「こんにちわッ、テディちゃでス!
きょうはァ、すえひろがりィ~?」
「がるる!ぐるる!」(←訳:虎です!8に8!)
こんにちは、ネーさです。
末広がりな今日8月8日は……『世界猫の日』。
国際動物福祉基金(IFAW)が定めた『INTERNATIONAL CAT DAY』は、
猫に安全な生活を提供することを誓う日、だそうですよ。
世界中の全ニャンズの幸福を祈りながら、
さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― NOIR 色の物語 黒 ――
著者はヘイリー・エドワーズ=デュジャルダンさん、
原著は2020年に、画像の日本語版は2024年6月に発行されました。
仏語原題は『NOIR - Des Grottes De Lascaux À Pierre Soulages』、
『ラスコーの壁画からピエール・スーラ―ジュまで』
と日本語副題が付されています。
《アートにおける黒とは?》
をテーマとするこの御本に収録されているのは、
古今の画家さんたちが描いた
¨黒の絵画¨――
ラスコーの壁に刻まれた黒の線、
カラヴァッジョさんの¨絶望¨の黒、
レンブラントさんの黒いドレス、
ド・ラ・トゥールさんの温もりある黒、
キース・へリングさんの黒……と、
《黒色》が強い印象をもたらす作品たちです。
「むむゥ! おもたいィ~!」
「ぐっるるがるるる!」(←訳:ズッシリしてるね!)
ええ、そうなんですよね、
紹介されている作品の黒はどれも、
使用されている画材のせいでしょうか、
濃密な黒色、なんです。
本文71ページには、
17世紀の中国の山水画が掲載されていますが、
これもけっこう墨の色が濃くて、
私たち日本人がイメージする
¨濃淡自在¨な水墨画の幽玄世界とは
ちょっと違うような。
西欧のアーティストさんが常識とする黒と、
日本の画家さんが基本にしてきた黒は、
ずいぶん隔たりがあるんだなぁ、と
寂しくなったりしました……。
だってもう、
ゴヤさんの『マドリード、1808年5月3日』の
背景になっている夜空の、
星ひとつないド深い闇色なんて
日本美術にはない虚無の色に見えて。
「まだまだァ、ありまスゥ!」
「がるるる!」(←訳:西洋の黒!)
ピカソさんの『ゲルニカ』(1937年制作)は、
黒を支えるかのように
グレーが多用されていて、
意外なことに水墨画に近いものを感じます。
ただ、『ゲルニカ』は保存状態が良くない、
と聞いたことがあるので、
ピカソさんが意図した絵の具の発色が
どれほど保たれているのか、
考えずにはいられません。
完成当時の『ゲルニカ』は、
もっと暗く、黒かったのか?
それとも、コントラスト鮮やかな、
黒と白の絵画だったのか?
「れきしてきィ~さくひんッ!」
「ぐるるがるぐる……」(←訳:悲劇の黒色だね……)
オーギュスト・ルノアールさんいわく、
『黒は色彩の女王である』。
古代の黒と現代の黒、
美術史を彩る黒の物語を、
アート好きな活字マニアさんは、
ぜひ、手に取ってみてくださいね♪
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