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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ タマゴ泥棒、許すまじ! ~

2024-09-24 22:03:07 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ふわァ~…ちょうどいいィきおんッ!」

「がるる!ぐるるるるがる~!」(←訳:虎です!エアコンも不要~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 先週の荒天が嘘のような秋の日ですね。

 どうかこのまま、落ち着いた気候が続いてくれるよう、

 災害が起こらないよう祈りつつ、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

          ―― ハヤブサを盗んだ男 ――

 

 

 著者はジョシュア・ハマーさん、

 原著は2020年に、

 画像の日本語版は2024年7月に発行されました。

 英語原題は『THE FALCON THIEF』、

 『野鳥闇取引に隠されたドラマ』と日本語副題が付されています。

 

「むぐゥ! やみとりひきィ……!」

「ぐるるがるるぐるる!」(←訳:危険な匂いがするよ!)

 

 2010年5月3日、

 この日、英国はバンクホリデーの祝日でした。

 混み合うバーミンガム空港の、

 ファースト/ビジネス客専用ラウンジで

 清掃のお仕事をしていたジョンさんは、

 小さな異変に気付きます。

 

 シャワーブースのお客さん、

 長居しすぎじゃないか?

 もう20分は経ってるぞ?

 

 ようやくお客さんが出てきて、

 掃除を始めようと

 ブースに入ったジョンさんでしたが。

 

 急ぎ、空港警備員さんに

 連絡する事態になりました。

 

「ななッ、なにごとォでスかッ??」

「がーるるるぐるるがるる?」(←訳:ブース内に異常はないよ?)

 

 ええ、異常は何ら見当たりません。

 

 というか、

 何もないところが

 かえって異常です。

 

 シャワーブースを使った形跡が、ない。

 床は乾いていて、

 タオル類にも手をつけておらず、

 トイレも洗面台も使用した様子はなし。

 

 では、あの客はここで何をしていたんだ?

 

「あやしいィ~!」

「ぐるがるぐる!」(←訳:絶対不審人物!)

 

 よくよく検分すると、

 ひとつだけ、ブース内に”変化”がありました。

 

 ゴミ箱の底に、

 緑色の紙でできた卵容器があって、

 中に、ぽつんとひとつ、

 赤く塗られた卵が。

 

「ふァ??」

「がるるぅ?」(←訳:タマゴぉ?)

 

 ジョンさんが気付いた小さな異変に応じ、

 空港のテロ対策班が動きます。

 捜査の結果、ブース内に危険物はありませんでした。

 しかし、

 問題の客を拘束し、

 衣服を脱ぐよう命じると――

 

「たッ、たまごッ!」

「ぐるがるるる!」(←訳:卵がぞろぞろ!)

 

 警察によるさらなる調査の結果、

 卵は稀少な猛禽類の有精卵であると判明します。

 その卵たちは、まず間違いなく、

 野生の鳥の巣から

 盗み取ってきたもの。

 

 かくして、

 道徳心のかけらもない卑劣なタマゴ泥棒と

 野生生物犯罪部捜査員・マクウィリアムさんの

 闘いの幕が切って落とされた!のですが……。

 

「しょうげきィ、でスゥ!」

「ぐるるがるるぐるるる……」(←訳:こんな犯罪があるんだ……)

 

 ワシントン条約で、或いは国ごとの法律で、

 厳格に禁止されている

 野生動物の違法な取引――

 その法の網の目を、

 どれほど監視してもくぐりぬけていく

 タマゴ泥棒たち。

 

 息を呑むような導入部から展開する

 世界規模の犯罪をめぐるノンフィクション作品は、

 全活字マニアさん必読の快作ですよ。

 最後に笑うのは、

 タマゴ泥棒か、

 警察か――

 皆さまもぜひ、手に汗握ってみてくださいね~!