テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 《星月夜》を、読む ~

2024-05-13 22:03:18 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 きょうもォ、あきらめずにィ~!」

「がるる!ぐるるるがる!」(←訳:虎です!夜空観測です!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 もう磁気嵐は終わって、オーロラは出ないのかなぁ……

 見てみたいなぁオーロラ……

 と野望に駆られて今日も天を仰いだ後は、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

           ―― ゴッホが見た星月夜 ――

 

 

 著者はジャン=ピエール・ルミネさん、

 日本語版監修は石坂千春さん、

 原著は2023年に、画像の日本語版は2024年2月に発行されました。

 仏語原題は『LES NUITS ÉTOILÉES DE VINCENT VAN GOGH』、

 『天文学者が解き明かす名画に残された謎』と

 日本語副題が付されています。

 

 ヴィンセント・ヴァン・ゴッホさん(1853~1890)。

 

 向日葵の画家さん、というよりも、

 最も魅力的な夜空を描いた画家さん、

 と呼びたくなるゴッホさんが、

 今回の低緯度オーロラのニュースを知ったら、

 即座にスケッチブックを抱えて

 戸外へと走り出たことでしょう。

 

 『夜のカフェテラス』(1888年)

 『ローヌ川の星月夜』(1888年)

 『星月夜』(1889年)

 

 といった“星の夜空”を描いたゴッホさんの作品は、

 ただごとでない美しさを湛えています。

 

「あざやかなァ、あおいろッ!」

「ぐるるるがる!」(←訳:キラめく星々!)

 

 ゴッホさんは、それらの作品をどう描いたのか――

 現実の、空に輝く星月たちを描き取ったのか。

 気分のままに、キャンバスに絵の具を置いていったのか。

 

 つまり、

 ゴッホさんの『星月夜』は、

 リアルなのか、

 フィクションなのか?

 

 その考察と実証に取り組んだのが、

 著者のルミネさんです。

 

 ルミネさんは、

 マルセイユ天体物理学研究所に所属する天体物理学者であり、

 フランス国立科学研究センター研究名誉部長さん、なんです。

 専門は、ブラックホールおよび宇宙論、ですって。

 

「てんたいィぶつりがくゥ?」

「がるるるる!」(←訳:本職さんだ!)

 

 そう、天体物理学者さんが調査に乗り出すくらいです、

 ゴッホさんはデタラメに、勝手気ままに

 星月夜を描いたのではありませんでした。

 

 妹のウィル・ヤコバさんへの手紙では

 『星空を描きたくてたまらない』

 と文章にしたことも、

 弟・テオさん宛に

 『星月夜』のスケッチ画を添えた手紙や、

 デッサン10枚を送ったこともありました。

 また、雑誌『天文学』の熱心な読者でもあったのです。

 

「にゅうねんなァじゅんびィ、したのでスゥ!」

「ぐるるるるがるぐるる!」(←訳:デタラメなはずないよ!)

 

 青を背景に光を放つ

 月、金星、アルデバラン、

 みずがめ座、うお座、おひつじ座、

 東西南北、地平線、

 建物や河岸の形、教会の塔の位置。

 

 さまざまなデータから明らかになってゆくのは、

 驚異的な観察力……!

 

「ごッほさんッ、もしかしてッ?」

「がるぐる??」(←訳:写実主義??)

 

 ゴッホさんが画布に投じた、

 消えることのない輝き。

 

 ゴッホさんの作品図版だけではなく、

 スケッチ、弟テオさんへの手紙、

 写真、正座や天体の配置図など、

 関連資料も数多く収録されています。

 アート好きな活字マニアさん、

 天文好きな方々も、

 ぜひ、手に取ってみてくださいね♪

 

 

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