂げた南さんの艶姿を、
 どうか皆さま、御自身の眼で!

 なお、全編笑いを誘う福々しい一冊は、
 そうです、アレです、
 《通勤通学の電車バス内では読んじゃいけない》御本です。
 なので、ぜひ、ご自宅でお読みくださいね~♪

「ぷふふッ♪」
「ぐるがるっ♪」
 

  
 
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