テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ そこに、理由は ~

2024-08-06 22:03:18 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 へいわがァ~いちばんッ!」

「がるる!ぐっるがるる!」(←訳:虎です!ずっと平和で!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 今日は8月6日――この日付が持つ意味を、

 あらためて考え、決意を促される朝を過ごしたあとは、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

          ―― ぼくらは回収しない ――

 

 

 著者は真門浩平(まもん・こうへい)さん、

 2024年3月に発行されました。

 収録されている短編5作品のうち、

 『ルナティック・レトリーバー』は

 東京創元社主催の第19回ミステリーズ!新人賞受賞作品です。

 つまり、この御本は、著者・真門さんの

 記念すべきデビュー作品集という訳ですね。

 

「ぱちぱちぱちィ~!」

「ぐるるぅー!」(←訳:祝デビュー!)

 

 5作品のラインナップは、収録順に、

 

 『街頭インタビュー』

 『カエル殺し』

 『追想の家』

 『速水士郎を追いかけて』

 『ルナティック・レトリーバー』

 

 となっていますが――

 

「うむッ! やぱりィ、ここはァ~」

「がるるるぐるる!」(←訳:受賞作を御紹介!)

 

 日食、月食、彗星や流星群の観測……

 ドラマティックな天体ショーが起こる日、

 好奇心に満ちた私たち人間は、

 じっとしていられなくなるようです。

 

 主人公の『ぼく』こと野口圭介(のぐち・けいすけ)さんも、

 その日、午後に起こるという

 部分日食を楽しみにしていました。

 

 午前中は、寮の食堂で友人と将棋。

 少し休息したら、

 午後1時に集合して、

 近所の公園で日食の観測がてら、

 ピクニックをする予定、なんですけど……おや?

 

「あかないィ~??」

「ぐるるるる?」(←訳:動かないよ?)

 

 寮の建物の1階、

 物置として使われている部屋に

 レジャーシートがあるから、

 ピクニックに使わせてもらおう、と

 扉のハンドルに手をかけた寮生のひとりが、

 あれ?と首を傾げました。

 

 ドアが、開かない。

 鍵なんて無いはずなのに。

 

 この物置にはもうひとつ、

 反対側にドアがあるんだ、

 そちらのドアは……と試してみても、

 不思議なことに、開かないんです。

 

 困った圭介さんたち、

 話し合った末、諦めました。

 

 部分日食のピークは午後2時、

 もう時間がない!

 ピクニックシートなしで公園へ急ごう!

 

「ひゃわわゥ! はじまりまスゥ~!」

「がるる!」(←訳:日食だ!)

 

 近所の住民さんたちも大勢集まって、

 遮光版をかざし、

 賑やかにお喋りにながらの天体観測&ピクニックは

 午後3時過ぎまで続きました。

 その後、寮に帰り着いた圭介さんたちは、

 顔を見合わせます。

 

 そういえば、物置のドア。

 なぜ開かなかったんだろう?

 

「あぶないィ~よかんッ!」

「ぐるるがる!」(←訳:不穏な気配!)

 

 依然として開かないドアへ、

 気合を入れて体当たりしたのは、アメフト部の学生さん。

 そうして、

 ようやく開いたドアの向こうに、

 圭介さんたちが見出したのは。

 

「たッ、たたたッ、たいへんッでス!」

「がるるるぐるる!」(←訳:緊急事態だよう!)

 

 鎖(とざ)された部屋で

 何が起きたのか。

 

 著者・真門さん渾身のミステリ作品は、

 また同時に、

 圭介さんたちの¨青春¨を描いた物語でもあります。

 ほわりと甘く、

 きりりと苦い、

 ミステリ好きさん必読の傑作を、

 皆さま、ぜひ♪

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする