テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

想いは、五年越し?

2017-10-29 22:09:09 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 きたさんぶらッくゥ、やりましたでス!」
「がるる!ぐるがるるぐる~!」(←訳:虎です!秋の天皇賞勝利~!)

 こんにちは、ネーさです。
 馬券を買ったこともないのですが、
 キタサンブラックくんの春秋連覇に拍手いたしましたよ♪
 本日の読書タイムは、その勢いをありがたくいただいて、
 さあ、こちらの御本を、どうぞ~!
 
  



         ―― 竜宮城と七夕さま ――



 著者は浅田次郎(あさだ・じろう)さん、2017年6月に発行されました。
 時代小説も現代小説も、
 キタサンブラックくんを乗りこなす武豊さんのように
 鮮やかに書き綴る著者・浅田さん――
 昨年からはTVドラマ化された『一路』が好評、
 文庫版『一路』もまた大好評となっていますけれど、
 こちらの御本は、全40編から成るエッセイ集です。

「わらえまスゥ!」
「ぐるるがる!」(←訳:大笑いです!)

 小説作品の端々に、いえ、そこここに
 くすり、うふふ、と
 つい笑ってしまう要素を織り込んでいる浅田さん。

 どうやらエッセイになると、
 堂々と胸を張って
 読み手を笑わせようと企んでいるようです。

 たとえば、こちら――本文46ページの
 『続・しろくま綺譚』
 なんていかがでしょうか。

「むゥ? しろくまッてェ?」
「がるぅるるぐるがる!」(←訳:熊じゃないクマだよ!)

 そう、浅田さんの思考を占領しているのは、
 鹿児島名物のかき氷《しろくま》です。

 5年前のこと、
 夏の鹿児島市を訪れた浅田さんは
 食べたくて食べたくてたまらなかった《しろくま》を、
 悲しいかな、食べそびれてしまいました……

「くやしィ!」
「ぐるるる!」(←訳:恨めしい!)

 あの日の恨みつらみを、今こそ晴らそうではないか。

 5年の歳月は浅田さんの《しろくま》への想いを減ずるどころか、
 むしろ熱く掻き立てていたのでした。

 食べる! 今回こそ食べる!と
 隣県を訪問した後、
 《しろくま》を食べるためだけに、 
 ただそれだけのために、
 鹿児島市へと足を延ばします。

 ふんわり白いかき氷に、
 フルーツが盛られ、
 お店オリジナルの練乳で有名な《しろくま》の本家
 『天文館むじゃき』。

 駅からのアクセス、確認。
 営業時間も、しっかり確認しました!

「よォしッ! ゆきィましょうゥ!」
「がるぐるるぅる!」(←訳:注文しましょう!)

 ターゲット、ロックオン!

 はたして、浅田さんは五年越しの願いを叶え、
 《しろくま》を食すことが出来るのか――

「えッせいィなのにィ?」
「ぐるるるる?」(←訳:サスペンス?)

 一方、表題作品『竜宮城と七夕さま』で
 浅田さんが深く深~く考察するのは、

  《浦島太郎は竜宮城で何を食ったのか》。

「あれッ? そういえばァ~」
「がるぐるるるるがるる?」(←訳:それ聞いたことないね?)

 ここでも、読み手を笑わせながら
 こっそり、ひっそり、浅田さんは提示します。

 浦島太郎の説話・伝説の、本質。
 “ものがたり”とは、どういうものなのかを。

「たのしみかたァ、いろいろッ♪」
「ぐるるるがる!」(←訳:面白さも色々!)

 浅田さんの小説は読んだことあるけど
 エッセイは読んだことないわ、という御方も
 どうか、ぜひぜひ一読を。
 激おすすめの逸品ですよ~♪ 
 
 
 
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