テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 張扇が、鳴る、唸る、涙する ~

2024-07-31 22:03:33 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ううッ、えぐぐッ、ぐすんッ、ざんねんすぎるゥ~!」

「がるる!ぐるるっるるる!」(←訳:虎です!惜しかったよね!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 《パリ オリンピック》バスケ男子の対フランス戦、

 ジャイアントキリングまであと一歩でした……(涙々…)

 選手さんたちに心からの労いの拍手を送ったら、

 さあ、気持ちをチェンジ!の読書タイムですよ。

 本日は、こちらのコミック作品を、どうぞ~♪

  

 

 

           ―― ひらばのひと 5 ――

 

 

 著者は久世番子(くぜ・ばんこ)さん、

 講談監修は神田伯山さん、

 2024年7月に発行されました。

 

「せんたろうゥくんッ、まッてたでスよゥ!」

「ぐるがるぐるっる~!」(←訳:前座さん頑張って~!)

 

 講談――

 ここ数年、神田伯山さんの登場に煽られるようにして、

 人気が高まってきた《古典芸能》ですね。

 

 主人公の泉太郎(せんたろう)くんは、

 高校時代に講談を知ったことを機に、

 この世界に入りました。

 まだまだ若手の、『前座』さんです。

 

 そして、お若い『前座』であるだけに、

 泉太郎くん、知りたくて堪らないんです。

 

 昔の、講談が大人気で、活気があった頃のことを。

 多くの名講談師を育てたという、

 伝説の講釈場(こうしゃくば)

 『音羽亭(おとわてい)』が無くなってしまった理由を。

 

「うむむゥ、いよいよォあかされるゥ~!」

「がるるるぐる!」(←訳:音羽亭の物語!)

 

 講談にかかわる人びとの、

 それぞれが胸に抱く情熱、情愛、

 無念や哀惜までもがぐいっと刻まれた御話の山場は、

 《張扇供養(はりせんくよう)》。

 

 一年の終わりに、講釈師が使う重要な道具

 《張扇(はりせん)》に、

 感謝して、お焚き上げする――

 江戸の香りを残す、

 風情ある年末の行事ですね。

 

「おふどうさまッ!」

「ぐるるがるるるぐっるるる!」(←訳:薬研堀不動院でやってます!)

 

 音羽亭の物語とともに、

 この5巻で強い印象を残すのは、

 というか、圧巻の読後感で

 私たち読み手の背筋を震え上がらせるのは、

 第19話『畔倉重四郎(あぜくら・じゅうしろう)』。

 

 或る日、

 新しい前座見習いさんがやってきました。

 さわやか笑顔のイケメン!

 ということで、

 真打ちのお師匠さんたち、泉太郎くんたちも

 大歓迎……してないわね?

 

「むむむゥ、なにかがァ~…」

「がるぐる!」(←訳:ヘンだよ!)

 

 笑顔の一枚下に、何があるのか――

 

 ヒトという生きものの凄味を

 ずしんと突きつける傑作は、

 全活字マニアさん必読です。

 夏休みの読書リストに、

 ぜひ、加えてくださいね~♪

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ~ ゆるゆる 滋賀旅 ~ | トップ | ~ もうひとつの、探偵冒険... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブックス」カテゴリの最新記事