テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 答えは、6つ? ~

2024-09-29 22:03:56 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ♪るるゥ~♪さいたァ~さいたァ~♪」

「がるる!ぐるるるがる~♪」(←訳:虎です!銀木犀の花が~♪)

 

 こんにちは、ネーさです。

 今朝方、玄関のドアを開けたら……おお、香りが!

 ええ、今年も銀木犀の花が咲きましたよ。

 秋の香りに包まれて、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

         ―― アンソロジー 嘘と約束 ――

 

 

 著者はアミの会の皆さん、

 単行本は2019年に、画像の文庫版は2023年10月に発行されました。

 

 各ジャンルで活躍する女性作家さんたちが集う

 『アミの会』から、

 このアンソロジー作品に参加しているのは、

 収録順に、

 松村比呂美さん、

 松尾由美さん、

 近藤史恵さん、

 矢崎存美さん、

 福田和代さん、

 大崎梢さん。

 

「にんきのォさッかさんッ、なのでス!」

「ぐるがーるるぐるる!」(←訳:でもテーマが怖いよ!)

 

 6つの作品をつなぐ糸は、

 御本の題名にもありますように、

 『嘘と約束』です。

 

 『嘘』、そして『約束』。

 どう頑張っても相性が良くなさそうなこのふたつが、

 どんなタッチで、どう描かれるのか――

 

 ここでは、6作品の中から、

 大崎梢(おおさき・こずえ)さん著

 『いつかのみらい』

 をちょっとだけ御紹介いたしましょう。

 

「ぶたいはァ、とうきょうッ?」

「がるるる!」(←訳:季節は春!)

 

 市村晴美(いちむら・はるみ)さんは、

 東京・飯田橋にある

 小さな編集プロダクションで働いています。

 

 そこに、春の或る日、

 市村さんにお会いしたいと

 ひとりの女性がやって来ました。

 

 誰だろう? 見覚えは無いけれど?

 と首を傾げる晴美さんに、

 差し出された名刺には……えっ?

 

 リサーチ会社?

 

「ふむむゥ! それはァ、いわゆるゥ~…」

「ぐるるがるる~!」(←訳:探偵の会社だ~!)

 

 リサーチ会社の調査員・吹雪菜々子(ふぶき・なおこ)さんは、

 晴美さんに説明し、懇願します。

 

 老婦人が一人、

 行方不明になっている。

 依頼主立会いのもと、

 彼女が暮らしていた部屋を調べてみて、

 手掛かりになりそうなのは……

 これ以外になくて。

 

「がようしィ?」

「がるぐるるるるる!」(←訳:絵が描いてあるよ!)

 

 子どもが描いたものと思われる、

 明るい色合いの絵の裏側には、

 『いちむら はるみ』

 の署名がありました。

 

 晴美さん、驚かずにはいられません。

 小学校の頃の、私が描いた絵?

 

 晴美さん自身もすっかり忘れていた絵を、

 ずっと、誰かが大事に持っていた?

 そして、

 その誰かは、行方知れずになっている?

 

 ぼんやり霞む記憶の森へ、

 晴美さんは踏み入ってゆきます。

 小学生の私は、

 あの絵を誰かに渡した?

 その誰かの、名前は? 顔は?

 

「ううゥ、こどもじだいのォ、きおくゥ??」

「ぐるるるるがるるぐる~…」(←訳:思い出せる自信がない~…)

 

 晴美さんの物語のどこに、

 『嘘』と『約束』が隠れているのか。

 

 ほんのり甘かったり、

 薄ら苦かったり、

 光の当て方ひとつで

 表情を変えてゆく6つの作品は、

 短編好きな活字マニアさんにおすすめですよ。

 本屋さんで、図書館で、

 ぜひ、探してみてくださいね~♪

 

コメント
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