「こんにちわッ、テディちゃでス!
もうすぐゥ~れんきゅうゥでスゥ!」
「がるる!ぐるーるるるがる!」(←訳:虎です!スポーツの日だよ!)
こんにちは、ネーさです。
スポーツの日……運動音痴の私には縁遠い祝日ですから、
そ~っとスルーすることにして、
えへん、さあ、読書タイムと参りましょう。
本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 小泉八雲と妖怪 ――
著者は小泉凡(こいずみ・ぼん)さん、
2023年8月に発行されました。
小泉八雲さん(1850~1904年)の伝記作品を著したのは、
お名前からも判りますように、
八雲さんを曽祖父に持つ
民俗学者の小泉凡さん!
「つまりィ、これはァ~…」
「ぐぅるるーがるるるー?」(←訳:ファミリーヒストリー?)
御本の冒頭には、凡さんによる
『小泉八雲とわたし』
『はじめに 小泉八雲と妖怪』
という、2つの文章が収められています。
そこに、
私は八雲に会ったことはもちろんありません。
と記しながらも、
凡さんが語る八雲さんの生涯は、
曽祖父・八雲さんにこっそり耳打ちされたかのような、
迫真性に満ちています。
「はじまりはァ、みなみのォくにィ!」
「がるるぅぐるる!」(←訳:ギリシャでした!)
八雲さんの生誕地は、
ギリシャ西部のイオニア海に浮かぶレフカダ島。
海に囲まれ、温暖な気候のその島で
少年時代を、いえ、一生をのんびりと、
何の憂いもなく過ごせたなら……と想像してしまいますが。
父・チャールズさんは
英国陸軍所属の軍医。
いつも一緒にいてくれる父親、ではなかったんですね。
「さみしいィでス……」
「ぐるる~…」(←訳:切ない~…)
離れて暮らす父・チャールズさんからの迎えが来たのは、
二歳になった夏のこと。
母・ローザさんは幼い八雲さんを連れ、
アイルランドのダブリンに向かいます。
けれどもこの旅は、八雲さんにとって
“喪失の旅”ともなりました。
北国アイルランドにギリシャの陽光はなく、
母・ローザさんは寒々しいダブリンに馴染めなくて、
ギリシャに帰国してしまいます。
ただひとり取り残された少年に救いとなったのは、
子守のキャサリン・コステロさんが聞かせてくれる
怖~いお話……!
「わわゥ! でたッ!」
「がるるぐるる!」(←訳:妖精やオバケ!)
喪失の只中に見つけた至福の時を、
小さな八雲さんは大切に抱え込みます。
胸の奥に、こころの真芯に。
そうして、
大西洋を渡ったのちは記者となり、
不思議な出来事や物語を探し求めて
さらに東へ、東へと歩み続けて、
日本へ――
「ようこそォ、せんせいィ!」
「ぐるるがるるっるるるぐる!」(←訳:お会いしたかったです先生!)
八雲さんを招く
妖怪――異界に棲む目に見えぬものたち。
はたして、
喪失の旅は、東洋の小国で終わったのか。
児童書という扱いになってはいますが、
八雲さんに関する図版資料も多数収録されている伝記作品は、
歴史好きな方々、
『怪談』ファンの方々におすすめです。
ぜひ、一読してみてくださいね~♪