「こんにちわッ、テディちゃでス!
ふわァ~…ちょうどいいィきおんッ!」
「がるる!ぐるるるるがる~!」(←訳:虎です!エアコンも不要~!)
こんにちは、ネーさです。
先週の荒天が嘘のような秋の日ですね。
どうかこのまま、落ち着いた気候が続いてくれるよう、
災害が起こらないよう祈りつつ、
さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― ハヤブサを盗んだ男 ――
著者はジョシュア・ハマーさん、
原著は2020年に、
画像の日本語版は2024年7月に発行されました。
英語原題は『THE FALCON THIEF』、
『野鳥闇取引に隠されたドラマ』と日本語副題が付されています。
「むぐゥ! やみとりひきィ……!」
「ぐるるがるるぐるる!」(←訳:危険な匂いがするよ!)
2010年5月3日、
この日、英国はバンクホリデーの祝日でした。
混み合うバーミンガム空港の、
ファースト/ビジネス客専用ラウンジで
清掃のお仕事をしていたジョンさんは、
小さな異変に気付きます。
シャワーブースのお客さん、
長居しすぎじゃないか?
もう20分は経ってるぞ?
ようやくお客さんが出てきて、
掃除を始めようと
ブースに入ったジョンさんでしたが。
急ぎ、空港警備員さんに
連絡する事態になりました。
「ななッ、なにごとォでスかッ??」
「がーるるるぐるるがるる?」(←訳:ブース内に異常はないよ?)
ええ、異常は何ら見当たりません。
というか、
何もないところが
かえって異常です。
シャワーブースを使った形跡が、ない。
床は乾いていて、
タオル類にも手をつけておらず、
トイレも洗面台も使用した様子はなし。
では、あの客はここで何をしていたんだ?
「あやしいィ~!」
「ぐるがるぐる!」(←訳:絶対不審人物!)
よくよく検分すると、
ひとつだけ、ブース内に”変化”がありました。
ゴミ箱の底に、
緑色の紙でできた卵容器があって、
中に、ぽつんとひとつ、
赤く塗られた卵が。
「ふァ??」
「がるるぅ?」(←訳:タマゴぉ?)
ジョンさんが気付いた小さな異変に応じ、
空港のテロ対策班が動きます。
捜査の結果、ブース内に危険物はありませんでした。
しかし、
問題の客を拘束し、
衣服を脱ぐよう命じると――
「たッ、たまごッ!」
「ぐるがるるる!」(←訳:卵がぞろぞろ!)
警察によるさらなる調査の結果、
卵は稀少な猛禽類の有精卵であると判明します。
その卵たちは、まず間違いなく、
野生の鳥の巣から
盗み取ってきたもの。
かくして、
道徳心のかけらもない卑劣なタマゴ泥棒と
野生生物犯罪部捜査員・マクウィリアムさんの
闘いの幕が切って落とされた!のですが……。
「しょうげきィ、でスゥ!」
「ぐるるがるるぐるるる……」(←訳:こんな犯罪があるんだ……)
ワシントン条約で、或いは国ごとの法律で、
厳格に禁止されている
野生動物の違法な取引――
その法の網の目を、
どれほど監視してもくぐりぬけていく
タマゴ泥棒たち。
息を呑むような導入部から展開する
世界規模の犯罪をめぐるノンフィクション作品は、
全活字マニアさん必読の快作ですよ。
最後に笑うのは、
タマゴ泥棒か、
警察か――
皆さまもぜひ、手に汗握ってみてくださいね~!